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第一章:神の暇つぶし
40話ー勝敗に向けて
しおりを挟む三人の今の持ち点は、蒼が二十六点、樹が四十一点でチップリーダー、ニャル様が二十三点で最下位。
そして……遂に、長いようで短いブラックジャックのゲームは女子組が合流したことで、次の、蒼がディーラーのラウンドで終了となり、三人の戦いに決着が着くのだ。
そんな中、単純にゲームに勝っていて嬉しい樹は綾華に抱きつき、抱きつかれた綾華は顔を真っ赤にして脳をショートさせ、ニャル様は悔しそうに爪を噛み、蒼はこの状況下でどう勝とうかと心を踊らせていた。
「(今のカウントはマイナスの二で、ディーラー有利な展開だし……そして何より、ニャル様は樹に勝つために全ツッパするだろう。と、なると……それは樹も分かっているだろうから、八枚あたりで賭けてくる筈だ。ならば、確率の高いここで上振れを引けば……)俺の勝ちだ」
顎に手を当てて熟考した蒼は勝ちを諦めておらず、何なら自分の勝ちとすら考えていた。
「樹、デッキくれ」
「ん?うん。はい、これ」
泡を吐いて気絶している綾華にスリスリしていた樹からデッキを受け取ると、蒼は全員分の使ったカードを横に払うと、プレイヤーであるニャル様と樹に賭けを促す。
「プレイスユアベット。チキンじゃなけりゃ賭けて来な」
「ほー……神であるボクに言ってくれるじゃないの?もちろんオールインさ」
「僕ももちろん勝ちに行くよ、六枚ベット。まぁ、蒼が煽って来たって事は、何かありそうではあるけど……」
蒼の煽りによって勝利への賭けを促されたプレイヤーのニャル様は、先程までの悔しそうな表情とは一変し、メラメラとした闘志が宿った目でチップを賭け……樹も内なる闘志を燃やしながら、冷静にチップを賭けた。
そして蒼は、そんな樹の真剣な声で覚醒した綾華と、真面目な顔の蒼を微笑んで見ている陽葵にも含めて、自分の思いを……いや、皆の思いを吐露する。
「良いじゃないの、流石はゲーマーだ……勝ちを諦めてなければ、負けの可能性を消しに来た。…………ゲームが遊びだぁ?楽しんでこそゲーム?何甘いこと言ってんだ、ゲームは勝ってこそ面白い!やるからには全力だ!そうだろお前らっ!!!」
「ボクたちに何を言うのかと思ったら……」
「そんなことを……」
「ねぇ?」
「僕たちのこと、蒼が一番知ってるくせに」
「「「「当然でしょ」」」」
―――
♣️2❌ ♣️3 ♣️4 ♣️5 ❌ ♣️6
♣️7 ♣️8 ♣️9
♣️10❌ ♣️J ♣️Q ♣️K ♣️A❌
♦️2 ♦️3 ♦️4 ♦️5 ♦️6
♦️7 ♦️8 ♦️9 ❌
♦️10 ♦️J ♦️Q❌ ♦️K ♦️A❌
♥️2 ♥️3 ♥️4❌ ♥️5 ♥️6 ❌
♥️7❌ ♥️8 ♥️9
♥️10❌ ♥️J ♥️Q ♥️K ♥️A❌
♠️2 ♠️3 ♠️4 ♠️5 ♠️6❌
♠️7 ♠️8 ♠️9 ❌
♠️10 ♠️J ♠️Q ♠️K ♠️A❌
※すみません。ガタツキが出てしまいました……
【ブラックジャック】
※wiki等サイトからの引用、参照あり
〇ブラックジャックとは?
