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ロック王国物語編
Episode.12
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食堂には衛兵たちが食事をしているようで、僕もお盆をとってその列に並ぶと見知らぬ衛兵が
「あ、ヒスイ様お先にどうぞ」と順番を譲ってくれた。
あっという間に先頭に立ち食事を頂いた。
僕を警戒しているのかそれとも話しかけただけで罰せられてしまうのか分からないが僕は孤独に食事をした。
料理はとても美味しく頂き食堂を後にした。
「今日は知り合いに誰も会わないな」
と呟いていると
「ヒスイ様ですか?」
「はい」
修道院の服を着た女性がきた。
「本日はミサが行われています、もしよければ見学に来ませんか?」
といわれついていった。
ステンドグラスから光が入ってきてとてもきれいな建物に入った。
そこにはローズ様、マーガレット様がいてお祈りをしていた。
「陛下をお守りするためのミサでございます」
と説明を受けミサが終わるまで後ろのベンチで座っていた。
賛美歌や聖書が読まれ心地よい気分になる。
「ヒスイ様、終わりましたよ」ぱっと目を開けると
僕はうたうた寝をしていたようだ。
「すみません」と謝り
マーガレット様に袋を渡された。
「こちらは?」
「これはあなたの想いを伝えられる粉になります、あなたが強く願う人に対してのみ反応するものです」
そんなモノが存在するのかと思った。
「今お飲みください」
「今ですか、、、」
「ええ」
マーガレット様のαの圧で僕は言いなりになった。
粉というよりも粒を飲み込むと僕の体は思うように動かなくなり
「なにを……」
ずるっとその場から崩れ落ち目の前が真っ暗になった。
また陛下に迷惑をかけてしまう。
どこか冷気のようなものを感じる。
ここは一体どこなのだろうか……。
---------------------
ロック王国 城下町 ユーリ邸
馬車道にそった道路脇にぽつんと大きな屋敷があった。
馬車が1台停まり鎖に繋がれた青年が降りた。
そして屋敷に入り
ここの主である、ユーリ・モントレーに出会う。
「君は……マロンという名を授けよう、私のために仕事をしてくれたまえ」
「はい、仰せのままに」
ゴトっと重たい鎖は床に落ち解放された。
「あのご主人様? 僕は奴隷です、鎖を外してしまっても大丈夫なのですか?」
「君は奴隷じゃない、私の専業主夫だ」
……。
と言われた。
「僕はなにをすればよいのでしょうか?」
「マロンは私の世話をしなさい」
「はい、かしこまりました」
ひざまつきズボンのチャックに手をかける。
「なにをしている……??」
「えっとお世話を……」
「そう、他のとこで教わったのか?」
「えっと……はい」
「マロン、君はもう奴隷じゃない、自由なんだ、私の傍にいるから自由ではないが好きなようにしてほしい」
「……好きなように……」
「そうだ」
ポンと頭に手を置き、優しく撫でてくれた。
それがこの物語の始まりだ。
それから3年後
ユーリは体を求めてこないし、普通な日常を暮らしている。
とても幸せだ。
「そういえば、マロン、君やりたいことがあるんだよね? 順調に進んでいるか?」
「あ、はいこれを」といい紙を渡した。
「Ω専用の仕事場を作ろうと思いまして、ちょうど庭先のトンネルから鉱石を発掘できることが分かったのでこの屋敷を入り口としてΩの働き口をというのを書きました」
「そうだな、ここは私有地だし、鉱石も加工して高値で売れれば一石二鳥だしな」
「はい」
「しかし、野良のΩなんているのか?」
「はい、実はそういうところがありまして」
「スラム街的な感じか?」
「はい」
「変な輩に目をつけられないように慎重に行うことだな」
「はい、気をつけます」
そうしてなんとかΩ専用の仕事場を結成したマロンは3人のΩを雇うことに成功した。
α、βとの繋がりは一切なく野良のΩとして身を隠していたそうだ。
ユーリに緊張して表に出てこないが3人とも仕事を熱心にしてくれた。
鉱石は加工して宝石として売られとても人気だ。
僕は加工技術をβとして学びそれを活かしてオーダーを受けていた。
いつかΩが作るアクセサリーとかしたいが当分この世の中では難しいなと感じた。
「最近、オスカル侯爵という男がうろついているようだ、マロン、他3人も気をつけなさい」
「はい」
「特にマロン、君は狙われやすい、これをつけていなさい」
と首に装着されたのは
「これってカラーですか?」
「そうだ、君はΩだが容姿を活かしてβとして生活をしているからな急につけたら他も驚くだろう、だからこれはなにか言われたらカラーではなくチョーカーといいなさい」
「分かりました」
「私はこれから1週間出張に出てくるなにかあればすぐに連絡しなさい」
「はい、お気をつけて」
といいユーリは隣国へ出張に出かけてしまった。
さすがにユーリを訪れてはオスカル侯爵という人はこないよね。
さてと今日の仕事に取りかかろうかな。
「今日は中間地点までいけると思うので作業よろしくお願いしますね」
「「「はい」」」
よし、そしたら僕は買い物に出かけちゃおうっと。
コンコンコン
?
