神とゲームと青春を!~高校生プロゲーマー四人が神様に誘拐されて謎解きする~

初心なグミ

文字の大きさ
上 下
6 / 98
第一章:神の暇つぶし

5話ー暇つぶしって何だ?

しおりを挟む

「いや、は?どういうこと?暇つぶしって?」

「いやさぁ……ボク神なんだけど、神って超暇なんだよね。数億年間ずっと、食っては寝て食っては寝ての繰り返しって感じ……」

「それで?私たちは痛い思いをさせられた上で、あなたの暇つぶしに付き合わされる。そういう事かしら?」

「ぐぬぬぬ……アレに関してはホントにゴメン!あーなると思わなかったんだよぉ……ちゃんとお詫びするから許しておくれぇ……」

 神に対してすら嫌味を言う綾華と、人間にすら謝る神。
 この構造はあまりに稀有で、この世界、この宇宙の何処を探してもいやしない。
 しかし、それも当然だろう。
 あの焼けるような痛みは、そう忘れられやしないのだから。

「「「「許さねぇよ!?」」」」

「ヒンッ?!」

 許せないのはそうだが、それと同じ位どんな暇つぶしをするとか気になるところである。

「そういえば、暇つぶしって何するんだ……ですか?」

 いくら身勝手に人を巻き込み傷つけたとて、相手はゲーム世界の自分達を摩訶不思議な力、それこそ神業とも思える力で呼び寄せたのだ。
 そんな相手が神を自称するのならそうであるのだと、神の美貌も含めて思考することをやめた。
 ならば敬意を表すのが礼儀というものであり、そうしなければならないのだと本能が呼びかけた、が……。

「あぁ、言葉遣いはいつも通りで良いよ?そっちのがボクもやりやすいからね」

「そ、そっか……分かった、そうする」

「まぁ、そんなことよりもだ!キミたちにやってもらう!ボクの暇つぶしは!」

「「「「……ごくり」」」」

「ゲームだぁっ!!!!!!」

「「「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」」」

 四人はどうやらゲームをさせられるらしい。
 ことゲームが好きな蒼達だが、その中で一人だけ、樹が手で頭を抑えガタガタと震えていた。
 
「いや、待て。もしかして……ゲゲゲゲゲ、ゲームってデスゲームじゃ!!??」

 慌てているのは樹だった。
 神という規格外の存在であり、尚且つ暇つぶしという意味不明な理由であり、ゲームというありがちな舞台。
 ここからデスゲームなのだと思ったのだろう。
 実際、この言葉を聴いた四人の顔は恐怖と不安の色に塗りつぶされていた。

「にゃーーはっはっはっはっ!デスゲームだって!?笑わせないでくれよ?そんなもんはこれっぽっちだって楽しくないさ!」

「そっかぁ……デスゲームじゃないのか、良かったよぉ」

 どうやらデスゲームは神的に面白くないらしい。
 この四人で殺し合えぇ!とか、他の神が選んだメンバーと殺し合えぇ!!というのは無いようだ。
 先程まで不安と恐怖に満ちていた表情は戻り、いつも通りの表情に戻っていた。

「良いかい?ボクがキミたちを選んだのは、ゲームが上手くて、何よりゲームを楽しんでるからだよ?そんなキミたちが殺しあってるのを観て、何が楽しいんだ?そんなんやるんだったら、キミたちとゲーム配信者になるよ!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...