ブラックジャック:別名21は、ディーラー(ゲームの進行役)との駆け引きを楽しむ対戦型ゲームであり、シンプルながらも奥が深いゲーム性が人気なカードゲーム。
〇基本ルール
プレイヤーはディーラーよりもカードの合計が21点に近ければ勝利で、賭け金毎に勝利した分の配当を得ることができる。
ただしプレイヤーの「カードの合計が21点」を超えると、その時点で負けて賭けたチップを全部失う。
〇カードの数え方
2……9までの数字はそのまま点数となり、10と絵札の(J:ジャック、Q:クイーン、K:キング)は10点で、A:エースは1点か11点の好きな方を選べる。
〇特別な役
最初に配られた2枚のカードがAと絵札……合計21点が完成していた場合を『ブラックジャック』といい、その時点でプレイヤーの勝ちで、配当は3 to 2の1.5倍。
但し、ディーラー側もブラックジャックだった場合は引き分けとなる。
〇簡単なゲームの流れ
①ゲームスタート。
②チップを賭ける。
③賭け終了。
④ディーラーがカードを2枚ずつ配る(ディーラーのは1枚目を表に、2枚目を裏向きに)。
⑤ディーラーがプレイヤーに対して順番に、カードを追加するか聞く。
何枚でもヒットできるが、21を超えると失格する。
要らなければ手を横に振って、要らないことを示す。
⑥ プレイヤー全員が選択を終えた後、最後にディーラーがカードをめくり、17点以上になるまでカードを引き続けて勝負となる。但し、ディーラーが21点以上になった場合はディーラーの負けとなり、バストせずに残っているプレイヤー全員の勝利。
⑦ ディーラーよりも21点に近いプレイヤーは勝ち、賭け金と同額の配当を得ることができる(つまりは2倍になって返ってくる)。逆にディーラーよりも21点に遠いプレイヤーは負けとなり、賭け金は没収されます。同点の場合は引き分けとなり、賭け金が返ってくる。
【特殊ルール】
〇ダブリングダウン(ダブル)
▶︎ チップを元々の賭け金と同額まで上乗せ(最大に2倍に)して賭けることが出来る。ただしカードは1枚しか引けない。
〇スプリッティングペアー(スプリット)
▶︎ 最初の二枚のカードが同数なら、オリジナルベットと同額の賭け金を追加することで、二手に分けて勝負することが出来まる。ただしAのスプリットのときは、追加カードは一枚のみ。スプリットをした後にもスプリットをすることができ、そのことをスプリットアフタースプリットと言う。
〇インシュアランス
▶︎ディーラーの見せ札がAの時、ディーラーのブラックジャック(初手21)に対して、オリジナルべットの最大半分まで保険をかけることが出来る。ディーラーがブラックジャックだった場合は、オリジナルべットを失って保険金の2倍の配当を得る……つまり-1+0.5×2=0のプラスマイナス0になる。また、ディーラーがブラックジャック以外だった場合は保険金を失い、オリジナルべットで続行出来る。
〇イーブンマネー
▶︎プレイヤーがブラックジャックで、ディーラーのアップカードがAだった場合、プレイヤーはディーラーの二枚目のカードを確認せずに1倍の配当を得る。ちなみに、互いがブラックジャックだった場合は配当がなく、相手がブラックジャックじゃなかった場合は配当が1.5倍になる。
〇サレンダー
▶︎降参すること。始めの2枚のカードが配られた時点で、賭け金の半額を放棄し、残りの半額だけを返してもらい勝負を降りることができます。
【カウンティング】
〇ランニングカウンティング(蒼がやってるやつ)
23456の低い数を➕1
789の中間を➕0
A10JQKの高い数を➖1
として出た数字を数え、累積させるカウント方法。
➖が多い程低い数が出やすくなっている為、十七になるまで引かなければならないディーラーが、21を超えないように小刻みに数字を引きしやすいので有利。
※蒼は忘れないように、重ねたチップの数でカウントを記録していた。
〇トゥルーカウンティング(今回は使わない)
カジノでよく使われるカウント方法。
基本カジノではランニングカウンティングの対策として、複数のデッキ(トランプカードのジョーカーを抜いた52枚のセットを1デッキという)を使う。
そのため、使われているカードのデッキ数をランニングカウントで割った本当のカウントをトゥルーカウントと言うのだ。
式)ランニングカウント➗デッキ数(残っているトランプカード➗52)=トゥルーカウント
※ただ、これらのカウントをしていることがバレると、カジノを出禁にされます。その位に強いです。そして、最近では機械でシャッフルするカジノもあるため、トゥルーカウントが出来ないところもあります。
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