31 / 75
叔父さんと遥
しおりを挟む
夜
秀平さんは俺を拘束した。
またあれが始まる。
「はい、あーんして」
口を開けてご飯をもらう。
所謂子育てごっこだ。
「いいこだね、美味しいかい?」
「うん」
もうそんな歳でもないのに秀平さんは自由を奪った。
無駄に抵抗しても手足に残る痕が濃くなるだけだからなにもしない。
従うだけ。
その後も風呂も体を触ったりして洗ってもらった。
小さい頃はなんとも思わなかったけどだんだん理解してくるとこれは相当やばいやつと感じ始めてしまった。
もしここで振り切ればどんなことをされるのかそれがすごく怖かった。
布団を敷き横になると股間を押し付け動いていた。
叔父さんの吐息が顔や首にかかり
気持ち悪い…。
「うっ…」
「遥は私だけのものだよ」
逃げられない。
昼間
「先生」
保健室のドアを開け話しかけた。
「こんにちは、珍しいねお昼に来るなんて」
「はい、あの包帯…」
「うん、その前に君暑くないの?」
「え?」
そう、季節は夏。
俺はというと長袖を着ていた。
「はい、暑くないです」
「そう、顔色悪そうだけど」
「ちょっと夜あまり眠れなくて…」
「そか、手当してあげるから見せて」
「あ、いえ今日は自分で貼れますので」
「それはダメ、あげられないよ」
椅子に座るように誘導されるが俺は後ずさってしまった。
「…ならいいです」
ぺこりと挨拶して保健室を後にした。
「こら、ちょっと!!」
こんな腕の傷見せたら疑われてしまう。
自分の身を護るか。
叔父さんの身を護るか。
考えてしまう。
ぐぅぅぅーとなるお腹、そして寝不足…。
昨日のはなかなかに酷かったから、くらっときて座り込んだ。
誰もいないベランダの角で蹲る。
思い出すだけでぞわぞわと身震いし暑い夏なのに冷や汗が背中を流れた。
「うっ気持ち悪い」
胃液を吐き出した。
固形物などない、ただの液体だけ。
チャイムが鳴っても立ち上がれなかった。
このまま日陰で過ごすのもありかな。
目を閉じすーっと眠りに着いた。
あれから何時間経ったのか分からない。
目を開けると天井は土ではなく白い壁だった。
あれ? なんで?
ぼやーとしてるとこちらに近づく足音が聞こえた。
「目覚めたかい?」
「あれ? 先生…てことは保健室?」
先生がこちらに来てベッドの上に座り顔を覗き込んできた。
額に掌が乗っかりその大きい手に少しだけ落ち着いた。
叔父さんにこうされると体が硬直して動けないのにどうして先生は違うのだろうか。
「魘されていたようだが大丈夫かい?」
心配してくれる暖かみのある声。
「はい」
泣きたくなる。助けてと。
「保護者の方に電話をしたからもうすぐ来てくれるよ」
ドックンと大きく跳ねる鼓動。
怖い、怖い今夜何をされるのか分からない。
それに今日は金曜日だ。
「明日、明後日お休みだからゆっくりしなさい」
…。
「はい」
と頑張って笑った。
秀平さんは俺を拘束した。
またあれが始まる。
「はい、あーんして」
口を開けてご飯をもらう。
所謂子育てごっこだ。
「いいこだね、美味しいかい?」
「うん」
もうそんな歳でもないのに秀平さんは自由を奪った。
無駄に抵抗しても手足に残る痕が濃くなるだけだからなにもしない。
従うだけ。
その後も風呂も体を触ったりして洗ってもらった。
小さい頃はなんとも思わなかったけどだんだん理解してくるとこれは相当やばいやつと感じ始めてしまった。
もしここで振り切ればどんなことをされるのかそれがすごく怖かった。
布団を敷き横になると股間を押し付け動いていた。
叔父さんの吐息が顔や首にかかり
気持ち悪い…。
「うっ…」
「遥は私だけのものだよ」
逃げられない。
昼間
「先生」
保健室のドアを開け話しかけた。
「こんにちは、珍しいねお昼に来るなんて」
「はい、あの包帯…」
「うん、その前に君暑くないの?」
「え?」
そう、季節は夏。
俺はというと長袖を着ていた。
「はい、暑くないです」
「そう、顔色悪そうだけど」
「ちょっと夜あまり眠れなくて…」
「そか、手当してあげるから見せて」
「あ、いえ今日は自分で貼れますので」
「それはダメ、あげられないよ」
椅子に座るように誘導されるが俺は後ずさってしまった。
「…ならいいです」
ぺこりと挨拶して保健室を後にした。
「こら、ちょっと!!」
こんな腕の傷見せたら疑われてしまう。
自分の身を護るか。
叔父さんの身を護るか。
考えてしまう。
ぐぅぅぅーとなるお腹、そして寝不足…。
昨日のはなかなかに酷かったから、くらっときて座り込んだ。
誰もいないベランダの角で蹲る。
思い出すだけでぞわぞわと身震いし暑い夏なのに冷や汗が背中を流れた。
「うっ気持ち悪い」
胃液を吐き出した。
固形物などない、ただの液体だけ。
チャイムが鳴っても立ち上がれなかった。
このまま日陰で過ごすのもありかな。
目を閉じすーっと眠りに着いた。
あれから何時間経ったのか分からない。
目を開けると天井は土ではなく白い壁だった。
あれ? なんで?
ぼやーとしてるとこちらに近づく足音が聞こえた。
「目覚めたかい?」
「あれ? 先生…てことは保健室?」
先生がこちらに来てベッドの上に座り顔を覗き込んできた。
額に掌が乗っかりその大きい手に少しだけ落ち着いた。
叔父さんにこうされると体が硬直して動けないのにどうして先生は違うのだろうか。
「魘されていたようだが大丈夫かい?」
心配してくれる暖かみのある声。
「はい」
泣きたくなる。助けてと。
「保護者の方に電話をしたからもうすぐ来てくれるよ」
ドックンと大きく跳ねる鼓動。
怖い、怖い今夜何をされるのか分からない。
それに今日は金曜日だ。
「明日、明後日お休みだからゆっくりしなさい」
…。
「はい」
と頑張って笑った。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説




サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる