暗部特殊部隊

枝浬菰

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小野寺拓巳の物語

小野寺の大切な友人

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『拓巳ごめん、僕は神永様の元からは逃げられないよ』

『裕太!!』

『そういう運命なんだ』

昔の記憶が蘇る。
ガバっと起き上がった。


「小野寺さーん時間です」
「ああ」

仮眠室から起き上がる。
自分の胸あたりの服をぎゅっと掴む。


「裕太、ごめん俺だけじゃ助けられない」

警部に呼ばれ机の前に立つ。
「小野寺、明日非番扱いだろ?」
「はい、お忙しいところすみません」


「半年に1度の面会だっけ? 花咲さんもついてきてくれるのか?」
「いえ、自分だけで行きます」
「そうか、あの方もお忙しいからな」
「はい」


俺の大切な友人に会えるのは半年に1度だけ。
それでも前よりは会える頻度も上がってきた。

花咲さんが神永の元に24時間捕らわれる身として裕太は1日だけ解放される。
好きなところに行って思う存分裕太との時間を大切にする。


このことは裕太も知ってる。
誰が犠牲になることも。


俺1人だけの力じゃどうにもできないことも知ってる。


車を神永の家に向かわせた。
すでに1台とまっていた。
中には紺野さんがいて俺の姿を見るなり威嚇した顔をしていた。
愛すべき人を犠牲にしているのだから。
それは裕太だって同じことだ。


神永の家に入り案内された。
「ああ、小野寺拓巳くん来たね、裕太時間だよ、準備しなさい」
「はい」

神永の寝室にいた裕太は男のモノを口に咥えていた。
そして準備といいシャワー室に向かった。

胸くそ悪い姿を見て俺の心は荒れていた。

「さて小野寺くん契約書を交わそうか」
「はい」
1枚の紙切れに契約のサインとして指印をつけた。


「もしこの契約を破る場合は永久的に花咲を私の元に置く、このことがどういう意味をしているのか分かるかな?」
「はい」

「そういえば篠田のところ、あれ警察の介入をしたんだってね、お陰で潰れたって聞いたよ」
「悪人を捕まえるのは私たちの仕事ですから」
「ふふっ君は強いね、でも一番大切な人は取り戻せない」
神永は俺の心をよく乱す。

黙れ、このゲス野郎。

「そうですね、簡単にはいきません」

とそこに裕太がきた。
どこも怪我をしていない姿にホッとする。

「裕太、これに指印をつけなさい」
「はい」


「では24時間後ここに集合ということで、行ってらっしゃい裕太」
「はい」
裕太の顔は暗い。

それもそうだ、神永とは体の関係を持っている裕太にとって彼から離れるということはとても喜ばしいことだ。
でも24時間後またここに帰ってきて神永と共にずっと居続けることこれが花咲さんの安全を確保できる唯一の手段なのだ。

全部が解決すれば神永を殺せる、または捕まえられる、裕太も自由になる。
いつかのその日まで裕太は囚われの身になる。



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