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最終章
戦場
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今回は花咲さんにどうしてもお願いしますという感じで軍事演習に同行させてもらった。
でも他国の圧力によって、軍事演習ではなく本当の軍事戦力に加えられてしまった。
「澤田」
「はい」
花咲さんに声をかけられる。
「私用を持ち込むようであれば今すぐ日本に帰れ」
キツイ言葉が胸に突き刺さる。
正直なところ、ここまで来るのに結構大変だった。
あるていどの戦力にならないかぎり花咲さんの元で仕事はできない。
ごくりと大きなつばを飲み込んだ。
なにも言えない俺に対して
「よく考えろ、出発は夜明けだ」
このまま戦場に向かい、死と隣合わせで任務を続行するか航の元に帰って抱きしめるか。
「あーもう頭パンクしそう」
「どうした?」
「ば……盤上さん」
花咲隊のお母さんという存在の方が声をかけてくれた。
一通り話をして意見を聞いてみることに
「なるほど……そしたら帰ったほうがいいかもね」
「え? 日本にですか?」
「うん、軍事演習の件は今回他国攻めがあるから期間内にやらないと思うし、一番は愛する人の元に帰ったほうがいいかなと俺は思うよ」
「……」
「澤田がこの3年間頑張ってきたこと、花咲さんも知ってるし、他のみんなも知ってる、それに花咲さんは簡単に部下を捨てたりしないよ」
本当にこの人たちはと言いたいくらいに信頼している。
花咲さんの立場を理解しそれを支える部下。
「愛ですね」
「そうだね、愛だと思うよ」
盤上さんはしゅんと暗い顔をした。
疑問に思ったが、伝えに花咲さんの部屋に向かうと。
目の前のガラスから大きな破片が飛んできた。
ヤバイ、避けきれない。
ガシャーンと大きな音がなり俺は血を流して意識を手放した……。
痛い、冷たい、すごい大騒ぎしてる。
そうだ、花咲さんは?
俺の目の前にいて……。
ダメだ体が重い……。
---------------
「うっゲホゲホ」
血反吐を吐く。
華さんとたわいのない話をしていただけなのに。
「航くん!? 大丈夫、しっかりして!!」
頭が朦朧とする、なにかに引っ張られているような感覚だ。
「早く、手術室に運んで」
はぁはぁ、どうしよっ怖い……。
検査の結果、遅発性Ω特有の症状だということが分かった。
運命の番になり、苦しさから逃げれたと思っていたのに、妊娠しただけでまた症状が悪化してしまった。
部屋に戻り華さんが深刻な表情をして話始めた。
「航くんの体のためにおろすか、このまま苦しみの中、赤ちゃんの成長を待つか、どちらか……」
「あっやだ……」
ぐっと体が華さんに引き寄せられた。
悲しくて、絶望に立たせられる。
でも他国の圧力によって、軍事演習ではなく本当の軍事戦力に加えられてしまった。
「澤田」
「はい」
花咲さんに声をかけられる。
「私用を持ち込むようであれば今すぐ日本に帰れ」
キツイ言葉が胸に突き刺さる。
正直なところ、ここまで来るのに結構大変だった。
あるていどの戦力にならないかぎり花咲さんの元で仕事はできない。
ごくりと大きなつばを飲み込んだ。
なにも言えない俺に対して
「よく考えろ、出発は夜明けだ」
このまま戦場に向かい、死と隣合わせで任務を続行するか航の元に帰って抱きしめるか。
「あーもう頭パンクしそう」
「どうした?」
「ば……盤上さん」
花咲隊のお母さんという存在の方が声をかけてくれた。
一通り話をして意見を聞いてみることに
「なるほど……そしたら帰ったほうがいいかもね」
「え? 日本にですか?」
「うん、軍事演習の件は今回他国攻めがあるから期間内にやらないと思うし、一番は愛する人の元に帰ったほうがいいかなと俺は思うよ」
「……」
「澤田がこの3年間頑張ってきたこと、花咲さんも知ってるし、他のみんなも知ってる、それに花咲さんは簡単に部下を捨てたりしないよ」
本当にこの人たちはと言いたいくらいに信頼している。
花咲さんの立場を理解しそれを支える部下。
「愛ですね」
「そうだね、愛だと思うよ」
盤上さんはしゅんと暗い顔をした。
疑問に思ったが、伝えに花咲さんの部屋に向かうと。
目の前のガラスから大きな破片が飛んできた。
ヤバイ、避けきれない。
ガシャーンと大きな音がなり俺は血を流して意識を手放した……。
痛い、冷たい、すごい大騒ぎしてる。
そうだ、花咲さんは?
俺の目の前にいて……。
ダメだ体が重い……。
---------------
「うっゲホゲホ」
血反吐を吐く。
華さんとたわいのない話をしていただけなのに。
「航くん!? 大丈夫、しっかりして!!」
頭が朦朧とする、なにかに引っ張られているような感覚だ。
「早く、手術室に運んで」
はぁはぁ、どうしよっ怖い……。
検査の結果、遅発性Ω特有の症状だということが分かった。
運命の番になり、苦しさから逃げれたと思っていたのに、妊娠しただけでまた症状が悪化してしまった。
部屋に戻り華さんが深刻な表情をして話始めた。
「航くんの体のためにおろすか、このまま苦しみの中、赤ちゃんの成長を待つか、どちらか……」
「あっやだ……」
ぐっと体が華さんに引き寄せられた。
悲しくて、絶望に立たせられる。
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