上 下
1 / 1

キミの心に寄り添いたくて

しおりを挟む

「辛かったね。大丈夫、ボクがそばに居るよ」
 
 キミの心に寄り添いたくてさ
 ボクがキミを優しく抱きしめても
 キミは痛そうな表情のままで
 ボクの心まで壊れそうでした。

 辛そうなキミを見ていられなくて
 自分勝手にキミを傷つけていたのはボクでした。
 
 
「苦しかったね。大丈夫、ボクが横にいるよ」

 キミの過去に寄り添いたくてさ
 ボクがキミの隣で微笑んでも
 キミは切なそうな表情のままで
 ボクの過去まで色褪せそうでした。

 苦しそうなキミを見ていられなくて
 自分勝手にキミを傷つけていたのはボクでした。


 あの頃のキミは無邪気に笑っていたのに
 今のキミは微かにすら笑わなくなって。
 あの頃のキミは安気に昼寝をしていたのに
 今のキミは寝ることに恐怖するようになって。

 大好きなキミを安心させたいのに
 ボクじゃキミの心の傷を埋められませんでした。

 空は蒼くて晴れやかなのに
 キミの心には雨が降っていて
 心が冷えきっているよね
 キミの傘になれなくてゴメンね。


 何時しかキミは狭い世界に引き篭るようになって
 愛しいキミの声すら聞くことが出来なくなった。
 
 キミとボクの二人の世界は崩れ落ちそうで
 でもボクよりキミのが苦しいから
 ボクね、なんだって頑張れるよ。

 久しぶりに部屋から出て来た
 キミの身体は痣だらけでボロボロで
 虚ろな瞳でボクを見詰めては
 子どもみたいに泣きじゃくったよね。

 そんなキミを抱き締めて
 苦しくないボクまで泣いちゃったよ。

 キミは心優しい人だから
 他人の苦しみまで背負っちゃって
 泣くことすら出来なくて溜め込んじゃったよね。
 
 キミは心が弱い人だから
 自分の苦しみを他人にぶつけられなくて
 自分を傷つけて自分の存在を確かめちゃったよね。

 心の傷は一生治らないから
 キミが苦しい時はボクにも分けてね
 キミの苦しみならボクね、何だって受け入れるから。

「生きてくれて、ありがとう……もう離さないから。」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【ショートショート】雨のおはなし

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

イケメンにフラれた部下の女の子を堪能する上司の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

くすぐり奴隷への道 FroM/ForMore

レゲーパンチ
現代文学
 この作品は、とある18禁Web小説を参考にして作られたものです。本作品においては性的描写を極力控えた全年齢仕様にしているつもりですが、もしも不愉快に思われる描写があったのであれば、遠慮無く申し付け下さい。  そして本作品は『くすぐりプレイ』を疑似的に体験し『くすぐりプレイとはいったいどのようなものなのか』というコンセプトの元で作られております。  インターネット黎明期の時代から、今に至るまで。  この道を歩き続けた、全ての方々に敬意を込めて。  それでは、束の間の短い間ですが。  よろしくお願いいたします、あなた様。  追伸:身勝手ながらも「第7回ライト文芸大賞」というものに登録させていただきました。

雌犬、女子高生になる

フルーツパフェ
大衆娯楽
最近は犬が人間になるアニメが流行りの様子。 流行に乗って元は犬だった女子高生美少女達の日常を描く

処理中です...