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第一章:神の暇つぶし
80話ー【殺人事件の謎】パスコードと鍵の行方
しおりを挟む「おい、こんなん誰が気づくんだよ……意味わからんわ」
「いや、それな?」
「まぁ、見つけたし良いじゃん。それよりさ、ここに使う鍵がある筈なんだよね。それを探さなきゃ」
「そうね……次に行きましょう」
「次は本棚かな?」
「そうだね……でもやっぱりさ、あたし達が本棚やるから男子でタンスとか見てよ? どうせタンスとかには何も無さそうだしさ。それが終わってから残りをみんなでやろ」
「別に僕はそれで良いよ。じゃあ、そうしよっか。蒼もそれで良いよね?」
「おう、それで良いぜ。ちょっくら物色しますか~」
本棚という一つ一つを丁寧に見れば見落とすことの無い要素に、四人は効率化を求めた。
そのため、男女二組に別れて探索を始めたのだ。
陽葵と綾華が、本棚の本を物色していく。
一つ、また一つ、少しずつ、丁寧に。
パラパラとページを捲る。
これも違う、あれも違う、あれも、これも。
真剣な眼差しでヒントを探す。
(中々無いな……)
陽葵がそんなことを思ったときだった。
一番上の右角に、一際目立つ、分厚い本を見つける。
そこは綾華が探索していた所で、恐らくだが、届かなかったため放置したのだろう。
その本に何かを感じた陽葵が、そっちに手を伸ばそうとしたとき、ベットに寝っ転がっている蒼が大声を上げた。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「「「うわぁっ!?」」」
「びっくりしたぁ……」
「急に大声出さないでよね!!」
「すまんすまん……それよりさ見つけたぜ、ヒント!」
「「「ん?」」」
三人が首を傾げると、蒼はボロボロな紙切れを自慢気に見せてきた。
その紙切れには、こう書かれてあった。
『パスワードは世界で1番愛おしい人と私の誕生日』
と、窶れた文字で。
「パスコードは俊夫と奈津子の誕生日だ!!」
「「「な、何だってええええ!!???」」」
「でもさ、冷静に考えたら俊夫の誕生日分からないよね」
「「「な、何だってええええ!!???」」」
ノリツッコミをしていた陽葵は思い出しかのように、例の本に手を伸ばす。
「そう言えばさ、あたしも気になったのあるんだよね。よいしょっと……これ、なんだけどさ」
例の本を手に取った陽葵は、分厚い本を三人に見せた。
しかし、それは本のようで本では無かったのだ。
何故ならそれに、紙は無かったのだから。
「これってもしかして……例の鍵を入れる箱では?」
「でも、鍵無くね?」
その箱とでも言うべき物を陽葵が開けると、そこには鍵を仕舞う穴らしきものがあったのだ。
しかし、そこには鍵など存在し無かった。
「あ…………俺、分かったかも」
「ん? 何が?」
ハッとした表情で呟く蒼に樹が聞くと、蒼は何かを確信したように答える。
「もしかしてさ……奈津子の部屋にあった宝の地図、鍵を埋めた場所では…………??」
と、何かを見据えながら。
―――
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘
【探索エリア】
『外』
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
(愛がボロボロだから?)
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料
『一階』
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁(錆なし)
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子(左奥だけ無い)
▶︎豪華な時計(6時45分13秒で止まっている)
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー(7月)
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
(俊夫への愛が枯れた?)
○由紀子の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・メイド服
・私服
▶︎二つの写真立て
・冬華とのツーショット写真
・奈津子とのツーショット写真
(仲の良い人との写真?)
▶︎黄色いユリの花瓶と黄色いバラの花瓶
(俊夫への憎悪と、冬華か奈津子への思いやり?)
▶︎本棚(花図鑑)
・赤いバラは情熱や愛情
・黄色いバラは幸福や思いやり、嫉妬
・青いバラは可能性
・ラベンダーは幸せや期待、貴方を待っています
・黄色いユリは憎悪
○冬華の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・私服
・メイド服
▶︎本棚
・お料理系統の本
▶︎ぬいぐるみ
(由紀子から貰ったプレゼント)
▶︎由紀子とツーショットの写真立て
▶︎青いバラの花瓶
『二階』
○奈津子の部屋
▶︎ベッド
▶︎机の上
・遺書がある
▶︎机の引き出し
・紙が見つかる
赤―黄ー青
❌
▶︎黄色のバラの花瓶
▶︎クローゼット
・私服
▶︎タンス
・下着
▶︎俊夫とのツーショット写真の写真立て
・写真立ての裏には「22歳の誕生日おめでとう、奈津子。12/21」と書かれている
▶︎由紀子とのツーショット写真
『遺書』
愛する家族達へ。
私は過ちを犯してしまった。
それはもう、償うことが出来ないほど大きくて。
自ら命を絶つ以外に他ない。
まだ若い妻を置いて先に逝くことを許しておくれ。
私の遺産は皆で分けてくれると嬉しい。
由紀子達は家族も同然なのだから。
西園寺俊夫。
○俊夫の部屋
▶︎ ベッド
・隙間にボロボロの紙
(パスワードは世界で1番愛おしい人と私の誕生日)
▶︎七月を示しているカレンダー
▶︎タンス
▶︎クローゼット
▶︎パソコン
▶︎本棚
▶︎机の上
・7月26日の新聞紙
▶︎机の引き出し
①様々な書類がある
②引き出しの中に目星で鍵穴を見つける
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