王子たちの戯れ

枝浬菰

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城での生活②

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訓練場に向かうと服を着替えたスザク様がいた。
凜々しいお姿ではなく衛兵に似たような格好だった。

そして準備運動もちゃんとしているところから見ると本当に体を動かすのが好きなのだと伝わってきた。


「ルーク殿も加わりますか?」
「よろしいのですか?」

「はい」


連れて行かれた先は着替える場所だった。
何人かの衛兵もこちらにいて挨拶がてら着替えを済ました。


キリはすでにいなくて衛兵と話をしている。

「ルーク殿は剣術大会などで優勝された経験があると聞いておりますが」
「ええ、そうですと言っても本当に初歩的なことなので……」
「そんな謙遜なんていりませんよ、むしろ我らを鍛えてください」

と言われてしまい、衛兵の指導をしていると
それを遠くから見ていたスザク様と目があった。


瑠璃色の青く澄んだ瞳が太陽光に照らされなんとも美しい。


とそこにカムイ様がいらしてスザク様が慌てていた。


「で、ルーク殿はエドワードと手合わせしてみてはどうだ?」
「エドワード殿とですか?」

と騎士団長のチーロがいうと
「ぜひ、お願いします」


「では失礼して……」

訓練場が静かになり2人は顔を合わせた。
先に攻めてきたのはエドワードだった。


振りかざす木刀が大きな攻撃だなこれなら受け止めればと思っていたのだが
これは受け止められないとわかり避けるよりは流れ受けをしてその隙間に木刀を突き立てた。

「まじかよ、すごっ」

感心している衛兵たち
ゆっくりと歩いてこちらに来たスザク様。


「お前、フィオーレ王国出身なのか?」
「!? ええ、はい」


よく分かったな。

「俺とも勝負しろ」

と言い出したので
「えっとこれは良いのでしょうか?」
「王子命令だ」

といい飛びかかってきた。
やるしかないか。

受けた重さはいいが少し踏み込みがあまい気がした。

これならと思い後ろに引き空気を吸い込みながら途中で止め首元ギリギリに打ち込んだはずだった。

だがそれは避けられむしろ今は俺の首元に木刀があった。

嘘……見えなかったんだけど……。

「お前強いな」といいスザク様は訓練場を後にした。

「これはえっとルーク殿の優勝ですな」
「!? えっと俺のですか?」

「はい、スザク様少しイカサマをされていたようで」

「イカサマ……どの辺が??」

「実はその木刀、短いんですよ」
「あれはスザク様専用の木刀なので」


「でも……勝ち負け関係なくスザク様お強いですね」


「ええ、この王国2番目に強い方です」
「1番目は? コハク様ですか?」

「ええ、そうです」

「そうなのですね」
スザク様の後ろ姿を見ていると……。

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