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元気のいい転校生
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僕がいる限り中学3年間の年間行事は全部雨だった。
僕のせいなのかは分からないけど3年間友達ができない理由もきっとそこなんだろう。
Ωで苦しいんでいても誰も助けることはなかった。
地面に這いつくばって発情期を耐えていても素通り、むしろ関わりたくないのか先生を呼ぶ者もいた。
αに追いかけられる日もあった。
中学の卒業式おじいさんとおばあさんが見に来てくれた。
だが、もう一緒に暮らせないと言ってきたのもその時だった。
どうしてなのか聞くと
「ごめんね、じいちゃん達施設に入ることになってね、家を売ることにしたんだ、ずっと儂たちの孫でいてくれてありがとうね」
と礼を言われた。
この先どうしようかなんて考えていなかったからあの頃と同じ状況になってしまった。
Ω専用の児相に相談すると高校からの入寮はできないが学校は相談できると言われ、Ωとβしかいない専門学校に入学した。
寮が1部屋だけ空いているということで入寮することができた。
奨学金+学校行事のなんらかの手伝いをすることが僕の今すべきことだった。
αがいない世界に少しホッとする。
だが、不幸体質のΩに変わりはなく、新しい友達もできないでいた。
やはり僕がいるからなんだと思い知らされる。
僕は1人、きっと幸せな日なんてこない。
1日を大切に生きようと心に決めた。
ある時
入学して1ヶ月がたつと転校生がきた。
なぜこの時期に? と疑問を持つがその生徒は明るく元気に挨拶をしていた。
きっと僕には関係ない、違う世界で生きてるんだ。
「じゃ楪の後ろの席な」
「えっと」
僕の後ろに座るのか可哀想にと呑気に考えていると
「初めまして、俺杉本夏哉、βです、よろしく」
と言ってきた。
ぺこと挨拶をして無言でまた外を見た。
「…」??
「杉本席座れ」
がらっと大きな音が立ち席に座ったかと思いきや僕の肩にとんとんと指で突いてきた。
新手のいじめかと思っていると
「これあげると言われた」
渡してきたのは飴だった。
透明の袋に入った飴玉はキラキラと輝いていた。
「美味しいからね」と後押しされた。
もう一度ぺこっと挨拶して前を向く。
「んじゃ、1時間目は課外学習に向けての班決めだな、今回は先生が勝手に班分けといたから」
「えーーー」とブーイングが教室に響き渡る。
誰と組もうなんてどうでもいい。
1人であることには変わらないのだから。
僕のクラスのΩの人数は4人
班わけは性質でわけられた。
「えっと楪です」
「入口」
「清原」
「土方」
でも5人班なのでβが1人
「大和です、俺リーダーになるわ」
Ωにとっていざこざは恐怖するものがある。
僕のせいなのかは分からないけど3年間友達ができない理由もきっとそこなんだろう。
Ωで苦しいんでいても誰も助けることはなかった。
地面に這いつくばって発情期を耐えていても素通り、むしろ関わりたくないのか先生を呼ぶ者もいた。
αに追いかけられる日もあった。
中学の卒業式おじいさんとおばあさんが見に来てくれた。
だが、もう一緒に暮らせないと言ってきたのもその時だった。
どうしてなのか聞くと
「ごめんね、じいちゃん達施設に入ることになってね、家を売ることにしたんだ、ずっと儂たちの孫でいてくれてありがとうね」
と礼を言われた。
この先どうしようかなんて考えていなかったからあの頃と同じ状況になってしまった。
Ω専用の児相に相談すると高校からの入寮はできないが学校は相談できると言われ、Ωとβしかいない専門学校に入学した。
寮が1部屋だけ空いているということで入寮することができた。
奨学金+学校行事のなんらかの手伝いをすることが僕の今すべきことだった。
αがいない世界に少しホッとする。
だが、不幸体質のΩに変わりはなく、新しい友達もできないでいた。
やはり僕がいるからなんだと思い知らされる。
僕は1人、きっと幸せな日なんてこない。
1日を大切に生きようと心に決めた。
ある時
入学して1ヶ月がたつと転校生がきた。
なぜこの時期に? と疑問を持つがその生徒は明るく元気に挨拶をしていた。
きっと僕には関係ない、違う世界で生きてるんだ。
「じゃ楪の後ろの席な」
「えっと」
僕の後ろに座るのか可哀想にと呑気に考えていると
「初めまして、俺杉本夏哉、βです、よろしく」
と言ってきた。
ぺこと挨拶をして無言でまた外を見た。
「…」??
「杉本席座れ」
がらっと大きな音が立ち席に座ったかと思いきや僕の肩にとんとんと指で突いてきた。
新手のいじめかと思っていると
「これあげると言われた」
渡してきたのは飴だった。
透明の袋に入った飴玉はキラキラと輝いていた。
「美味しいからね」と後押しされた。
もう一度ぺこっと挨拶して前を向く。
「んじゃ、1時間目は課外学習に向けての班決めだな、今回は先生が勝手に班分けといたから」
「えーーー」とブーイングが教室に響き渡る。
誰と組もうなんてどうでもいい。
1人であることには変わらないのだから。
僕のクラスのΩの人数は4人
班わけは性質でわけられた。
「えっと楪です」
「入口」
「清原」
「土方」
でも5人班なのでβが1人
「大和です、俺リーダーになるわ」
Ωにとっていざこざは恐怖するものがある。
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