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第一章:神の暇つぶし
5話ー暇つぶしって何だ?
しおりを挟む「いや、は?どういうこと?暇つぶしって?」
「いやさぁ……ボク神なんだけど、神って超暇なんだよね。数億年間ずっと、食っては寝て食っては寝ての繰り返しって感じ……」
「それで?私たちは痛い思いをさせられた上で、あなたの暇つぶしに付き合わされる。そういう事かしら?」
「ぐぬぬぬ……アレに関してはホントにゴメン!あーなると思わなかったんだよぉ……ちゃんとお詫びするから許しておくれぇ……」
神に対してすら嫌味を言う綾華と、人間にすら謝る神。
この構造はあまりに稀有で、この世界、この宇宙の何処を探してもいやしない。
しかし、それも当然だろう。
あの焼けるような痛みは、そう忘れられやしないのだから。
「「「「許さねぇよ!?」」」」
「ヒンッ?!」
許せないのはそうだが、それと同じ位どんな暇つぶしをするとか気になるところである。
「そういえば、暇つぶしって何するんだ……ですか?」
いくら身勝手に人を巻き込み傷つけたとて、相手はゲーム世界の自分達を摩訶不思議な力、それこそ神業とも思える力で呼び寄せたのだ。
そんな相手が神を自称するのならそうであるのだと、神の美貌も含めて思考することをやめた。
ならば敬意を表すのが礼儀というものであり、そうしなければならないのだと本能が呼びかけた、が……。
「あぁ、言葉遣いはいつも通りで良いよ?そっちのがボクもやりやすいからね」
「そ、そっか……分かった、そうする」
「まぁ、そんなことよりもだ!キミたちにやってもらう!ボクの暇つぶしは!」
「「「「……ごくり」」」」
「ゲームだぁっ!!!!!!」
「「「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」」」
四人はどうやらゲームをさせられるらしい。
ことゲームが好きな蒼達だが、その中で一人だけ、樹が手で頭を抑えガタガタと震えていた。
「いや、待て。もしかして……ゲゲゲゲゲ、ゲームってデスゲームじゃ!!??」
慌てているのは樹だった。
神という規格外の存在であり、尚且つ暇つぶしという意味不明な理由であり、ゲームというありがちな舞台。
ここからデスゲームなのだと思ったのだろう。
実際、この言葉を聴いた四人の顔は恐怖と不安の色に塗りつぶされていた。
「にゃーーはっはっはっはっ!デスゲームだって!?笑わせないでくれよ?そんなもんはこれっぽっちだって楽しくないさ!」
「そっかぁ……デスゲームじゃないのか、良かったよぉ」
どうやらデスゲームは神的に面白くないらしい。
この四人で殺し合えぇ!とか、他の神が選んだメンバーと殺し合えぇ!!というのは無いようだ。
先程まで不安と恐怖に満ちていた表情は戻り、いつも通りの表情に戻っていた。
「良いかい?ボクがキミたちを選んだのは、ゲームが上手くて、何よりゲームを楽しんでるからだよ?そんなキミたちが殺しあってるのを観て、何が楽しいんだ?そんなんやるんだったら、キミたちとゲーム配信者になるよ!!」
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