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バース王国物語編

Episode.19

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研究施設内:地下牢屋

「うっ……」
目が覚めるとそこは誰もいない世界だった。

ただただ冷たく体中が冷えている。


「ここは……」
「目覚めたか」

「……君は」
誰もいないかと思っていたら気配を消していたのか護衛の騎士がいた。

「えっと君も捕まったの?」
「さぁな、ここにいるとしたらあんたが逃げないように見張り役なのかもしれないな」
「……でも牢屋の中だけど」

「……私のことは気にしなくてもいい」
とだけ言われまた沈黙が訪れた。


これって騎士も捕まったとしか思えないんだけど、ちらっと向くと冷静にこちらを見ていた。

コツコツと音が聞こえた。
階段を降りてくる数人の研究員。


そしてこの牢屋の前につくと
「おおおおおおお!! これがモアΩの母親なのですね」
「素晴らしい、完成品に間違いない」

「たしか年齢は17歳」
「おお、奇跡の子だ」

と4人の研究員はそう言葉にした。


牢屋の鍵をあけ騎士に命令していた。
僕は牢屋から引っ張り出され騎士に連れられる。

広い部屋の真ん中に椅子がありそこに座った。


なんとなくだがなにをされるのか分かる。
手足を拘束されこちらを見てくる。
騎士は後ろに待機しているがもう護衛の騎士とは思ってはいけない。
ここにいるのは全員敵なのだから。


キッと睨みつけると
顔を触ってきた。

「あーお肌すべすべ、もちもちだ」
服を脱がされていく。

「んっ」

露わになった乳首に触れまわし、ぷくりと突起した乳首をつまんだ。
「んっ//」

「甘い声で鳴いて誘っているのかな?」

ぶんぶんと首を振るが研究員たちは面白がっているように何度も乳首を引っ張った。
おかげでヒリヒリと痛い。


痛いが時折乳首からは乳が出てきた。
それをべろりと舌が這う。

「やっめっ//」


「これは誘ってますね、誘ってますね」
何度も繰り返し
「そろそろいいだろう」

乳首に装置をつけられた。
「これは検査です」といい吸引力を上げると乳首が吸われる。

「んんっ/// いやぁあああ」
ドクドクと無理矢理乳を吸い上げられどうしようもないもどかしさに体が反応してしまう。

数分この行為が繰り返されたらやっと装置から解放された。
「はぁはぁ……」

「これだけ集まれば研究と育児にも役立ちますね」
と話していた。


「はぁはぁ……、シャスール様がきっと助けに来てくれる」
「来ませんよ」
と騎士が言葉を打ち砕いた。

「なんで、あなたはシャスール様の騎士でしょ?」


冷ややかな目でこう告げた。
「番が成立し、子を産みその後のΩの役割としたらなんです? いらない存在だとは思わないのですか?」
「へ?」

「βやαでもないΩがあの屋敷にいて良いとお思いですか?」

ドックンっと鼓動が響いた。

たしかにそうだ。奴隷のΩとしてシャスールの屋敷に来たときから思っていた僕は飼われる身でしか存在ができない。
さらに子を産み大事にされ元々いたβやαの騎士から疎まれても仕方のないこと。

でもあの時、シャスールは言ってくれた。
【私の妻】だと。

それが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。


「シャスール様は僕のことを……番……妻だと言ってくれたあの日から僕はシャスール伯爵様の妻としてやりきるんだと心に決めました、だから……」


「ですが実際に数日たってもお迎えにきませんよね? あなたは捨てられたのです、いらないΩとしてね」

「……ちがっ……」


騎士に責めたたられるようにシャスールに捨てられたという事実を言ってきた。


違う……。シャスール様は……。
ドックン……。
苦しい。シャスール様は決して僕のことをそのような扱いにはしない。


でも……これが本当だとしたら?
Ωのくせに我が儘だ、Ωのくせにシャスール伯爵様にたてつこうなど死罪にあたいする。

……。

僕は……。
がくりとうなだれた。

「さすが騎士様ですね、誘導がお上手で」
「例の準備は?」



「これさえあればあなたの大事なシャスール伯爵様はこの汚らわしいΩから解放され自由になります、なにもかも元通りです」
「頼む」


研究員が近づいてきて注射をした。
「うっ……やだ、助けてシャスール様!!」
最後のシャスールを呼ぶ声だったのかもしれない。

「うわぁああああああああ」

僕の首にある歯形は燃えるような熱さできれいさっぱり無くなった。

牢屋に放り込まれ

ずっと泣いていると数人の男達に囲まれた。
これはあれだよな、ご奉仕しないといけない。
僕はもうあのお方の物でもないただのΩなのだから。

だけど……いやっ


男に覆い被さられ臭い匂いの舌が口の中に入っては全身を犯される。

いやっ…助けて……

昔味わった感覚を思い出した。
恐怖と逃げられない拘束と、きっと僕はここで死ぬだろう。

助けてっと言っても誰もこない。
めちゃくちゃに犯されて、腹の中壊されて最後行き着く先は死だ。

いやぁああああ……


Ωの死はほとんど、性行為によるものだ。
男の鬱憤晴らし、酔った勢いで殴られ、そして深くまで入り血が出て死ぬ。
そんなこんなでΩも減っていく。




もしΩにも自由に生きられる世界があるとしたら僕はその世界に生れたい。
さようなら、シャスール様。

あの時、奴隷市場で僕に目をつけてくれてありがとうございます。
僕はあなたの元でともにし近くで死にたかった。

でももう叶えられない、僕は地獄に落ちる。


…………助け……て。


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