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第一章:神の暇つぶし
59話ー【殺人事件の謎】紅色死斑
しおりを挟む自殺である可能性が高いと四人が考えていた中、女性警官が中毒性というワードを発した。
その言葉を聞いた四人は思い出す。
ニャル様は「殺人事件」と言っていたことを。
その言葉を聞いた四人は直感する。
この事件は思ったよりも複雑なのだということを。
絵に描いた様な自殺現場の写真を見て自殺であると思考していた四人の頭は、完全に他殺の方向へと瞬時に思考を切り替える。
「中毒性……?」
「そうだ。死斑というのは死亡から二・三時間程度で発現するものなのだが、それが今回は紅色だった。そして、その紅色の死斑が示す可能性は二つある」
「一つ目が一酸化炭素中毒と、青酸中毒の可能性。二つ目が凍死の可能性っすね」
「そうだ。そして、今回の場合は凍死はほぼ無いと見て良いだろう。つまり……自殺に見立てた他殺。毒殺である可能性があるのだ」
男性警官が四人に一酸化炭素中毒と青酸中毒の可能性を提示すると、女性警官は頷き何かを思い出しのか男性警官の方を向いて手をブンブンと振る。
「うんうん……って、先輩!私達、早く事件の概要を本部に伝えないとっすよ!!」
「あ、そう言えばそうだったな……すまないね、君達。話はここまでだ。君達が事件を解決することを、心から祈ってると共に楽しみにしてるよ」
「「「「はい!!」」」」
「うんうん。いい返事っすね!そうだ!この写真、コピーがあるので探偵さん達にあげるっす!!」
「「「「ありがとうございます!!」」」」
樹が写真を女性警官から受け取ると、四人は二人の警官に感謝して頭を下げた。
その四人の姿に微笑んだ二人の警官は、四人に敬礼をすると歩きだす。
しかし、歩きだした警官二人が少し離れた所でピタリと止まると、クルリと回っては四人に振り向いた。
「あ………そういえば自己紹介してなかったっすね!私の名前はシュブ=ニグラスっす!!んで、こっちが先輩兼夫のヨグソトースっす!!んじゃ、ニャルの暇つぶし頑張ってくださいっす!」
「「「「え……?」」」」
「そうだな……君達!煩いニャルと、バカ息子のハスターの世話を宜しく頼むよ!!」
ハス様が。
バカ、むす……こ?……………………?
「「「「えええええ!!!???」」」」
「それじゃあ帰ろーか、シュブ……」
夫婦の警官二人が手を繋いで歩くと、どこかへと消えていった。
そんな二人を見守った四人は驚愕の事実を胸に、玄関のドアノブを手で握る。
「よし……それじゃあ行くぞ!」
「「「おーーー!!!」」」
―――
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
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