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第一章:神の暇つぶし
73話ー【殺人事件の謎】花言葉と心情
しおりを挟む「全く、大変な目にあったよ」
「樹、俺もだよ……」
「「はぁ…………」」
女子に殺されかけた男二人は起き上がると、肩を寄せ合うようにして溜息をついた。
男の友情とも捉えられる、そんなバカバカしい絵面を見た女子二人は、冷ややかな目線で一言、ぶちかます。
「「ムッツリ」」
「「グハッ…………!!」」
謎の圧力によって、地面に練り込んだ男二人。
そんなムッツリ二人に対して他の三人は、冷や汗を垂らしている。
三人がムッツリ二人を見下ろしていると、二人の身体がピクリと動き出し、不死鳥の如き復活を遂げたのだ。
「い、樹……だ、だいじょう、ぶか……?」
「あ、蒼……だ、だいじょ、うぶ、だよ……」
((コイツら不死身かよ……))
肩を取り合って起き上がる男子二人に、女子二人は呆れながらも微笑んでいた。
そんな茶番を終えた四人は、探索の結果報告を始める。
「そういえばさ、そっちは何か成果あった?」
「まぁ、俺は幾つか」
「僕もだね、例のアレがあったよ。そう言う陽葵は、何かあったの?」
「あたし?あたしは特に……あー、あったよ?」
「「「?」」」
「男子がムッツリだっていう事実」
「「ムッツリやめてね?」」
「私も特に無かったわね。クローゼットの中にはメイド服と私服が合って、一応その中身も見てみたけど、本当に何も無かったわ」
「つまりは何も無かった、ってことだな……なぁ樹、どっちが先に報告する?」
「じゃあ、僕から先でいくよ」
樹は自分がガタッと倒れた本棚の前に行くと、その時に落とした分厚い本を拾い上げる。
「これ、さっき落としちゃったんだよね」
樹が拾い上げたのは、花の図鑑であった。
それを見た蒼は顎に手を当てながら、ボソッと呟く。
「もしかしてそれって……」
「うん、その通りだよ」
「ひゃいっ!?」
下を向いて呟く蒼に、樹が顔を覗かせて答えたため、蒼は仰け反りながら間抜けな声を上げた。
状況確認をしてホッとした蒼は、話の続きをする。
「ビックリしたあ……」
「ひゃいっ!?って」
「おい陽葵、笑うな」
「ゴメンて……」
「まぁ、良いけど……それよりさ、樹。その図鑑って、花言葉が載っていたりしたか?」
その蒼の言葉を聞いた樹は、メガネをクイッと上げ、ドヤ顔で腰に手を当てた。
「ふっふっふっ……ご明察っ!各色のバラ、ラベンダー、黄色いユリ、全部に花言葉があったよ」
樹の元に他の三人が近づくと、花毎にページを開いて結果報告を始める。
樹がページを捲った。
一番最初はバラのページ。
「赤いバラは情熱や愛情。黄色いバラは幸福や思いやり、そして嫉妬。青いバラは夢叶う」
樹がページを捲った。
次はラベンダーのページ。
「ラベンダーは幸せや期待、貴方を待っています」
樹がページを捲った。
最後はユリのページ。
「黄色いユリは憎悪、だって」
「「「………………おっふ」」」
ーーー
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘
【探索エリア】
『外』
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料
『一階』
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁(錆なし)
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子(左奥だけ無い)
▶︎豪華な時計(6時45分13秒で止まっている)
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー(7月)
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
○由紀子の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・メイド服
・私服
▶︎二つの写真立て
▶︎黄色いユリの花瓶と黄色いバラの花瓶
▶︎本棚(花図鑑)
・赤いバラは情熱や愛情
・黄色いバラは幸福や思いやり、嫉妬
・青いバラは可能性
・ラベンダーは幸せや期待、貴方を待っています
・黄色いユリは憎悪
○冬華の部屋
『二階』
○奈津子の部屋
○俊夫の部屋
▶︎パソコン
▶︎本棚
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