捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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学生編

ブラックワード

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瑠衣に連れて行かれて来た場所は高級住宅街のさらに奥
門を潜り車で3分くらいしてやっと見えてきたのはちょーでかい豪邸だった。


「瑠衣、お前何者??」


「? 御曹司ってやつだよ」
「御曹司?」


「小鳥遊くんだってそうでしょ」
「俺は別に御曹司ってレベルじゃないよ」


「まぁー僕のことはどうでもいいんだけど、とりあえず琉架くんのこと探さないと」

どうでもよくはないが琉架が気になる。
「うん」
瑠衣の後をついて歩くがメイド、執事、豪華なシャンデリアと豪邸にありそうなものばかりだった。

セキュリティルームに入った。
「どう? 琉架くんいた?」
「瑠衣様、お帰りなさいませ」

「それが琉架様はどこにもいませんでした」

「本当に全部の監視カメラにアクセスしたわけ?」
「はい」


ちょっ監視カメラにアクセスって??


さらっとすごいこと言ったな。


「る……瑠衣様」
「なに?」

「あの、見つけたのですがこれはちょっと……映せないといいますか……」
「考えたくもないけど血だらけのシーン?」
「いいえ、もっとえぐそうです」

「全員目つぶれ」
「えっと私は?」

「君は目あけてて」
「はい、では大画面に出します」

バンっとその光景が映し出された。

「消せ!! 早く消せ!!」
「あ、はい」
俺は大きな声を出して画面を消させた。


「最悪なもの見た」
「はい……これは3日ほど前の海に近い倉庫で行われていたと思います」

「……ぐっ…どうして琉架くんがこんなこと」
床に座り込んだ瑠衣の元に先ほどの運転手が向かった。
彼もカラーをつけているということは優秀なΩなのであろう。


画面に映し出されたのは琉架が数人の男たちに襲われているシーンだった。
さっき見た琥珀議員もいた、ってことはあいつが招いたことだろう。
絶対に許さない。


ずっと琉架を傷つけていた、最後は集団レイ○か?
琉架……琉架。

くそ……。俺にもっと力があれば

「……ぐすん、その後はどうなったの? まさか死んでないよね?」
「監視カメラの情報によるのですが誰かの車に乗せられたのは確認ができその車を追ってみたところとあるところに停車したのち車は高級デパートの地下駐車場へと姿を隠しました」


「停車したお店は?」

「お前達そこまでにしなさい」
「パパ」

パパ? ってことはここの豪邸の主か。


「瑠衣、琥珀琉架くんと言ったか? 彼についての詮索はブラックワードだ、この意味が分かるだろ?」
「な、なんで琉架くんがブラックワードなのですか?」


「横から口を挟むようで申し訳ございません。琥珀議員は退職されたさきほどニュースでも取り扱っていました、まだ政治家の力が残っているのですか?」

「そうだ」

なんでっ……。
「くっ」

「君は小鳥遊病院の息子さんだね、名は?」
「璃亜武です」

「そうか、実はな琉架くんの父親の権利が強いわけじゃないんだ、母親もまた権利が強い人で私なんかでも一瞬で廃業させられてしまうんだよ、だからこの件について詮索しないブラックワードに認定されているんだよ」


「そんなのおかしいですよ!!」
「ああ、おかしいと思うが瑠衣は今後のことも考え全従業員を危険にさらすことができるか1人のために」
「……。小鳥遊くんごめん、僕はこの件降りるよ、さすがにそれは無理だ」


「分かった」
「君の父上も脅されてるんじゃないのか?」
「はい、琉架の怪我のことは他言無用にと言われています」


「そういうことなんだ」



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