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第一幕 プロローグ
第二曲 ブリドリ……?
しおりを挟むブリドリ……なんだそれ?
理津美に聞くことによると、ブリドリは『A Brief Dream To You』と言うバンド名の略称らしい。
理津美のクラスメイトで、中学生の頃からバンドを組んでいるとのことだ。いくら聞いても頭に?マークが10コくらい浮かんでピンとこない。
そんな僕を見て玲子はイライラしている。
「翔ちゃん?! ブリドリ知らないの? 信じられない! 中学の時に芸能事務所からスカウトされたって噂だよ?! ライブのチケットすぐに売り切れちゃう大人気バンドだよ?!」
「うるせえな! 知らないもんは知らないんだよ!」
怒る僕を見て理津美も呆れる。
「翔ちゃん音楽とか芸能人って全く興味ないもんね~。兎に角、放課後、格技場でライブやるから現地集合ね! 私、先に行って席取ってるから! 直ちゃんも付き合って!」
「ほ~い」
直美が元気よく手を挙げる。
格技場って、体育の授業で柔道をやるあそこか? ウチの学校は柔道が必修で畳を敷き詰めた格技場がある。人気バンドなら観客も大勢押し寄せるだろうと思うが、狭くないか?
「なんで格技場? そんな人気のあるバンドだったら、体育館の方が広いし観客も沢山入るだろ?」
「う~ん……何でかはわからないけれど彼ら畳が好きで拘りがあるらしいんだよね。じゃあ授業が始まるから後でね!」
理津美は、僕からの素朴な疑問に対して曖昧に答えて去って行った。まあ、深い意味は無いってことか。
玲子と直美はブリドリのライブに行けると言うことで素直に喜んでいる。
「うわあ~ブリドリのライブかあ……芸能事務所からスカウトされた時、『学生の本分は勉強ですから』って断ったみたい。今のうちにサインとか貰っておこうかなあ。早く放課後にならないかなあ……」
「そうだね~玲ちゃん。りっちゃんと友達で良かったね。」
「うん! 直ちゃんありがとう!!」
特進クラスの理津美と同じ中学出身で仲良しだった直美。直美と玲子は高校に入ってから友達になった。玲子と僕は小学校からの腐れ縁。直美が居なければ特進クラスの人間と繋がることなんて無かっただろうな。
しかし玲子と直美が仲良しになるって、何か不思議だな。「熱血の玲子」と「天然の直美」。性格は真逆と言っていいと思う。そこが返って良かったのかな。こんなこと玲子に言ったら真っ赤な顔で怒り狂いそうだけど。
ちなみに理津美は理論派。学年主席。いつでも冷静沈着。勝手なイメージだけど特進クラスなことだけはある。
あーあ。今日はバイト休みだから早く帰ってゲーセン行きたかったのにな。
ブリドリ……一体どんなバンドなのだろう?
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