「あ、ヒスイ様お先にどうぞ」と順番を譲ってくれた。
あっという間に先頭に立ち食事を頂いた。
僕を警戒しているのかそれとも話しかけただけで罰せられてしまうのか分からないが僕は孤独に食事をした。
料理はとても美味しく頂き食堂を後にした。
「今日は知り合いに誰も会わないな」
と呟いていると
「ヒスイ様ですか?」
「はい」
修道院の服を着た女性がきた。
「本日はミサが行われています、もしよければ見学に来ませんか?」
といわれついていった。
ステンドグラスから光が入ってきてとてもきれいな建物に入った。
そこにはローズ様、マーガレット様がいてお祈りをしていた。
「陛下をお守りするためのミサでございます」
と説明を受けミサが終わるまで後ろのベンチで座っていた。
賛美歌や聖書が読まれ心地よい気分になる。
「ヒスイ様、終わりましたよ」ぱっと目を開けると
僕はうたうた寝をしていたようだ。
「すみません」と謝り
マーガレット様に袋を渡された。
「こちらは?」
「これはあなたの想いを伝えられる粉になります、あなたが強く願う人に対してのみ反応するものです」
そんなモノが存在するのかと思った。
「今お飲みください」
「今ですか、、、」
「ええ」
マーガレット様のαの圧で僕は言いなりになった。
粉というよりも粒を飲み込むと僕の体は思うように動かなくなり
「なにを……」
ずるっとその場から崩れ落ち目の前が真っ暗になった。
また陛下に迷惑をかけてしまう。
どこか冷気のようなものを感じる。
ここは一体どこなのだろうか……。
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ロック王国 城下町 ユーリ邸
馬車道にそった道路脇にぽつんと大きな屋敷があった。
馬車が1台停まり鎖に繋がれた青年が降りた。
そして屋敷に入り
ここの主である、ユーリ・モントレーに出会う。
「君は……マロンという名を授けよう、私のために仕事をしてくれたまえ」
「はい、仰せのままに」
ゴトっと重たい鎖は床に落ち解放された。
「あのご主人様? 僕は奴隷です、鎖を外してしまっても大丈夫なのですか?」
「君は奴隷じゃない、私の専業主夫だ」
……。
と言われた。
「僕はなにをすればよいのでしょうか?」
「マロンは私の世話をしなさい」
「はい、かしこまりました」
ひざまつきズボンのチャックに手をかける。
「なにをしている……??」
「えっとお世話を……」
「そう、他のとこで教わったのか?」
「えっと……はい」
「マロン、君はもう奴隷じゃない、自由なんだ、私の傍にいるから自由ではないが好きなようにしてほしい」
「……好きなように……」
「そうだ」
ポンと頭に手を置き、優しく撫でてくれた。
それがこの物語の始まりだ。
それから3年後
ユーリは体を求めてこないし、普通な日常を暮らしている。
とても幸せだ。
「そういえば、マロン、君やりたいことがあるんだよね? 順調に進んでいるか?」
「あ、はいこれを」といい紙を渡した。
「Ω専用の仕事場を作ろうと思いまして、ちょうど庭先のトンネルから鉱石を発掘できることが分かったのでこの屋敷を入り口としてΩの働き口をというのを書きました」
「そうだな、ここは私有地だし、鉱石も加工して高値で売れれば一石二鳥だしな」
「はい」
「しかし、野良のΩなんているのか?」
「はい、実はそういうところがありまして」
「スラム街的な感じか?」
「はい」
「変な輩に目をつけられないように慎重に行うことだな」
「はい、気をつけます」
そうしてなんとかΩ専用の仕事場を結成したマロンは3人のΩを雇うことに成功した。
α、βとの繋がりは一切なく野良のΩとして身を隠していたそうだ。
ユーリに緊張して表に出てこないが3人とも仕事を熱心にしてくれた。
鉱石は加工して宝石として売られとても人気だ。
僕は加工技術をβとして学びそれを活かしてオーダーを受けていた。
いつかΩが作るアクセサリーとかしたいが当分この世の中では難しいなと感じた。
「最近、オスカル侯爵という男がうろついているようだ、マロン、他3人も気をつけなさい」
「はい」
「特にマロン、君は狙われやすい、これをつけていなさい」
と首に装着されたのは
「これってカラーですか?」
「そうだ、君はΩだが容姿を活かしてβとして生活をしているからな急につけたら他も驚くだろう、だからこれはなにか言われたらカラーではなくチョーカーといいなさい」
「分かりました」
「私はこれから1週間出張に出てくるなにかあればすぐに連絡しなさい」
「はい、お気をつけて」
といいユーリは隣国へ出張に出かけてしまった。
さすがにユーリを訪れてはオスカル侯爵という人はこないよね。
さてと今日の仕事に取りかかろうかな。
「今日は中間地点までいけると思うので作業よろしくお願いしますね」
「「「はい」」」
よし、そしたら僕は買い物に出かけちゃおうっと。
コンコンコン
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