ゲイビネコ専門の牧くん♡

ムカツクあいつのお世話

社長との会議で決まったのが
デートだった。

牧の身を守るためにもデートが一番いい、エスコートについては曽根監督が台本を作ってそれを牧が頭に叩き込む。
キスぐらいは許す。

と曾根監督は許可をもらい、台本を作成することになった。

駅前集合とのことで俺はいつも通りマスクと帽子を被りデートコースである、
水族館が選択された。

「あ、お前牧」
さっそく先輩に対して呼び捨てか

「はい、初めまして、castleの牧です、今日は楽しみましょう」
「……ふん、モデルみたいな恰好してお前なんかどうせ誰も知らないだろ」
「そうですね、じゃ取りますよ」

ふわっと香りをつけていたのでそれで周りの人もこちらを向いていた。
「え、なにあの人！　男性？　かわいい」
「じゃぁ和くん行きましょう」

手をつないで名前を呼んだ。

「キモっ」

といい手を離された。

大丈夫、順調だから。

「だいたい桧山だろ考えたの、まじむかつく、俺は性欲さえ発散できればいいんだよ」
と漏らしていた。

ガキだな。

入場券を買って中に入るとドーム型の水槽が印象的だった。

「なんでこんなところに男のお前とこないといけないんだよ」
「女性の方と来たかったんですか？」
「当たり前だろ、男となんて気持ち悪い」
うわぁーすごいいわれようだな。

台本無視しちゃうけど気になるんだよな、どうしてこうひねくれてるか。
「ねぇ、どうしてそんなに男と男は嫌なの？」
「は？　お前無神経なやつだな」

「アハハ」
カチン。

「誰が教えるかよ」
はいはい、そうだと思いました。

1時間もしないうちに水族館を出てしまった。
速足でいちをすべては見た。

「てか今日の給料出るのかよ？」
「さぁーどうですかね」

「あんたもあれだろ、マネージャーに言われてほいほい付いてきたみたいな感じだろ」
「俺は仕事としてここにきてます」
「あっそ、どうせやらせとかいろいろなんだろうな、はぁー女抱いて金貰いたいわ」
「そんなんなら坂上監督のこと見返してみたらどうですか？」

「は？　お前俺のこと知ってるの？」
ヤバ。

顎を捕まれ壁に挟まれる。

「へぇーそんな顔もできるんだ、たしかあんたcastleの姫ネコだろ、マネージャーにしては美人を連れてきたとは思ってたけど、甘そうな匂いさせてるな」

「へぇー男ダメなんじゃないんだ」
「俺はわりとお前みたいな抵抗ある男のほうが好きなんだよ」

ぐっと両腕を上に片手で持ち上げられキスをしてきた。
「んっ」

ベロンとすべてを舐められた。
狭い路地で抜けた先は海が広がっていて大通りには人もいた。