遅発性Ω

枝浬菰

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第一章

フレアバーテンディング

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マスターの胸元の名前を見る。
SAKAKIBARAと書いてあった。

「あの…もしかしてフレアバーテンディングの榊原選手ですか?」
驚いた表情でこちらを見た。

「はい、そうです」
「え、なに?」

「全日本大会の選手の方」
「えっとそのフレアバーテンディングってなに?」

「フレアバーテンディングはカクテルを作る工程でグラスやシェイカーなど使って曲芸的に繰り出して完成する、まぁ簡単にいうとパフォーマーして提供する大会のことだよ」

「へぇーそんなのあるんだ、じゃ航もそれに出てたのか?」
「航?」

バーテンダーが口を挟んだ。

「もしかして、WATARU HIIRAGI選手ですか?」
「あ、はい」

と言うとバーテンダーはカウンターに手をつき、口を抑えていた。
「え!? 大丈夫ですか?」

「す…すみません、その…大ファンなので…か……輝いている」
「え、そんな俺全然ですよっ」と否定するが榊原は興奮を抑えている。

「全然話が見えないんだけど」
「実は去年行われた世界チャンピオンで実は俺2位にだったんだ」と言うと

「え!! なにそれ」
と驚いていた。
周りの客も俺の存在に気付いたようでカメラを撮りだす人もいた、あいにく部屋が暗く、うまく映っていないらしいが。

「ちょっ航って有名人だったの!!?」
「いやいや、全然、てか2位だし」

「あの」
ずいっと来て掌を掴まれた。
「へ?」

「まさか、こんなところでお会いできると思っていなかったのでその…パフォーマー見せていただいてもいいですか?」と言ってきた、さすがに客の俺にそんなお願いをされてもと思ったがこんなに嬉しがっている人を見ると、こっちも嬉しくなってしまう。

恭平さんに目を向けると
「俺も見たい」

と言ってきた。

仕方ないか、と榊原さんが用意してくれたグラスやボトルでパフォーマンスをすると輝く色とりどりのカクテルが提供された。
拍手がなり続け、お辞儀をした。

「はぁー本当にありがとうございます」
と握手を交わした。

部屋に戻るとまだ余韻に満たされて、うきうきとしていた。

「航」
「ん?」
と振り向くと腰を抱かれキスをしてきた。

「んちゅつ」

手は乳首に這い、着ている服を脱がされる。
「お…温泉はいらないの?」

「入るっ」
どこか不機嫌な恭平さん。

「でも、脱がせたい」と言われたので
「お願いします」と素直に返した。

服を脱ぎ湯舟に浸ろうとすると片足だけ外に出された。
「え?」

もう10月下旬は寒く、冷たい風が肌をさす。
蕾に指が入っていく。
「んっちょっ早…」
2本入ってきた指は前立腺を刺激する。

「うんっんっ」

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