66 / 173
同棲編
やっぱり……
しおりを挟む
「瑠那さん」
部屋をノックし僕は今日も瑠那さんの元を訪れた。
「だ、誰?」
ズキ……。
笑顔で
「おはようございます! 瑠那さん、初めまして僕は琉架です」
それから毎日朝繰り返した。
きっと要さんもこんな気持ちで世話をしていたのだろう。
瑠那さんが忘れないように僕との写真を部屋にいっぱい飾ったり大きな文字で要さんと僕の名前を置くことにした。
数週間後
「おっはようございます」
「おはよう、琉架くん」
さすがの僕もぱぁあああああっと明るくなり思わず抱きついてしまった。
それからは瑠那さんにいっぱいいろんな人に会ってもらった。
「おはようございます瑠那さん」
「誰?」
首を傾げていた。
ここ数週間は記憶喪失が治ってきたと思っていたのにまさかのここでズキっと心臓が押し潰されたかのように痛い。
でもまた同じことを繰り返せればいいんだ。
大丈夫。大丈夫といろいろと教えてあげたが僕は少し震えていた。
瑠那さんのお世話時間が終わり要さんのベッドで布団を被った。
「琉架?」
そこに要さんがきた。
「モニターで見てたんですか?」
「ああ、うん大丈夫か?」
「ぐすん……僕は役に立たない」
「そんなことないよ」と傍に来てくれた。
要さんの胸元で泣いた。
「琉架はとてもいい子だから、俺たちも安心して任せられてるんだ、気負うこともないし、琉架だけのせいでもないよ」
「うん」
ぎゅっと服を掴んで泣いてしまった。
ゆっくり背中をぽんぽんと優しくしてくれて僕はいつの間にかに夢の世界に。
---
琉架に無理をさせてしまったか。
でも琉架はやる気に満ちあふれていたから俺はそれがいいと思っていた。
それにやはり瑠那さんは回復しないということが改めて分かった。
Ωたちが稼いだお金で瑠那さんを入院させるのはどうかと思ってしまう。
番のαが現われたら一番いいんだけど、でも彼がここに来た時には捨てられたって言ってたし……。
そんなαなんていなくなればいいって思う。
俺の運命の番も喰い殺された。
αのなにがいいんだ、偉いと思ってるのか???
俺もαだけどそうは思いたくないし、全員一緒だろ。
はぁー琉架のあの泣き顔ぐっときてしまった、、、。
彼にはもう悲しい思いさせたくないけどでも、、でもまだ幼い彼にはたくさんいろんなことを知ってもらいたい。
そう思ってる。
少しずつでいいから、琉架には成長してほしい。
部屋をノックし僕は今日も瑠那さんの元を訪れた。
「だ、誰?」
ズキ……。
笑顔で
「おはようございます! 瑠那さん、初めまして僕は琉架です」
それから毎日朝繰り返した。
きっと要さんもこんな気持ちで世話をしていたのだろう。
瑠那さんが忘れないように僕との写真を部屋にいっぱい飾ったり大きな文字で要さんと僕の名前を置くことにした。
数週間後
「おっはようございます」
「おはよう、琉架くん」
さすがの僕もぱぁあああああっと明るくなり思わず抱きついてしまった。
それからは瑠那さんにいっぱいいろんな人に会ってもらった。
「おはようございます瑠那さん」
「誰?」
首を傾げていた。
ここ数週間は記憶喪失が治ってきたと思っていたのにまさかのここでズキっと心臓が押し潰されたかのように痛い。
でもまた同じことを繰り返せればいいんだ。
大丈夫。大丈夫といろいろと教えてあげたが僕は少し震えていた。
瑠那さんのお世話時間が終わり要さんのベッドで布団を被った。
「琉架?」
そこに要さんがきた。
「モニターで見てたんですか?」
「ああ、うん大丈夫か?」
「ぐすん……僕は役に立たない」
「そんなことないよ」と傍に来てくれた。
要さんの胸元で泣いた。
「琉架はとてもいい子だから、俺たちも安心して任せられてるんだ、気負うこともないし、琉架だけのせいでもないよ」
「うん」
ぎゅっと服を掴んで泣いてしまった。
ゆっくり背中をぽんぽんと優しくしてくれて僕はいつの間にかに夢の世界に。
---
琉架に無理をさせてしまったか。
でも琉架はやる気に満ちあふれていたから俺はそれがいいと思っていた。
それにやはり瑠那さんは回復しないということが改めて分かった。
Ωたちが稼いだお金で瑠那さんを入院させるのはどうかと思ってしまう。
番のαが現われたら一番いいんだけど、でも彼がここに来た時には捨てられたって言ってたし……。
そんなαなんていなくなればいいって思う。
俺の運命の番も喰い殺された。
αのなにがいいんだ、偉いと思ってるのか???
俺もαだけどそうは思いたくないし、全員一緒だろ。
はぁー琉架のあの泣き顔ぐっときてしまった、、、。
彼にはもう悲しい思いさせたくないけどでも、、でもまだ幼い彼にはたくさんいろんなことを知ってもらいたい。
そう思ってる。
少しずつでいいから、琉架には成長してほしい。
20
お気に入りに追加
226
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
変態に飼われた俺は変態の依頼をこなさなければいけない
枝浬菰
BL
2025年1月よりUPします~ オメガバース作品 長編を予定しています!
週1更新
❁あらすじ
意思を持つΩと意思を持たないΩ
どちらも俺、僕だから。
どんな荒仕事だとしても有能な俺様が失敗なんてするわけない!
変態に飼われた俺は変態が依頼する仕事をしなければいけない。これは絶対だ。
そんなある日ターゲットとして警察署長に狙われることに……。
「お前こんなところで何している?」「お前には関係ないことだろ!!」
闇オークションで飼われたΩの美形男子暁は変態の元で対人スキルを身につける。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる