向日葵と先生と僕

枝浬菰

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お姫様

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宿泊施設の校庭

「んじゃぁ今日は登山して夜はBQだからな」
「うぃー」
「登山とかだる」

「こら、だるい言ったやつ誰だ? 準備できた班から進め」

俺たちの班はごちゃまぜだ。
特進科と普通科、自然環境科

しかも最悪なことにあのΩも一緒に行動することになった。
俺以外はみなβか。

「班リーダーは姫ちゃんでいいか」
「うん、それでいいよ」
誘惑フェロモン出してるなこいつ。

班は今決まったとしてもβとの相性がいいのかもう虜になっている、
俺は抑制剤飲んできてるし特に影響はないけど。

「ねぇ、松本くんいい?」
「なにが?」

色気すごいな。

「僕がリーダーでも」
「どうぞ、めんどくさいんで」

ぷくーと膨れていた。
こんなやつを先輩に近づけたくない。

「もういい知らない、みんな行こう」

歩き始めたがこの山結構急斜面で登るのがつらい。
俺でこんな状態ならΩは…。

「もう無理疲れた、1歩も歩けないよ」
だろうな。

「姫ちゃん、一緒に手繋いで頑張ろ」
「それよりもさ、α様が頂上まで行ってきて、体力ありあまってるみたいだから余裕でしょ」
「わかった」

「へぇー抵抗しないんだ、珍しい」
なにか企むような目をしていた。

「頂上についた際にサイン貰うシート渡せ」
「はい、じゃぁよろしくね」

「みんな、下山しよ」

頂上まで歩く。


「あれ? 松本1人かよ?」
「あーお姫様がβ連れて消えた」
「うわぁ、悲惨だね、お姫様と班一緒になっちゃったんだ」
「そう、今頃盛ってるんじゃないか」

「俺も合流しよっかな」
「やめとけ、頂上まであとちょいだからガンバ」

下山グループと出会い他愛無い話をした。

頂上につくと見晴台があり、近くにトロッコが見え観光客が並んでいた。

まじかよ、くそめんどいことさせやがって。

「あ!」
と言われ振り向くと

「な?」
先輩…。がいた。

「あれ? 松本くん1人なの? グループの子は?」

「ああ、なんか途中リタイアして下山しました」
俺は先輩の前で意気消沈したかのように膝から崩れた。

「え? 大丈夫?」
と顔を除かれた。

やべーキスしたい。

心配そうな顔がかわいい。

「先生に連絡してトロッコで降りるか?」
「先輩はこの後、1人で下山するんですか?」

「え? まぁ、まだ来るだろうし」
「俺待っててもいいっすか?」

「やっぱ具合悪いのか?」
「はい」

そういって近くのベンチに座らせてもらった。

見晴台もある頂上は観光客がいて、売店もあって、普通に観光地だった。

後ろから見る先輩も162cmくらいで体重軽そうだな、少し痩せてて腰細くて…やべ、勃つ…。
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