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バース王国物語編
Episode.10
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なんでここにΩが……。
----------------------
屋敷が襲撃されて1日が経った。
「屋敷の修復と馬舎を屋敷のすぐ傍に建てることを検討します」
「ああ、よろしく頼む」
紙にサインして執事が下がった。
「リアム、ノーマンの様子はどうだ?」
「はい、足の骨折が長引いている模様です。完治するまでには数週間必要かと」
「分かった」
襲撃時私の元にいた護衛2人は殺され、ノーマンも重傷を負ってしまった。
やはり狙いはアベル……。
ということになるんだよな。
もっと厳重に注意しなければいけないな。
「ラムスール様」と扉の近くから覗いていた。
ルルベルに傷一つなくてよかった。
「どうかしたのかい?」
「あの、おそばにいてもいいですか?」
?
「ああ、構わないよ」
「ルルベル、ここに座ったらいいよ」
とリアムが言った。
「失礼いたします、さきほどミハエル様がいらっしゃいましてこちらに来るようですが通しても問題ありませんでしょうか?」
「ああ、ミハエルか、構わないよ」
「仰せのままに」
そういえばミハエルと約束していたな。
ミハエルにもルルベルのことを相談しておいたほうがいいか。
「リアム、外に行きたい」
「え!? えっとどうしよう」
とそこに
「やぁ」といい部屋に入ってきた。
金髪の男だった。
ドックン、激しく心臓がぎゅっと痛んだ。
なにこれ……。
「ラムスール、災難だったな、まさか今更になって君の価値が狙われるとわな、やっと悪人も分かってきたか」
この人はダメだ……。
危ない匂いがする。
「屋敷を破壊されるとは思ってなかったからな、今は修繕などで忙しいよ」
「悪いなそんな時に……? 君大丈夫か……」
「はぁはぁ……」
苦しい。
男はこちらに振り返り手を差し伸べようとしたがラムスールが止めた。
「ああ、この子は少し預かっていてね」
「ああ、こいつΩか」
!?
「よく分かったな」
「あーただの勘だよ」
窓の近くに歩いて行き手を大きく広げ
「いやーそうか、別嬪だな」
「ミハエル、ルルベルになにかしたら国から出て行ってもらうからな」
「親友でもか?」
「そうだ」
「ということはこの子が君の妻になる予定なのだな」
「……いやまだそこまで深くは考えていない」
「まぁ番になるのは早めのほうがいいだろう」
にこっと笑っていたが体を見る目は恐ろしかった。
「まぁいいリアム少しルルベルと外に出てきてくれないか?」
「御意、行きましょう、ルルベル」
手を引いて外に出た。
「リアム、馬舎がいい」
「はい、分かっておりますよ」
---------------------
私の裏家業は男Ωの奴隷の管理だ。
醜いあいつらの首には普通の人からは見えない印がつけられている。
簡単にいえば番号だ。
そしてルルベルという子は元奴隷。
5000番だ。
5000という数字には覚えがある、たしかノエルが購入した奴隷だ。
そして奇跡の腕と呼ばれているのも知っている。
そしてもう一つ彼には他のΩと違う匂いを放つのも知っている。
モアは性別関係なく誘惑し子種を埋めつけようとする働きがある。
高貴なαとそのΩがくっつくとさらに高貴なαが産まれる。
今生きている高貴なΩはシャスール伯爵の奴隷だ。
「ラムスールよ、すまぬが用事を思い出した」
「なんだ、忙しいな」
「ああ、私も多忙なのだ」
ラムスールを後にした。
馬車に乗り急いで屋敷に戻り地下の牢屋に向かう。
ここは裏家業の仕事場でΩを飼っている。
ガチャガチャと鎖を揺らしたり牢屋を叩いたりしている者もいた。
「黙れ!! うるさいぞ」
と一言いうと
静まり返る。
たしか私のものにもいたはずだ。
7000と書かれた牢屋につくとぐったりとした青少年がいた。
鍵をあけ中に入り鎖を引き広間に連れて行く。
「足を広げろ」
何も言わず少年は足をM字に広げた。
そこに私のものを挿入した。
「っ……」
肌が密着して何度も何度も出入りを繰り返す。
「こいつだけは私のものだ」
と何度も言って体をぶつけた。
痩せ細った体に覆い被さり中に種づけする。
ドクドクと注がれていく。
「そうだ、こいつを私のお人形さんにしよう」
執事を呼び部屋に入れる前に体を洗い、服を着させた。
肌の色は灰色のような色をしていた。
「こいつになにか食べ物を」
「御意」
シャスール伯爵の奴隷のようにすればよいのだ、そうすれば高貴なαを産ませることができる。
いや、ラムスールもよくこんな手を考えたな。
だがこの7000番はすでに喉を焼かれ声を発することができない。
つまらぬ……つまらぬ。
モアΩは滅多に存在しない。
理由としてはその前に殺されることが多いからだ。
私も美しいΩが欲しい。
ゆらりゆらりとどこかを彷徨うように下界に降りていった。
そうこれがΩ中毒者なのだ。
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屋敷が襲撃されて1日が経った。
「屋敷の修復と馬舎を屋敷のすぐ傍に建てることを検討します」
「ああ、よろしく頼む」
紙にサインして執事が下がった。
「リアム、ノーマンの様子はどうだ?」
「はい、足の骨折が長引いている模様です。完治するまでには数週間必要かと」
「分かった」
襲撃時私の元にいた護衛2人は殺され、ノーマンも重傷を負ってしまった。
やはり狙いはアベル……。
ということになるんだよな。
もっと厳重に注意しなければいけないな。
「ラムスール様」と扉の近くから覗いていた。
ルルベルに傷一つなくてよかった。
「どうかしたのかい?」
「あの、おそばにいてもいいですか?」
?
「ああ、構わないよ」
「ルルベル、ここに座ったらいいよ」
とリアムが言った。
「失礼いたします、さきほどミハエル様がいらっしゃいましてこちらに来るようですが通しても問題ありませんでしょうか?」
「ああ、ミハエルか、構わないよ」
「仰せのままに」
そういえばミハエルと約束していたな。
ミハエルにもルルベルのことを相談しておいたほうがいいか。
「リアム、外に行きたい」
「え!? えっとどうしよう」
とそこに
「やぁ」といい部屋に入ってきた。
金髪の男だった。
ドックン、激しく心臓がぎゅっと痛んだ。
なにこれ……。
「ラムスール、災難だったな、まさか今更になって君の価値が狙われるとわな、やっと悪人も分かってきたか」
この人はダメだ……。
危ない匂いがする。
「屋敷を破壊されるとは思ってなかったからな、今は修繕などで忙しいよ」
「悪いなそんな時に……? 君大丈夫か……」
「はぁはぁ……」
苦しい。
男はこちらに振り返り手を差し伸べようとしたがラムスールが止めた。
「ああ、この子は少し預かっていてね」
「ああ、こいつΩか」
!?
「よく分かったな」
「あーただの勘だよ」
窓の近くに歩いて行き手を大きく広げ
「いやーそうか、別嬪だな」
「ミハエル、ルルベルになにかしたら国から出て行ってもらうからな」
「親友でもか?」
「そうだ」
「ということはこの子が君の妻になる予定なのだな」
「……いやまだそこまで深くは考えていない」
「まぁ番になるのは早めのほうがいいだろう」
にこっと笑っていたが体を見る目は恐ろしかった。
「まぁいいリアム少しルルベルと外に出てきてくれないか?」
「御意、行きましょう、ルルベル」
手を引いて外に出た。
「リアム、馬舎がいい」
「はい、分かっておりますよ」
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私の裏家業は男Ωの奴隷の管理だ。
醜いあいつらの首には普通の人からは見えない印がつけられている。
簡単にいえば番号だ。
そしてルルベルという子は元奴隷。
5000番だ。
5000という数字には覚えがある、たしかノエルが購入した奴隷だ。
そして奇跡の腕と呼ばれているのも知っている。
そしてもう一つ彼には他のΩと違う匂いを放つのも知っている。
モアは性別関係なく誘惑し子種を埋めつけようとする働きがある。
高貴なαとそのΩがくっつくとさらに高貴なαが産まれる。
今生きている高貴なΩはシャスール伯爵の奴隷だ。
「ラムスールよ、すまぬが用事を思い出した」
「なんだ、忙しいな」
「ああ、私も多忙なのだ」
ラムスールを後にした。
馬車に乗り急いで屋敷に戻り地下の牢屋に向かう。
ここは裏家業の仕事場でΩを飼っている。
ガチャガチャと鎖を揺らしたり牢屋を叩いたりしている者もいた。
「黙れ!! うるさいぞ」
と一言いうと
静まり返る。
たしか私のものにもいたはずだ。
7000と書かれた牢屋につくとぐったりとした青少年がいた。
鍵をあけ中に入り鎖を引き広間に連れて行く。
「足を広げろ」
何も言わず少年は足をM字に広げた。
そこに私のものを挿入した。
「っ……」
肌が密着して何度も何度も出入りを繰り返す。
「こいつだけは私のものだ」
と何度も言って体をぶつけた。
痩せ細った体に覆い被さり中に種づけする。
ドクドクと注がれていく。
「そうだ、こいつを私のお人形さんにしよう」
執事を呼び部屋に入れる前に体を洗い、服を着させた。
肌の色は灰色のような色をしていた。
「こいつになにか食べ物を」
「御意」
シャスール伯爵の奴隷のようにすればよいのだ、そうすれば高貴なαを産ませることができる。
いや、ラムスールもよくこんな手を考えたな。
だがこの7000番はすでに喉を焼かれ声を発することができない。
つまらぬ……つまらぬ。
モアΩは滅多に存在しない。
理由としてはその前に殺されることが多いからだ。
私も美しいΩが欲しい。
ゆらりゆらりとどこかを彷徨うように下界に降りていった。
そうこれがΩ中毒者なのだ。
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