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そなたは違うな
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「そなたは可愛いな」
「…は?」
一気に冷めたのかソファーから起き上がり暁諾は柱の後ろに隠れた。
「なにしてる、これからだというのに」
「じゃ…おでこくっけないでくれますか?」
と顔を赤らめて言うのだ。
私は暁諾を見ていたがひっくり返りソファーで蹲った。
「どうされました?」
と顔を覗きにくる。
ここだと手を伸ばしたが避けられた。
「未来で見たのだな」
「まぁ、はい」
どうするか、このまま帰って夜這いに来てもいい。
そうしよ。
私は何も言わず暁諾を後にしようとすると
なぜか後ろから抱きついてきた。
「ダ…ダメです」
??
もしや本当はやりたかったのか。
ぎゅーっと後ろから服を握っていた。
そして前からフーヤオが来た。
「あ、暁諾様、ハオ様」
「どうした?」
「媛猫妃が湖陽を訪れたいと、ハオ様申し訳ないのですが姿をお隠しください、暁諾様はすぐに着替えを」
「なら、私は裏から戻ろう」
しかし暁諾は服を掴んだままだった。
「どうした?」
すっと暁諾は冷ややかないつもの顔に戻った。
「いえ、なんでもありません」
「そうか」
私も追求せずに暁諾の元を離れた。
妃の格好に戻り
媛猫妃を迎える。
湖陽には夜まで鳴り止まぬ
怒号と妬みが響き渡ったのだった。
僕の位はどの妃よりも低い
だからなのか妃からはこのような卑劣な言葉を投げかけられる。
位は低いくせに帝からは寵愛を受けている、それが好ましくないのだろう。
僕の身も知らないで。
妃が帰った。
「はぁー」
がくりと椅子にもたれかかり目をつぶる。
もし先程ハオの行為を受け入れていればどうだったのか。
ビクンと体が反応したがふるふると首を振りぼーっとしていたら。
「暁諾様」
「どうした?」
シャクリが入ってきた。
妃同士の会話に侍女は参加していいのに宦官である男は参加してはならぬ。
ということから外で待機していたシャクリがこちらに来たのだ。
「いえ、大丈夫でしょうか?」
「シャクリ」
「はい」
「僕は……」
シャクリに何を言おうとした。
この現実は変えられないというのに。
「いや、なんでもない、今日はもう休む、お前達も夕食の準備を頼む」
「仰せのままに」
会釈し出て行った。
夕食時
チャオメイは毒味役をする。
男の僕の元には毎日のように毒が混入していた。
「チャオメイ、無理しなくてよいぞ」
「いえ」
チャオメイは医学にたけた唯一の宦官だ。
「これは……全部没ですね、私共が作り直します、お待ちを」
「いや、今日はいい」
「ですが、なにかお食べにならないと」
「私はいいと言ったのだ」
キンと雰囲気と言葉が冷たくなりチャオメイは下がった。
私も……僕もベッドにダイブし瞼を閉じた。
今日も疲れた。
ギシ……ギシギシっと音が聞こえる、体に触れるなにか
ここ最近このようなわけの分からぬ感覚に襲われることがあった。
そして体は重く瞼を開けられないでいた。
朝 鳥の囀りと共に起きた。
体を反すようにしようとするががっちりとホールドされているような感覚に
「……は?」と漏らした。
「…は?」
一気に冷めたのかソファーから起き上がり暁諾は柱の後ろに隠れた。
「なにしてる、これからだというのに」
「じゃ…おでこくっけないでくれますか?」
と顔を赤らめて言うのだ。
私は暁諾を見ていたがひっくり返りソファーで蹲った。
「どうされました?」
と顔を覗きにくる。
ここだと手を伸ばしたが避けられた。
「未来で見たのだな」
「まぁ、はい」
どうするか、このまま帰って夜這いに来てもいい。
そうしよ。
私は何も言わず暁諾を後にしようとすると
なぜか後ろから抱きついてきた。
「ダ…ダメです」
??
もしや本当はやりたかったのか。
ぎゅーっと後ろから服を握っていた。
そして前からフーヤオが来た。
「あ、暁諾様、ハオ様」
「どうした?」
「媛猫妃が湖陽を訪れたいと、ハオ様申し訳ないのですが姿をお隠しください、暁諾様はすぐに着替えを」
「なら、私は裏から戻ろう」
しかし暁諾は服を掴んだままだった。
「どうした?」
すっと暁諾は冷ややかないつもの顔に戻った。
「いえ、なんでもありません」
「そうか」
私も追求せずに暁諾の元を離れた。
妃の格好に戻り
媛猫妃を迎える。
湖陽には夜まで鳴り止まぬ
怒号と妬みが響き渡ったのだった。
僕の位はどの妃よりも低い
だからなのか妃からはこのような卑劣な言葉を投げかけられる。
位は低いくせに帝からは寵愛を受けている、それが好ましくないのだろう。
僕の身も知らないで。
妃が帰った。
「はぁー」
がくりと椅子にもたれかかり目をつぶる。
もし先程ハオの行為を受け入れていればどうだったのか。
ビクンと体が反応したがふるふると首を振りぼーっとしていたら。
「暁諾様」
「どうした?」
シャクリが入ってきた。
妃同士の会話に侍女は参加していいのに宦官である男は参加してはならぬ。
ということから外で待機していたシャクリがこちらに来たのだ。
「いえ、大丈夫でしょうか?」
「シャクリ」
「はい」
「僕は……」
シャクリに何を言おうとした。
この現実は変えられないというのに。
「いや、なんでもない、今日はもう休む、お前達も夕食の準備を頼む」
「仰せのままに」
会釈し出て行った。
夕食時
チャオメイは毒味役をする。
男の僕の元には毎日のように毒が混入していた。
「チャオメイ、無理しなくてよいぞ」
「いえ」
チャオメイは医学にたけた唯一の宦官だ。
「これは……全部没ですね、私共が作り直します、お待ちを」
「いや、今日はいい」
「ですが、なにかお食べにならないと」
「私はいいと言ったのだ」
キンと雰囲気と言葉が冷たくなりチャオメイは下がった。
私も……僕もベッドにダイブし瞼を閉じた。
今日も疲れた。
ギシ……ギシギシっと音が聞こえる、体に触れるなにか
ここ最近このようなわけの分からぬ感覚に襲われることがあった。
そして体は重く瞼を開けられないでいた。
朝 鳥の囀りと共に起きた。
体を反すようにしようとするががっちりとホールドされているような感覚に
「……は?」と漏らした。
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