遅発性Ω

枝浬菰

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第一章

仲直り

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腕を引き寄せ、優しくキスをした。

驚いた様子の恭平さん
でも優しく頭を包みこみキスを返してくれた。

目を見合わせ、お互いを感じる。
「航、ずっと愛してるから」
と耳元で言われた。……反則////。

「恭平さんのこと大好き」
とお返しをした。

お互い耳まで真っ赤になってしまう。

-----------------
そんな様子を遠目で見守っていた、杉本と華。

「あー初々しい関係だなーー」
「俺らもあういう時期あったもんな」

「あれは、どちらかというと杉ちゃんが原因でしょっ」
「まぁそうだけど」
ぐっと華の腰を引き
「わっ」

「今夜覚悟しとけよ」
「まじ?」

「明日出勤できねぇようにしてやる」
「望むところ//」

おでこをくっつけた。

-----------------
その様子をさらに見ている人物
「ふーん、面白くなってきてるじゃない」

スーツケースを持って棒つきの飴を舐めながら、不穏な笑みを浮かべていた。
-----------------
ホテルに戻ってきた。休暇があるのでスイートルームに戻ってこなくてもいいがなぜかここが一番安心する。

「はぁーなんだか疲れた」
ベッドに倒れこみ枕を抱き寄せる。

その横に恭平さんがきて
「そんな可愛い仕草されると理性がヤバイ」
じとーとみられる。

「なに?」
「恭平さんって結構、性欲強いですよね?」

「あ、まぁまぁな、好きな子が傍にいて可愛いことされたら皆そうなるだろっ」
「////」


「だから煽るなよ」
足を組み合わせる。

こんなにイチャイチャできる日がくるなんて思わなかった。

「これからのことどうします?」
「そうだな……東京のこのホテルの近くに家借りないとな」
「俺の家だと少し狭いかもしれないです、それに今はΩ専用のアパートに暮らしているので……」

「ア……アパート!!?」

「え、はい」
「航、お金にはあまり困ってないよね?」
「あーまぁ困ってはいませんがそのΩになる時はだいたい……接待してたので、休みはホテルにいて……」

「じゃ、最近いった映画は?」
「うーん4年前とか?」

「レストランは?」
「あまりそういうのは行かなくて……」

「じゃ、旅行は?」
「長期休みはなかなかもらえないので……」

恭平さんは枕に向かってもごもごと言っていた。
事情聴取が終わりなにやら考え込んでいる。

「休暇もらったから温泉に行こう!!」
「え?」

さっそく支度を始める恭平さん。
「あ、あのお仕事は?」

「問題ない、今翻訳しか仕事ないからそれを提出すればOK」

「じゃ、航も準備してきて」
と追い出された。


……。 まぁいっか。
大学生ぶりの温泉旅行だから楽しもうっと
うきうき気分でバックヤードに戻ると……。
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