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第一章:神の暇つぶし
23話ー報酬
しおりを挟む蒼がカレンダーの一月一日に印を付けると、辺りは光に包まれ、気がつくと最初に来た部屋へと来ていた。
「よっしゃあ!解いてやったぜ!!」
「ゲームでしか味わえないことを、現実で出来るの凄ご過ぎ」
「結構楽しかったわね」
「そうだね。結構深読みしたり、何回も躓いたり……でもさ、これって僕たち四人だから突破でしたよね」
「そうね。四人だから突破できたわ」
「俺もそう思う!」
「あたしもー!」
『ボクもー!』
「「「「っ!?」」」」
謎を解けた達成感や、非日常的な経験、そこそこ本格的な謎解きゲームを楽しんだ疲労感……それらが合わさった何とも言えないこの気持ちに四人が浸っていると、どこからか聞き覚えるのある中性の可愛らしい声が聞こえてきたかと思えば、その声の主は四人の前に現れた。
「第一の謎のクリアおめでとう!やっぱり謎解きゲームって、見てる方も楽しいからサイコーだよねぇ!」
「同感、ゲームは見てても楽しい。でもやっぱり、自分でやるのが一番楽しいかな?」
「にゃははは!それは間違いないね。ところでさ、君たち疲れてないかい?綾華ちゃんとか寝ちゃってたでしょ?」
「僕は……んー、ちょっと疲れたかも?」
「私も少し寝ちゃってたとは言え、疲れてるわね」
「俺は腹が減ったな……」
「あたしも腹減った……」
「OK!!じゃあ、ボクから君たちに、謎を解いたプレゼントを上げよう!!」
「「「「うぉー!!!」」」」
ニャル様が指をパチンッ!と鳴らすと、四人の腕に少し大きめの腕時計が装着された。
「腕、時計……?」
「そう!腕時計さ!でも、ただの腕時計じゃないよ?なななんと!?その腕時計の横に付いてるボタンを押すと、君たちだけの秘密基地に瞬間移動できるのさ!!」
「「「「………………えぇっっ!!??」」」」
「にゃははははは!その反応が見たかった!ただの腕時計に見えて、実は秘密基地へのテレポート用の道具。これはロマンだよ!!」
ニャル様から貰ったプレゼントの腕時計は、なんと秘密基地への鍵だったのだ。
それは、小さい頃にこんなのがあったら良いなぁ……と思いを馳せた夢の道具そのもの。
それが手に入っただけで、よく分からない所に連れ去られて来たのも、目が焼けるように熱くて痛かったのも、よく分からない奴の暇つぶしに付き合わさせられたのも、許せてしまうレベルだ。
「俺、俺……ニャル様にここに誘拐されたの、これで全然許せるよぉ…………」
「あたしも、目が超痛かったのも少しだけ許せた……」
「僕も、自分勝手な暇つぶしに付き合わされたの許せるよぉ……」
「私は絶対に許さないけど、これが本当なら、このロマンは最高と言わざるを得ないわ……」
「ぐはぁっ!!き、君たち……結構根に持つね。コホン。それじゃあ、早速そのボタン押してみてよ」
ニャル様に言われた通りに四人がボタンを押すと、知らない部屋……いや、基地にいた。
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