小さな怪獸

通り魔

「もしもし将生？」
「んぁ？　良終わった？」

「もしかして寝てた？」
「んーちょっとね、君たちどこいるの？」

「それがさ先生にトイレに閉じこめられちゃって柳先生っていううちの担任なんだけど職員室まで行って呼んできてくれない？」

「トイレに閉じ込められたって」

「笑うなよ、ここのトイレだけ中から鍵開けられないんだよ」

「分かった分かった、ちょっと待っとき」
将生は職員室に向かう。

職員室で柳を呼び無事に良と静香は脱出できた。

また3人で出し物を周る。

静香が前で後ろを良と将生がついてくる感じ。
静香がぼーと歩いていると

曲がり角から男子が静香を押し倒した。

「うわぁ！？　静香大丈夫？」
「いったーもうなにいぃ？」

と静香が目を開けた瞬間

誰かにキスをされた。


静香が目をパチクリさせている間
その男子は静香の顔をパシャリ

「よし、任務達成だな、油目ちゃんと見てたか？」
「え！？　あっ…生徒会長！？」
「この人が…」

「近藤見てた？」
「はいはい見てましたよ」

生徒会で巡回をしている時にたまたま見つけた静香を押し倒し作戦で唇を奪った生徒会長。

「てめ、また堂々と人の前で！！」
静香は口元に手を置き拭う。

「だって今回の企画が悪いんだよ俺関係ないもんねーー」

「んじゃ1人目唇奪われたってことだね、じゃぁ後1人かー」
静香は何かを思い出したように慌てる。

「いや、もう終わりだわ」
「誰かにキスされた？　もしかして良？」
「いや良じゃない、あのお化け屋敷で…」
「あちゃー暗闇で襲われるとか災難」


「そっかーんじゃ東雲に言って企画終了させようかこの方がゆっくり学祭周れるし」

「うん」

教室に戻った3人　15時

放送室
「えー2-2からのお知らせです。只今を持って大和静香キス争奪戦は終りとします。
また写真集も残りわずかとなってしまったのでまだ購入していないかたは急いできてくださいそれでは！」
「写真集もうとっくに終わってるかと思ってた」
「紗英ちゃんがまた印刷してくれたの」

「あーなるほど。で、今のところ真ん中のお客さんってどの人？」

「16時にまた来てくださいって言っておいた。めちゃくちゃイケメンだけど、聞いたらかなりのゲイみたい。戻ってきてくださいねって言った時に『じゃこの写真でヌイテクルヨ』って堂々と言ってたから。でそっちのキスの件は誰になったの？」

「生徒会長と後3年のお化け屋敷の先輩だよ」
「3年生なのかーー」
「うん」

「てっきり私たちは油目がキスすると思ってたよ」

「まぁ静香は親友だし、したいときにはするから別にいいよ」
「やっぱり付き合ってたんだ」
クラスにいた、腐女子が良と静香を見る目が変わった。

「付き合ってはないかな」
良がシュンとする。