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椿の所属
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状況整理を行うために帝から用意された建物に向かった。
この建物は【椿】という。
シャクリ・フーヤオ、そして僕の部屋があるところだ。
湖陽殿がある建物の塀の中にある。
つまり他から見たら椿に住んでいる者は帝の物というわけだ。
だからあの武官は椿に所属しているシャクリとフーヤオを認識していて、さらにはシャクリの部下?であるあの黒いマントの男も椿に所属していることになっている。
「ということだな」
「左様でございます」
「まったく、フーヤオはこのことは知ってたのか?」
フルフルと首を振っていた。
「シャクリよ、なぜ僕は今日あの武官に襲われたんだ?」
「ズーイ殿といたのが原因かと」
「ズーイを知ってたのか?」
「ええ、あの者はルイハ様の所有物でした、そしてルイハ様は武官の男と結託して金の瞳を持つものをまわしていました」
「そこまで知っていてなぜ僕に忠告しなかったのか?」
「まさかすぐに接触するとは存じませんでしたので」
「言う機会はたくさんあったと思うが?」
「ええ、ですがこれもお勉強ということで」
「お……お前は僕をバカにしているのか?」
「後宮であったことのお返しです」
「お前、僕を守る身であるのにも関わらずよくそんなことが言えるな」
シャクリは腕で顔を隠したまま下を向いていた。
「まぁでもいい、今日は助かった、ありがとう」
「いえ、ではお食事にしましょう」
「切替はや!!!」
食事が終わり
「それでは今後なのですが帝からは適当に過ごせと言われたのですね」
「そうだ、だから僕は帝からなにか言われない限り暇なんだ」
「なるほど、そうですね1人で歩かれてるのも危ないので、フーヤオの真似をしましょう」
「は?」
「だって暁諾様ってもうご身分どこにも属していないじゃないですか、むしろ我々よりも下の位ですよね?」
……。言い返せない。
「帝の寵愛相手である暁諾様だから我々は傍に仕えていますがあなたは外側から見たらなにも役職がない男です、なのに帝が所有している椿に所属しているなんておかしい話ですよね?」
「なにも言い返せません」
「なので、フーヤオ、つまり宦官の1日のスケジュールをこなしてお呼ばれした時は役職を果たす! ということにしましょう!」
「シャクリお前なんかキャラ変わったな」
「あ、よく言われます、まぁ気にしないでください」
「フーヤオは1日どこにいるんだ?」
「私は台所の掃除と執務室の掃除と洗濯と……」
片手の指には収まりきれないところを見てしまった。
「フーヤオ、お主1日ご苦労だな」
「え、そうでしょうか、後宮からの行いなので」
「そ、そうかすまない、僕も手伝うよ、いろいろと教えてくれ」
「あ、はい」
という感じでまとまった。
シャクリの仕事も気になるがまた別で聞こう。
この建物は【椿】という。
シャクリ・フーヤオ、そして僕の部屋があるところだ。
湖陽殿がある建物の塀の中にある。
つまり他から見たら椿に住んでいる者は帝の物というわけだ。
だからあの武官は椿に所属しているシャクリとフーヤオを認識していて、さらにはシャクリの部下?であるあの黒いマントの男も椿に所属していることになっている。
「ということだな」
「左様でございます」
「まったく、フーヤオはこのことは知ってたのか?」
フルフルと首を振っていた。
「シャクリよ、なぜ僕は今日あの武官に襲われたんだ?」
「ズーイ殿といたのが原因かと」
「ズーイを知ってたのか?」
「ええ、あの者はルイハ様の所有物でした、そしてルイハ様は武官の男と結託して金の瞳を持つものをまわしていました」
「そこまで知っていてなぜ僕に忠告しなかったのか?」
「まさかすぐに接触するとは存じませんでしたので」
「言う機会はたくさんあったと思うが?」
「ええ、ですがこれもお勉強ということで」
「お……お前は僕をバカにしているのか?」
「後宮であったことのお返しです」
「お前、僕を守る身であるのにも関わらずよくそんなことが言えるな」
シャクリは腕で顔を隠したまま下を向いていた。
「まぁでもいい、今日は助かった、ありがとう」
「いえ、ではお食事にしましょう」
「切替はや!!!」
食事が終わり
「それでは今後なのですが帝からは適当に過ごせと言われたのですね」
「そうだ、だから僕は帝からなにか言われない限り暇なんだ」
「なるほど、そうですね1人で歩かれてるのも危ないので、フーヤオの真似をしましょう」
「は?」
「だって暁諾様ってもうご身分どこにも属していないじゃないですか、むしろ我々よりも下の位ですよね?」
……。言い返せない。
「帝の寵愛相手である暁諾様だから我々は傍に仕えていますがあなたは外側から見たらなにも役職がない男です、なのに帝が所有している椿に所属しているなんておかしい話ですよね?」
「なにも言い返せません」
「なので、フーヤオ、つまり宦官の1日のスケジュールをこなしてお呼ばれした時は役職を果たす! ということにしましょう!」
「シャクリお前なんかキャラ変わったな」
「あ、よく言われます、まぁ気にしないでください」
「フーヤオは1日どこにいるんだ?」
「私は台所の掃除と執務室の掃除と洗濯と……」
片手の指には収まりきれないところを見てしまった。
「フーヤオ、お主1日ご苦労だな」
「え、そうでしょうか、後宮からの行いなので」
「そ、そうかすまない、僕も手伝うよ、いろいろと教えてくれ」
「あ、はい」
という感じでまとまった。
シャクリの仕事も気になるがまた別で聞こう。
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