小さな怪獸

枝浬菰

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焼き肉屋で

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良は調理場に戻っていった

「東條ーー、良になんて言うの?」
「俺は、単刀直入に聞くけど」

1年3人組はメニューを見てワクワク話している。

「良さー、ドSすぎだよね」
「まぁ良だからしょうがないんじゃないの?」
「静香大丈夫かな…」

「会長に連れ去られたあと1時間後に部室に来てたからなんとか開放されたみたいだよね」

「大和先輩、俺今日誘ったんですけど、さきほどからお話に上がってる良さんに会いたくないって言ってました」

「そりゃそうだろうな」
「お待たせいたしました、AコースBコースでございますご注文は以上ですか?」
「あっはい」

「お待たせ!! あれ? 静香は?」
休憩に入った良は東條の隣に座る。

当たり前の様に聞いてくる良。

「お前の…」
佐原の言葉を東條が奪った。
「お前のせいで静香今日危なかったんだぜ」
「え!?」
肉を落とす。

「静香どうしたの!?」
良が大きな声を出したので向かいにいた、1年の子達が驚いていた。
それと周りのお客さんも驚いていた。

店員が来て
「こら油目君静かにしなさい」
「あぁ…ごめんなさい」


良は周りのお客さんに頭を下げた。

「で、静香に何があったの!?」
「お前、昨日静香に何した?」
「何って?」

(うーーん)
「H?」

近藤がふいた…。
「あっ…えっと…」
近藤は顔が赤くなってる。

「あらー想像しちゃった?」

佐原はにやにやしながら聞いている。
「いやーあのえっと、えっと」
「静香可愛いもんな、今日の腰の痛み、良のせいだろうね」
「えっ…じゃぁHって…」

「近藤君はノーマルだよね~」
「え…… はい」
(えっちょっ待って普通に考えてみんなノーマルだよね)
ちらっと中村の方を見て、頷いていた。

「それで先輩と先輩ってどういうご関係なんですか?」
「んー簡単に言えばセフレ??」
東條が答える。

「え!? 両思いじゃないの?」

佐原は東條の回答に吃驚する。
良はヤレヤレ顔で
「どちらも正解。だけど静香はそんな風には思えないって昨日言われた。俺の片思い」

「えーじゃぁ大和先輩とはいちからそ…の…Hの関係に?」

近藤は照れながら呂律がまわっていない。
「うーん中学生かな?」

「俺、良と静香の中学生時代知らないわ」
「虎と静香が会ったのがだいたい中2のころだよな?」

「うん、俺的には中1から片思いだったけどな」
「告ったんですか?」

「食いつくな~、もち告ったよ! 中2のときにでも、まだダメって言われた」
「それってまだ可能性はあるってことですよね?」

「なるほど! で昨日か振られたんだな」
「正解。まぁ諦めないけどね」

店員が来て油目に「休憩時間終了だよ」と教えに来てくれた。

「有難うございます。じゃぁお前ら帰れよ」

「ほーい」
テニス部員は良の焼肉屋を後にした。
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