遅発性Ω

枝浬菰

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第二章

嵐の後の大嵐

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嵐がどうにか過ぎたようで本当に意味が分からなすぎて、俺は疲れているのかと頭を抱えた。

次の日


俺は思わずポカーンと口をあけてしまった。
目の前にはいかにも大富豪がいたからだ。


「え、えとご予約はされていますでしょうか?」

ばっとこちらを向くがすごいイケメンすぎて目が痛い、なんかキラキラしてるし。

「は! ワタル?」
手をがっしり掴まれた。

「へ?」
その後ぎゅーっと抱きしめられる。

「え、えワタル??」
ともう一人高いテンションできた。

さらにぎゅーっとされ、俺は窒息死になりそうだった。

「ヨヤクシテナイケド、シタイ」
かたごとな日本語で宿泊したいと言ってきた。

おつきの人は? と後ろを向くが2人しかいないようだ。
「ワタル、サワダ?」

「あ、yes」
「oh!!」となんともテンションが高い。

ん? なんで俺のこと知ってるんだ?
恭平さんの知り合いってこと??

「あ!!!」とひと際大きな声がロビーに響いた。

「恭平さんと花咲さん!!?」


「ジャンクあなたって人はどうしてそんな勝手な行動するんですか??」
「航、なにもされてない??」

恭平さんが俺の身を案じてきた。
「大丈夫ですけど」
ちんぷんかんぷんすぎて話にうまく乗れない。

「ね、恭平さんもしかして、あの方ホテルに泊まりたいの?」
「え? ここに」
「うん、宿泊したいって言ってきたけど」

「うーん、身分上ここだと危ないからな……」
今日の恭平さんの恰好いつもと違うかっこいい、スーツじゃないよな、なにかの制服?

それに花咲さんも同じの着てるし色は違うけど。
なんか仕事服の恭平さんかっこいい。


花咲さんがこちらにきて
「航さん申し訳ない。すぐに連れ帰るので」

「No!!」
と割り込んできた。

花咲さんにくっついていて大変そうだ。
それにもう一人の人も花咲さんにくっついている。

まるで子供みたいで笑ってしまいそうになる。


「航、本当にごめんね」
「いえ、全然楽しいです」

「ワタル!!」
恭平さんが前に立つがすり抜け俺に抱き着いてきた。大男。

「あっちょっ」
花咲さんにも手に負えない人がいるなんて少しどころかすごい驚いてる。

「いいじゃん、翔太、今日だけ」
とはっきりと日本語に聞こえ始めた。

ん?

「あーこの方々日本語ぺらぺらなんだよ」

「へ、へー」

「会議とかどうするんですか、移動が大変じゃないですか」
「それは翔太のお得意技で」

「……」
「むすっとした顔もかわいいぞ」
つんつんと花咲さんの頬をつついている、大富豪さん。
「しばきますよ」

「花咲さん、国際問題!!!」
国際問題ってことはどこか他の国の偉い人??
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