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バース王国物語編

Episode.8

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騎士2人にさらに護衛3人がついた。
父上からの護衛はβらしいが国が所有する護衛騎士がβなわけない気もする。
薬で香りを隠しているのか、私にも分からないなんてなかなかだな。


この国はバースの発展国だ。
かといって男のΩの扱いは人間以下、いや動物以下で扱われる。

βやαの欲を発散するだけに用いられ温もりを感じる環境で育てられたことがない。
話によると5歳まではある施設に監禁され奴隷として扱いを受けていると聞いている。
そして6歳以上からは奴隷として売られ身が裂けるまで男の欲望を体に打ち付けられると聞く。


女性と同じで男のΩも発育ができ、悪い存在ではないはずなのだが、、、。

「ラムスール様、お時間でございます」
「ああ」
残りの護衛2人は私の元についた。
この2人はαだな。

馬舎に行き
「ルルベル、私は少し出てくる、ノーマンとリアムと仲良くな」
「はい」

シャルという子馬、かなりといって良いほど高貴な馬だ。
ここまで育てるのに結構時間がかかると言うのにこの子はすごいな。


「あ、ラムスール様」とノーマンがきた。
「どうした?」

「出発時に申し訳ないのですが馬を2頭ほど調達してもよろしいでしょうか?」
「馬を?」
「はい、もしルルベルの馬に対する愛情表現が本当なら暴れ馬などを調教しそれをルルベルの仕事にできるかもしれません」

「なるほど」

「知り合いに馬を調教している者がいます、ルルベルのことは話さずに話しをつけてきてもよろしいか」

「ああ、任せた」
「御意」


といい私は屋敷を後にした。
ノーマンもすぐに馬を調達しにいったようだ。

----------------
「シャル……お前は良い子だ」
「なにかやり方があるのですか?」

「僕は昔から馬と一緒に暮らしていたのでもしかしたらそれでお話ができるかもしれないです」
「話ができると、それは素晴らしい」
ギロっと睨んできた。

「あ、ああっとこちら新しく入った護衛騎士3人のヒューマンとブラトニーとレンズです」
とリアムが自己紹介してきた。


ヒューマンとブラトニー、レンズはノーマンとリアムとは少し違う、こちらを警戒しているようで、怖い。


「……初めまして……ルルベルです」
「ええ、存じてます、以後よろしく」

「あはっ怖がってるよ、可愛い」

と中性的な男の人がこちらにきて顔を覗かれた。

ビクっと体が震えた。

「おい、近いぞ」
「ごめんごめん、まぁでも食べたくなっちゃうのはリアムくんもかな~~」
「え!? 私ですか?」

「だって、リアムくんこの屋敷で一番美人な子でしょ? βには珍しいよね?」


「あはは、屋敷で一番です、よくご存知……ひっ!?」
レンズはリアムに近づき、股間を制服の上から触っていた。

「あー意外と大きいんだ、君は後ろ派だと思ったんだけどな……ふにゃ!?」
げんこつみたいなチョップみたいなことをブラトニーがしていた。


「ひどーい」
「勝手なことは許されない」

「分かってますって」

「あーノーマン俺お嫁にいけない……」
とノーマンに抱きついて話しをしていた頃に主がきた。


ノーマンと話しをしてここを後にした。


「えーっとリアム、今から馬を調達しに行ってくる」
「了解です」

「監視役として私も同行しよう」
「あーやっぱりですか、普段着お持ちですか?」

「騎士として行かないのか?」
「はい、友人なので役職は秘密にしております」

「分かった、準備する」

一緒についていくと言い出したのはヒューマンだった。
一番賢そうな、リーダーみたいな人だったのに。


馬舎に残ったのはリアムとブラトニー、レンズだ。

レンズはリアムを狙っているようでちょくちょくボディタッチをしていた。
「あははっ面白い反応」


シャルと話をしているとブラトニーがきて横に座った。
「失礼するよ、私もね馬が好きなんだ、特に競技場の伝説ジョンという黒い馬がいたんだけどね、走る姿はとても美しくそれを乗りこなす、男も男らしく美しかった。何度も何度も1位を獲得して私は友人にその馬のことをよく自慢していた。
まるで自分の馬のようにね、だから最後の大会を見た時はとても残念だったよ、具合が悪いのか怪我をしているのか分からなかったがそれでも一生懸命生きようとするジョンは誇りだった」


ジョン……会いたいよ……僕の友達。
そしてシャルのお父さん……。

どうしてみんな酷いことをするの? ジョンはなにも悪くない。
僕が傍にいたから……。

ジョン。


君は本当にたくさんの人を幸せにしてきたんだね。
と天を見上げた。

最後一緒に入れられなくてごめんね。


とそこにノーマンが帰ってきた。

「あ」

2頭馬を連れてきて痩せ細ったエリザベートだった。

「この馬全然食べてくれなくて……」と話しているがエリザベートはこちらに駆け寄ってきた。


「ヒヒーン!!」
「エリザベート」とといい額をつけた。

「あら、知り合いだったのか」


「はい、ありがとうございます、シャルのお母さんです」
「!?!?」

「まさかそんな偶然……」
「そしてジョンとエリザベートの息子がシャルです」


「え……」
「今さっき私が話していた競技場の伝説ジョンはその子のお父さんなの?」

「はい」

と僕は泣き出した。


「そっか、育てたのは君だったのか」



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