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第一章:神の暇つぶし
72話ー【殺人事件の謎】頭を打つ音
しおりを挟む探索を始めた四人。
そんな中で女子二人は、クローゼットとタンスを、それぞれ探索していた。
「ねぇねぇ……綾華、こっち来て」
タンスを漁って……探索していた陽葵が何かを発見したらしく、綾華に手招きする。
それに対して訝しんだ綾華は、クローゼットの探索を一旦止め、陽葵のところまで歩いて行くと、陽葵の視線に合わせる為にしゃがんだ。
「どうかしたの?」
「これ見てよ」
陽葵は小声で囁くと、両手に包み込んでいた、男二人にとって未知の領域とも言える、それの封印を解いた。
「うわっ!なんて神々しいの……!!」
それは神々しい光とともに、とてつもない存在感を解き放っている。
いずれ光が収まると、その正体を顕にした。
そう、その正体は……
「凄くない?めっちゃセクシーじゃない?このショーツ」
ガタッ、ガタッ。
ショーツという言葉と共に、そんな音が聞こえて来た。
その方向には男子二人がおり、探索をしているようだ。
そんな男子二人それぞれに対して、女子二人が懐疑な目を向けた。
しかし、特に問題も無く探索をしているため、女子二人は話を続ける。
「本当にセクシーね……私には少し、大人っぽいかしら」
ガタッ。
「分かる。あたしにも似合わなそう……」
ガタッ。
「「んーー?」」
さっきから、何かに頭をぶつけている様な音がする。
その方向にはやはりと言うべきか、男子二人が居た。
男子二人はタンコブを二つ作りながらも、何とも無い様な仕草で色々と見て回っているのだ。
ちなみに冬華は?と言うと、頬を赤くして恥ずかしがりながらも、どこか微笑ましそうに笑っている。
そんな状況を見た女子二人が顔を合わせると、ニヤついた笑みを浮かべて頷き合い、男子二人の元へと、それぞれが忍び足で向かった。
ソロリ、ソロリ……ソロリ、ソロリ……トントン。
綾華は樹の、陽葵は蒼の背中まで辿り着くと、右肩を優しく叩いた。
それに反応した男二人が右の方を向くと、女子二人は左の方から、しっとりとした囁き声で追撃を仕掛ける。
「「ねぇ、『樹・蒼』」」
「「………………っ!?」」
「なんで、タンコブを二つ作ってぇ……」
「そんなに顔を赤らめてるの?」
「「………………あっあっあっあっあっ…………みっ……」」
好きな子の赤裸々な話を聞いただけでなく、耳元で囁かれるという御褒美付きだ。
そんなのに耐えられる男子が居る筈もなく、湯気が出るまでに沸騰させた顔は徐々に白くなっていき……。
ガタッ……ガタッ……バタッ……。
二人は膝から崩れ落ち、そして、死んだ。
「「「し、死んだあああああ!!???」」」
~第二章:殺人事件の謎・ミイラ取りがミイラに編~
「「「「って……な訳あるかああああ!!」」」」
ーーー
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘
【探索エリア】
『外』
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料
『一階』
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁(錆なし)
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子(左奥だけ無い)
▶︎豪華な時計(6時45分13秒で止まっている)
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー(7月)
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
○由紀子の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
▶︎二つの写真立て
▶︎黄色いユリの花瓶と黄色いバラの花瓶
▶︎本棚
○冬華の部屋
『二階』
○奈津子の部屋
○俊夫の部屋
▶︎パソコン
▶︎本棚
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