神とゲームと青春を！～高校生プロゲーマー四人が神様に誘拐されて謎解きする～

第一章：神の暇つぶし

70話ー【殺人事件の謎】花言葉とヒント

「花が関係あるって、どういう風に？」

「それは解らないわ。ただ、花壇にあったボロボロのラベンダーに、この枯れたラベンダー。偶然の産物ではなく、何かしらのヒントだと思わない？」

　テーブルの上に置いてある枯れたラベンダーを、綾華は親指で指した。
　
「というか、そう捉えるのが妥当だと思う。でも、それがどうかしたの？」

「樹はこういうのに疎いわよね……蒼も」

「「ディスられた？！」」

「はぁ、これだから男は……花言葉よ、花言葉…………」

「「「ああ……そんなのあったな」」」

「陽葵もなの！！？？」

　花言葉とは、その花の特徴から付けられた、象徴的な意味を持つ言葉である。
　有名なものだと、四つ葉のクローバーの幸運だろうか。
　四つ葉のクローバーを見つけると幸運が訪れる、などという話は、そこから来ているのだ。
　と、そんな花言葉だが、もちろんラベンダーにも、赤・黄・青のバラにもある。
　しかし、それが何なのかは、今の四人には分からない。

「全く……つまりはそうね、その花言葉が関係すると、私は思うのよ」

「「「その花言葉って？」」」

「その、花言葉は…………」

「「「ゴクリ…………」」」

「分からないわよそんなの」

「「「ズコーーッ」」」

　バンッ、三人は背中から倒れた。
　それはそれは綺麗な倒れ方で、是非とも、全国のツッコミ役には真似をして欲しいものだ。
　そんな古風なギャグに、冬華はクスクスと笑う。

「ぷっ、ふふふ……それ、面白いですね」

「「「うへへへ……」」」

　　口に両手を添えて笑っている冬華に、ズッコケた三人が照れくさそうにした。
　そんな三人を見て呆れた綾華が、強烈な右ストレートを繰り出す。

「別に、三人は褒めてないと思うわよ？」

「「「へへ、へ…………」」」

「だ、大丈夫ですか！？だだだだ大丈夫ですよ！みなさんとっても賑やかで、とっても楽しい人ですから！！」

「はああああ………………」

　分かりやすくしょんぼりする三人。
　そん三人を見て冬華はアタフタするが、綾華はこめかみに手を当てて溜息をついた。

「まあ、ともかくね……今度からは、飾られている花にも注目しましょう、ってことよ。さあ、早く立ちなさい。次に行くわよ」

「「「あいよ！！」」」

「「立ち直るのはや！！？？」」

　ここで得たのは三つ。
　一つ、七月二十七日の新聞紙。
　二つ、枯れたラベンダー。
　三つ、花言葉がヒントである可能性。
　これらが、この事件にどう影響するのかは分からない。
　しかし一つ言えるのは、何かしらのヒントであるということだ。
　この情報を胸に五人は、次のヒントへと歩を進めるのであった。
　
ーーー

【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり

【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺・麗・だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある

【登場人物】
〇西園寺　奈津子（30歳）
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺　俊夫（32歳）
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条　由紀子（38歳）
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条　冬華（18歳）
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘

　
【探索エリア】
　
『外』
　
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ（赤黄青）やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料

『一階』
　
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁（錆なし）
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子（左奥だけ無い）
▶︎豪華な時計（6時45分13秒で止まっている）
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー（7月）
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
○由紀子の部屋
○冬華の部屋

『二階』

○奈津子の部屋
○俊夫の部屋
▶︎パソコン
▶︎本棚