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暗部部隊の物語
名もなき子
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基地に戻り少年を医療部に託した。
「あの子伯爵のお気に入りですよね、殺さなくていいんですか?」
「……本当のこというと、俺たちはこの少年に助けられた」
「それは分かりますが」
「不思議な力の持ち主だ、ここで殺すか生かすなんて、俺たちからしたらどう思う?」
「人間兵器ですか?」
「ああ、あまり考えたくはないが今後有利に立てるとしたらこのまま殺さず、教育すれば戦争にも勝てるはずだ」
「……」
「分かりました、少年の件は俺が預かります」
「悪いな」
「いえ」
---------------
戦闘機に乗り、カロン州から日本に戻る。
議長になんとか話をつけ彼を育てることにした。
それからあっという間に10年の月日が経った。
---------------
10年後 遺跡調査任務
渡辺隊が率いる。
「あーいやいやこんなガキと任務に同行しないといけないなんて」
18歳になった俺花咲翔太は渡辺隊と任務を同行していた。
普段は岩崎隊に同行しているが遺跡を写真で見て、不思議な力を感じたので同行したいと願い、後部座席で到着を待つ。
「紺野、お前頼りにしてるからな」
「はい、師匠」
「お前、この隊では渡辺隊長と呼べ」
「ああ、すみません」
若い青年が期待の目で見ていた。
声が聞こえる。
ざわざわと胸のあたりが痛む。
伯爵の元から逃げ出せたのは魔法の力だった。
魔法の契約を正式にした。力が認められ魔法国の国王になることができた。
コーディーにも感謝している、あとカロン州の…名前は忘れてしまったが。
現場に着き、遺跡を見上げると、ドゴゴゴと地鳴りをあげていた。
「さーて、こんな簡単な任務さっさと終わらせて帰るぞ」
と渡辺隊が中に入る。
「おい、遅れるなよ」
と紺野は言ってきた。
「了解」
「それにしても深いですね」
「どこまで続いているんだ?」
「隊長、先頭は危ないからあいつに歩かせたら?」
「名案」
道が開いた。
「先頭歩け」
なにも迷うことがなく歩き始める。
「お前、魔法とか使えるらしいな」
「そんなファンタジーみたいな話、今時あるんすね?」
「バカ、期待すんなっどうせ岩崎さんのお人よしでここまでこれただけだから」
俺はなにかを察知し立ち止まる。
「おい、なんだよ」
「この先は行き止まりだ、さっき分かれ道があったからそっちだ」
と引き返そうとしたら背中を押された。
「お前に命令権なんてないんだよっ」
「だいたい行き止まりなんてないだろっ」
「忠告はした」
さらに進むと壁に覆われたドームのような場所にたどり着いた。
中に入りあたりを見回す。
ゴポゴポと水の音が聞こえた。
「なんだよっやっぱ、行き止まりじゃねぇか」
「意外と役に立つんだな」
笑いながら道を戻ろうとしたらガチャっと音がなり、ドドドンと入口が閉じ始めた。
うまく渡辺隊が逃げれた、しかし紺野と俺はドームに閉じ込められた。
「まじかよ…閉じ込められた…」
ちらっと俺のほうを見ている。
「……お…俺もあんたのこと嫌いだから」
「それは渡辺隊長が言ってるから? それとも本心?」
「うっ…本心だよ」
「まぁどちらにしろ、ここから早く出たほうがいいかもな」
「酸素がなくなるってことか?」
「いや、もうそろそろ…」
といい、上を向くとザバーと水が入ってきた。
「わわわ!!!」
どうする…この状況…、水の精霊に呼びかけたところで逆流することはできないし…なにかボタンがあるはず。
あたりの壁を調べる。
腰のあたりまで溜まっていく。
「おい! お前魔法使いなんだろっ、どうにかしろよ」
雷撃で穴を空けることも可能だが、水と雷の相性悪いんだよな、下手したら感電死…。
助かるのは1人だけでいい。
すーっと大きく息を吸い込み潜った。
「おい!! どこ行くんだよ」
足元の隅に出っ張りがありそこを押すと紺野の近くに通気口のような出口ができた。
そこに入れと言おうとしたらもう入っていた。
で、手を伸ばしていた。
「早く、お前も」
どうやら1人用のシェルターのようで早くしめないと水が入ってしまう。
ボタンを押した。
ドアが締まり、紺野はこの場からいなくなった。
「さてと、やりますか」
「ウォーター力を貸してくれ」
「かしこまりました」
流れる水に逆らい遺跡の中心に向かう。
そこには卵があった。
遺跡の石には
【この卵を見つけし者、弱者の立場から汝を守るであろう】
つまり持って行ってもいいということだよな。
卵をとるとゴゴゴとなり遺跡が崩れ始める。
「雷、俺を遺跡の外へ」
「おう」
黄色い若いトラが出てきて外に運んだ。
「あの子伯爵のお気に入りですよね、殺さなくていいんですか?」
「……本当のこというと、俺たちはこの少年に助けられた」
「それは分かりますが」
「不思議な力の持ち主だ、ここで殺すか生かすなんて、俺たちからしたらどう思う?」
「人間兵器ですか?」
「ああ、あまり考えたくはないが今後有利に立てるとしたらこのまま殺さず、教育すれば戦争にも勝てるはずだ」
「……」
「分かりました、少年の件は俺が預かります」
「悪いな」
「いえ」
---------------
戦闘機に乗り、カロン州から日本に戻る。
議長になんとか話をつけ彼を育てることにした。
それからあっという間に10年の月日が経った。
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10年後 遺跡調査任務
渡辺隊が率いる。
「あーいやいやこんなガキと任務に同行しないといけないなんて」
18歳になった俺花咲翔太は渡辺隊と任務を同行していた。
普段は岩崎隊に同行しているが遺跡を写真で見て、不思議な力を感じたので同行したいと願い、後部座席で到着を待つ。
「紺野、お前頼りにしてるからな」
「はい、師匠」
「お前、この隊では渡辺隊長と呼べ」
「ああ、すみません」
若い青年が期待の目で見ていた。
声が聞こえる。
ざわざわと胸のあたりが痛む。
伯爵の元から逃げ出せたのは魔法の力だった。
魔法の契約を正式にした。力が認められ魔法国の国王になることができた。
コーディーにも感謝している、あとカロン州の…名前は忘れてしまったが。
現場に着き、遺跡を見上げると、ドゴゴゴと地鳴りをあげていた。
「さーて、こんな簡単な任務さっさと終わらせて帰るぞ」
と渡辺隊が中に入る。
「おい、遅れるなよ」
と紺野は言ってきた。
「了解」
「それにしても深いですね」
「どこまで続いているんだ?」
「隊長、先頭は危ないからあいつに歩かせたら?」
「名案」
道が開いた。
「先頭歩け」
なにも迷うことがなく歩き始める。
「お前、魔法とか使えるらしいな」
「そんなファンタジーみたいな話、今時あるんすね?」
「バカ、期待すんなっどうせ岩崎さんのお人よしでここまでこれただけだから」
俺はなにかを察知し立ち止まる。
「おい、なんだよ」
「この先は行き止まりだ、さっき分かれ道があったからそっちだ」
と引き返そうとしたら背中を押された。
「お前に命令権なんてないんだよっ」
「だいたい行き止まりなんてないだろっ」
「忠告はした」
さらに進むと壁に覆われたドームのような場所にたどり着いた。
中に入りあたりを見回す。
ゴポゴポと水の音が聞こえた。
「なんだよっやっぱ、行き止まりじゃねぇか」
「意外と役に立つんだな」
笑いながら道を戻ろうとしたらガチャっと音がなり、ドドドンと入口が閉じ始めた。
うまく渡辺隊が逃げれた、しかし紺野と俺はドームに閉じ込められた。
「まじかよ…閉じ込められた…」
ちらっと俺のほうを見ている。
「……お…俺もあんたのこと嫌いだから」
「それは渡辺隊長が言ってるから? それとも本心?」
「うっ…本心だよ」
「まぁどちらにしろ、ここから早く出たほうがいいかもな」
「酸素がなくなるってことか?」
「いや、もうそろそろ…」
といい、上を向くとザバーと水が入ってきた。
「わわわ!!!」
どうする…この状況…、水の精霊に呼びかけたところで逆流することはできないし…なにかボタンがあるはず。
あたりの壁を調べる。
腰のあたりまで溜まっていく。
「おい! お前魔法使いなんだろっ、どうにかしろよ」
雷撃で穴を空けることも可能だが、水と雷の相性悪いんだよな、下手したら感電死…。
助かるのは1人だけでいい。
すーっと大きく息を吸い込み潜った。
「おい!! どこ行くんだよ」
足元の隅に出っ張りがありそこを押すと紺野の近くに通気口のような出口ができた。
そこに入れと言おうとしたらもう入っていた。
で、手を伸ばしていた。
「早く、お前も」
どうやら1人用のシェルターのようで早くしめないと水が入ってしまう。
ボタンを押した。
ドアが締まり、紺野はこの場からいなくなった。
「さてと、やりますか」
「ウォーター力を貸してくれ」
「かしこまりました」
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そこには卵があった。
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つまり持って行ってもいいということだよな。
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