捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰文庫

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妊娠編

赤子のように泣きじゃくる

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これで終わりにしよう、ここでの生活は終わりだ。
悪魔は僕を迎えに来た。
あの人からは逃げられない、、、。


---
手のひらのこれタバコの痕か、酷いことをする。
「琉架?」
比嘉さんから来た琥珀さんと出会ってしまったという話、、、。
正直琉架の心境からしてとてもじゃないけど不安定だろう。

ぎゅっと強く抱きしめられていて嬉しいんだけどでも琉架の声を思いを聞かないと
「琉架、喋れる?」

顔を上げたので顔を包んだ。

琉架の顔すっごい悲しそうな顔してる。
言葉が出てこない。

キスしたい、そんな流れに任せちゃ駄目だ、、、。


「日暮さん……」
え? 名前、、、。

「僕、ここ出て行きます」
と目をそらした。

「ん? どうして?」
「僕がいたらみんなに迷惑かけちゃうし、それに父もなにをしてくるか分かりません、だから」
「だから琉架が出て行くの? そんな必要ないよ、それに俺の目を見て今言ったこともう一度言える?」


……。

目が合った。
そして琉架は喋りだす。

「ぼ……僕がいたら……みんあに……迷惑…かけっ…ちゃ…あっああっ……僕嫌だ、ここから離れたくないよ」
琉架は強がっていたのであろう。

強く抱き寄せた。

「誰も琉架を責めたりしないよ、あの悪魔の囁きなんて無視していいんだ、逆に弱いところにつけ込むとあの悪魔は来てしまう、琉架、俺が傍にいるよ」

泣きじゃくっていた顔を上げ目からたくさん落ちている涙を指でふく、それでも大粒な涙はどんどん流れてきた。


「琉架の大切な幸せは俺が守る、これからもずっと」


おでこを合わせ琉架の泣く姿を見て俺も一緒に涙を流した。


耳元で声をあげて泣く琉架はまるで赤子のように泣きじゃくっていた。



こんな風にしてしまうあの男、琥珀が許せない。


琉架は落ち着いたのかベッドで寝てしまった。
本当はもう少し一緒にいたいけど

俺の代わりにサクラタウンでGETした大きな熊さんを横において事務所に戻った。


「琉架くん大丈夫だった?」
「はい、比嘉さんこの度は危険な場面から琉架を助けて頂きありがとうございました」

と礼を言うと


「俺は正直琉架をここに置いておくのは反対だと思う、でもあの男の思い通りになるのも嫌だから、俺たちで琉架を守ろう」

「ふはっ本当に比嘉さんって優しい」
「お前!!」

「正樹さんそんなに起らないで」
「分かってるよ、紅羽」


「で、お二人はどこかにお出かけだったんですか?」


「うん、映画見た帰りだよ、どうせならジャスミンに顔出したいって言ったらあそこに出くわしたんだ」
「そうだったんですか、ある意味ラッキーでした」

「そうだね、でもやっぱり琥珀琉架くんはもう少し注意してみてあげたほうがいいかも」
「それにあの世羅って男も関わりもっちまったんなら、紅羽レベルで危ないかもな」


「そういえば紅羽さんってなにかの事件に巻き込まれたことあるんですか?」
「んー事件ってほどでもないんだけど」
「姫咲の家は昔から富豪だろ」

「ああ、ってシノンはその場合どうなるんですか?」
「シノンは家出したからね、もう姫咲との縁は切れてるんだけど、でも人質になった場合はどこに請求がくるかは分からないけどね」


「、、、、そうなんだ」
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