捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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学生編

小鳥遊くんと僕

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「うん要は優しいαだからさ、俺たちが発情期入ったら繋がってセックスしてくれるの、かゆいところに手が届くってやつだね、ラットにもならないから要は俺たちにとって救世主なんだ」


「そうなんだ」
ズキ……。
そうだよね、日暮さんも生活があって、僕なんかのために……。優しいことも言われたけどでも本当は違う。
僕だけ見ててほしいなんて口が裂けても言えない。


「あれ? もしかしてヤバいこと言っちゃったかな?」
「へ?」
にこっと返すと

「はぁーうっざ」と返ってきた。


????

時計を見るとだいぶ時間が経っていた。
「あっあの! すみません、今日はいろいろと教えて頂きありがとうございました、お邪魔しました」と言って僕は日暮さんをあとにした。


急いで帰ろうとするもズキズキとお腹が痛んだ。
怖い、帰りたくない。
学校から帰る時もいつだって足が重ったかった。
高架橋の上で座り込んだ。

「君、大丈夫か?」
とおじさんが声をかけてきたが僕は慌てて階段を駆け下りる、でも結果は転げ落ちていろいろと痛い。
家の重たいドアを開ければ中から聞こえてくる声は怒鳴り声だった。

-----
少し時間は遡り12時 学校
「琉架……」
「琉架くん、来なかったね」と目の前にいた小鳥遊たかなしくんに声をかけた。

「お前、体はもう平気なのか?」
「いちをは心配してくれるんだ、Ωに興味の無い小鳥遊くんは」
「……。そのこと琉架に聞いたのか?」
「違うよ、噂で」


話しにも興味がなさそうだ。
それなら僕はとっておきの秘密を彼に話した。

「琉架くんのことだけど僕が初めてもらっちゃった」と告げると小鳥遊くんはすごい形相で僕を引っ張って他の教室に行ったので他生徒は驚いていた。

「お前、琉架になにした」

「なにって僕琉架くん大好きなんだよね、だから告白して琉架くんの処女もらっちゃった♡」
「……琉架はなんて?」
「んー分からないとか好きになれるわけないとかいろいろ言われた、まぁ保留って感じかな」


「琉架に悲しい思いだけはこれ以上させないでくれ」
「悲しい思いってそれ僕なんだけど」

「……栗花落つゆりはまだ琉架のこと全部知らないだろ、もうあいつに無理はさせたくないんだ」
「でもそれって小鳥遊くんの考え方だよね、琉架くんは違うんじゃないかな?」
「どういうことだ?」

「だから琉架くんってβっぽい考えが強く出ちゃうみたいだけどあの子素質はΩっぽところがあるからさ、琉架くんの思い通りにしてあげたほうがいいかなって思った」

「……」

小鳥遊くん黙って教室に戻っていった。
僕も彼のことが全然分からない。

琉架くんのことには興味はあるけど、むしろ好き? だけどそれ以上深く入り込まないようにしてるところ
変だ。

そしてΩにも興味がなさそう。
僕の発情期も感じていなかった。
本当に興味がないだけ?
すでに番がいる可能性が高いとか?

でも高校生だよ、それに琉架くんもそのことは知らないって言ってたし、本当にだ。

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