上 下
60 / 66

59:村でゴブリンと戦闘!

しおりを挟む
 そう思った瞬間、村の中から爆発音と悲鳴が聞こえてきたのであった。

-☆-☆-

 そうこうしていると、最初の閃光と共に森の中が明るくなり、少し遅れて全体を軽く揺らすような衝撃波を感じた。
《ドッガァァァン!ドドドドドォォォン・・・》
『ギャピィィィィ!?』
『グギャギャギャ、ゴォォギャ!』
 最初の爆発音に次々と爆発音が鳴り響き、それと共に村の中は慌しくなり始めた。

 実は、聖狼セイントウルフのフェルくんは、ヒビキを森に連れ込んで手ごろな枝に引っ掛けた後に、すぐに村の裏側に移動して行動を起していたのである。

 それに水竜アクアドラゴンのシーちゃんも一旦は水路の死角に隠れ、自分に乗せていた小動物をおろし水路を潜水して村の中に入って行ったのである。それにどうも亀吉も付いていったのであった。

 それで村の中で、聖狼セイントウルフのフェルくんと水竜アクアドラゴンのシーちゃん、それと亀吉が大暴れ出したのであった。もちろんその中で他の大きく攻撃力のある動物達も暴れ回っているのである。

《ヒュゥゥン・・・ドゴォォォン!》
『ギャ、ギャァァーー!?』

《バリバリッ、ドゴォォォン!》
『グギャァァ!』
『グビャァァァッ!?』
 村の中からは、なんともいえない悲鳴と爆発音が聞えて来るのであった。

「なっ、なんだ!・・・宙にゴブリンが・・・吹き飛んでる?どうなってんだ!」
 そのヒビキが見た光景は、爆風で宙に吹き飛んでいるゴブリンだけでなく、水柱と共に宙に上がるゴブリンや氷の弾丸に貫かれ吹き飛んでるゴブリン、止めには炎の柱と共にコゲコゲのゴブリン等の普通じゃ考えられない事が起きていた。
 
 小動物達もキョトンとした表情で、ヒビキと同じ光景を見ている。
「おいおい、マジですか!みんな何を・・・いや、そんな事より、入り口にいる奴と出てきた奴らを倒そう」

 ヒビキは、錆びた剣を取り出して、まず、入口で慌てふためくゴブリンに切り掛った。
『ぐぎゃ!』
 まず、1匹目のゴブリンは、不意をついたので短い断末魔をあげその場に崩れ落ちた。

『ギャギャゴ!グワッグワッ・・・』
 それで横で仲間がやられた事に気付き、怒っている様にも見えるが、なんと言っているかは、はっきり言って解らない。ただ、怒っている事は何となく解った。

 そのゴブリンは喚きながら、持っていたボロボロの槍で攻撃してきた。ただし俺がすぐ側にいるのでその槍での攻撃は有効打ではない。
 攻撃してきた槍の柄を空いている片手で掴み、もう片方の剣を持っている方の手でゴブリンに攻撃した。
 
 すると『グベッ!』と短い断末魔をあげ先程奴と同じ様にその場で崩れ落ちた。そのまま最終的には、灰となって角らしいモノといつものように小さな丸い紫色のガラス玉が地面に残っていた。
「おりょ、これは?こっちはいつもの奴だけど・・・こっちの角は?まあ、いいやこれも取っておこう」

 ただ水路で動物達がゴブリンを倒した時は、気が付かなかったが、ゴブリンは消滅する時はどうやら紫のガラス玉の他に、角も落としているようだった。
 それで今のところ、この入口から出てくるゴブリンはおらず、村の中では激しい戦いが・・・多分繰り広げられているはず。
「やっぱり、ゴブリンの姿は見えるけど、その他は黒い霧で全く解らん・・・。う~ん、参った」

 現状ヒビキは、村の入口の柱の影より、村の中を除いてみたがやはりいつもの様に、黒い霧の瘴気で中の様子は殆ど解らない。ただ、今迄と違う事は、ゴブリンである魔物に関しては、よく解る様になってるが・・・それ以外は変わらない。

 それで村の中で逃げ惑って慌てて、1匹のゴブリンが転びそうになりながら、村の入口から出て来たので先程ゴブリンから奪った槍で攻撃を仕掛けた。
 やはり何もない場所から突然槍が出てきたのには、気付かずゴブリンはその槍の餌食になり、灰となって消滅した。
「おおっ、見事に串刺しになって消滅した。しかし、よっぽど怖い思いしてるのか、物凄い慌てようだったな」

 どうやらフェルくん達の攻撃で、驚き慌てて反撃しようとしてるけど、勝てないと思い慌てて逃げてきた為に、相当混乱しているようである。
 今のところヒビキが入口で最初に2匹倒し、出てきた1匹のゴブリンを一瞬のウチに殲滅すると、その後に続いて出てこようとしていた何匹かが、たじろぎ後退しようとしたところに、横から炎の様な弾丸がそのゴブリン達を一掃して倒した。

「えっ、どこから炎の玉が?・・・・!?」
 その火の弾丸が飛んで来た方向を見てみると、見たこのがないデカイ甲羅の亀、その甲羅は緑色の綺麗な水晶でキラキラ光っている。
 しかもその大きさはそらく俺の倍以上あり、シーちゃんやフェルくんと同じ大きさと言える亀が、ゴブリン共をを次々と炎の様な弾丸を当て倒している。

 それでその緑色の綺麗な甲羅の亀が俺に気が付き、近付いて来たのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

処理中です...