向日葵と先生と僕

枝浬菰

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ガラガラと保健室の扉が開かれた。
「失礼します」

「って誰もいない??」

誰かが入ってきた音が聞こえ目を覚まし、メイドの姿で表に出た。

「わ! 可愛いメイド」
「保健室ったら看護師だろ」
とか言われ、自分の服装を見た。

「あ、これはちがっ」
「あれ? もしかしてお化け屋敷の受付の方ですよね?」


「え? あ、そうです」
「じゃぁ生徒か、悪いんだけど保険医とかっていますか?」

「あ、探してきます」
「俺が手当てするよ」

ベッドから起き上がってきた櫻井先生。

「櫻井先生!! もうケガは大丈夫なんですか?」
「うん、大丈夫、ありがとう」

頭をポンとされ少し赤面した。

「どこだい、ケガしたの?」
「あ、っとここです」

連れの人と目が合った。
ぺこっとお辞儀をして
「じゃぁ先生僕戻りますね」
「うん、ありがとう」

優しい先生の顔が僕に向き、クラスに戻るまで火照りが続いた。

あーもう先生好きすぎる。

クラスに戻ると片づけをしていた。
「陽向、おかえり、遅かったけど先生の具合どうだった?」
「うん、なんとか大丈夫だよ、一緒に寝ちゃった」
てへっと顔で作るとそうか。
といい東條は頭にポンと手を置いたと思ったら奥に行った。

??…。

文化祭が終わり冬が来た。

この地域は毎日のように雪が降り、積るので花壇のお花は咲いていない。

「園芸部は休部ですね」
「そうだな、仕方ないさ、陽向は冬休みも家に入れれないのか?」
「うん、図書館で過ごすよ」

「でも、大みそかとか新年はどうするんだ? 公共施設は開いてないよな?」

「うん、さすがに弟の友達の家押し掛けるのも悪いからどっかファミレスにでもいるよ」

「たしかに24時間営業だしな」

「うん」

「じゃぁさ俺の家来る?」
「へ?」


バクバクと心臓がうるさい、先生それどういう意味なの??

1人暮らしの男の部屋は殺風景だった。
「ここが先生の家…」

「陽向、俺お前のことが」
がばっと待ちに待ったといわんばかりに先生は僕を押し倒した。

「もしかして、先生も僕のこと好きなの?」
「ああ、本当は夏からずっと好きだった、追いかけてくる陽向を見てるとついつい下半身がな…大変だったんだぞ」

突然な告白。

それから新年が明けるまで僕たちは繋がっていた。
先生に抱かれ、うとうととする。

「は!?」

夢か…妄想も現実味だと怖いな。

弟は友達の家で新年を迎える、僕はファミレスで毎年1人ここにいる。

今更自分の境遇について考えても仕方がない。
いい子にしていればいいんだ。

「ねぇ君ずっといるけどなに?」

「あ、えっとその…」
「もしかして家出とか? 困るんだよね、そういうの人様に迷惑かけてるって分かんないかな?」

…。なにも言い返せない。

「すみません」といい雪が降る外に出た。
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