遅発性Ω~試し読み~

枝浬菰

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第一章

正常でいるの無理だろっ

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洗濯バサミを取りにランドリーに向かうと
ちょうど仕事をしていた、経澤つねざわに出会う
「おはようございます」
「おはよー、洗濯バサミもらえる?」

「洗濯バサミですか?」
「うん、個数は言ってなかったな、そういえば」
「どなたから言われたのですか?」

「杉本さんにスイートルームに洗濯バサミ持ってこいって言われた、しかもすごい形相で」
「スイートルームに洗濯バサミ持ってこい…さすがはお母さん、至らぬ場所があったのか…」

「ハハ、お母さんの見る目は違うのよ、とか言われそう、とりあえず2個持ってくわ」
「はい、そういえば、杉本さんと柊さんがスイートルームにいらっしゃいますよね」

「あー、そうだったかも」
「ということは、昨日のベッドメーキングした誰かが怒られる説きますよ、これ」


「ひぇぇーこわ」

スイートルームには20階から乗り換えで専用のエレベーターに乗りこむ。
さらにスイートルームは1部屋のみ。

部屋の前につくと
「は? おいおいどおなってんだよ、この甘い匂いってΩか?
なんでこんなところに」

ズクンと下半身を刺激する匂いに洗濯バサミの意味が分かった。

「そういうこと」
俺は2個持っていたので1個を鼻に、もう一つを腕に挟んだ。
「いったー」

でも匂いがヤバイ、理性が飛びそう……。
この中にいるのって杉本さんと柊さんだよな?

ドアをノックすると杉本さんが出てきた。
ぐらっとこちらに倒れこむ。

「大丈夫すか?」
「お前、洗濯バサミの意味分かってよかったよ」

「これってどういうことっすか?」
「柊がαからΩに転換した可能性が高い」

「は?」

「柊連れて病院行ってくる、荷物取ってくるから、悪いが見ててもらえるか?」
杉本さんが俺の横を通り過ぎようとするが腕を掴んだ。

「まって、俺αなんすけど…」

「俺もαだよ、てかここαしかいないだろ」
そりゃそうだ、ここはα専用のホテルにして従業員もαしかいない、そんな中でΩって
やばっ 喰いそう。

「柊はいちを拘束してあるから、お前が暴走しない限りは問題ないはず」
と言いながらエレベーターに乗っていった。

中に入ると充満しているΩの匂い。
下半身が痛い。

だいたい拘束してるって…。
ベッドに両腕をネクタイで縛っていた。

「あ…あ、奥ほしい」
誘っているような目で柊さんは呟く。

ゴクリ「はぁー無理」
ベッドが軋む音が聞こえ、近くまで見に行く。
洗濯バサミしてても匂いやばっ


「はぁはぁ…」
首を近づけ、首筋を舐めると
びくんと体がのけぞった。

「我慢するほうが無理だろ」
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