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58 村の前まで来て・・・。

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 そして、ある程度進んで行き、目的の村の場所にたどり着いたのであった。

-☆-☆-

 だが、ここでまた緑の小鬼、ゴブリンが村の入口に鎮座していたのであった。
「参ったな・・・。なんでまた村の入口に?しかも黒い霧で村の中が解らん・・・どないしよう」

 村の周りにある柵は、スカスカなので中を確認する事が出来るのだが、村の中心付近からいつもの黒い霧が発生して周囲が見えなくなっている。現状ヒビキが見えるのは、村の入口に付近にいるゴブリン2体と、その近くにいる3体は解るのだが、それ以外は全く解らない状態だった。

「う~ん、まずはどうしようかな。相手の数が解らないし・・・てっ、なんでこんなとこに魔物がいるんだよ・・・」
 まあ、こんなとこで愚痴ってもしょうがないが、とりあえず相手が何匹いるかだよな。見えるだけで5体は解るけど、多分まだいるだろうな、鳴き声みたいなのが聞えるから・・・。

 村の入口付近の状態を見ている場所は、実はまだ森の中で・・・その場所から村の入口を見ているのである。

 実は村らしい場所を発見したので、急いでその村の方に森の中の獣道から出て行こうとしたら、フェルくんが突然俺の進路を塞ぎ、襟を突然銜えて森の中に引きずり戻したのであった。
「うえっ、なに、なになに、フェルくんどうし・・・突然?」
『グルッ、グウガウ・・・』(ヒビキ様、お静かに敵がいます・・・)
 俺の襟首を銜えたまま、器用にも鳴き声を掛けてきた。まあ、最近は何となくフェルくんが言いたい事は解るようになってきた。それに何故かシーちゃんの方は何を言っているのか完全に解るようになっていた。

 それで恐らく静にしろって言っているのだろうから、大人しくされるがまま、森の中まで連れ戻された。

 それは、何故かなと思ったら、どうやら村の入口付近にに変なというより怪しい人影が見えたらしい。それをいち早く見つけたシーちゃんがフェルくんに念話で伝え、フェルくんが慌てて俺を引きずり戻したらしいのである。
 その後で、その事をシーちゃんが念話で俺にも教えてくれたのである。

 それで今もその説明と詳しい内容を教えてくれている。
『・・・ヒビキ、だから気を付けてそれに、ここからだと良く解るけど、多分相手はさっきの奴と同じだから・・・・』
 何故か水路を進んでたシーちゃん達がいち早く気付いたかと言うと、実はシーちゃんの説明では水路からはその村の入口付近が良く見えているらしい。それでおそらく見張りをしているのは、先程のゴブリンと同じようだが、そいつは何故かばれない様に立ったまま、居眠りをしているらしいのである。

 最初フェルくんに銜えられた時、ホントになにが起きたか解らなかった。それでシーちゃんから説明を聞いたのに、それでもフェルくんは俺を銜えたまま、何故かなかなか離してくれなかったのである。そんなに厳重にされなくてもいう事聞くのに何でか解らなかった。
 しょうがなくその状態のまま、大人しく村の入口付近の様子をずっと確認していた。

 しかし、村と言っても、周囲に木で出来た柵があり、かなり広い感じの村であるが、現状やはり中が見えない状態になっているので、どんな感じの村かよく解らない。ただ、感じ的には結構立派な気がするが・・・まあ、現状俺には解らないのであった。

 何故なら瘴気を出す石碑が、村の中にあるのは間違いないのだが、村の中がまったく見えないので、どこに何があるかさっぱりだった。ただし、現状は村の中に入っている水路は立派なのと、よく見ると柵の周りにも水路が掘られているのであったし、村の入口もよく見るとかなり立派な事だけはよく解った。
 その他は現状黒い霧でさっぱり解らないのである。

 それで、この状態は俺に関しては、最悪な状態であり、俺は行動出来ないのであった。出来る事ならこう言う場合は、特に瘴気が見えない方がいいなと考えたが、今迄どうしようも出来なかったので、仕方が無いと思っていると・・・良く観察しているとゴブリン達の姿と言うよりその場所が何故か感じられる様になっていて、村の中にいるゴブリンの様子が解る様になっていたのであった。

「あれ?ん・・・なんで、あんなに瘴気が漂ってるのに、今迄と違ってあの村の中の様子がよく解るというより、なんか感じるぞ?」
 まあ、この時点では良く解らなかったが、どうしようかと考えてるウチに柵の中、正確には村の中が慌しくなってきたのであった。

 それに伴い何故か今だに黒い霧で見難くではあるが、その魔物の位置が解る様になっていた。ただ、どうしても建物の場所や、その周りにある物はやはり見えないのである。
「う~ん、相手が見える・・・というより感じ取れる様になったのはいいのだが、やはり・・・その他が解らん?しかし、どうしたんだ?なんか、騒がしくなって・・・えっ、あれっ、ファルくん達がいない?」
 俺の周りには、いつの間にか小動物で、その中でも比較的小さい奴らしかいなかったのである。それにフェルくんから襟首を銜えられていたのに、いつの間にか木の枝に襟の部分を引っ掛けられていたのである。

「何気にフェルくん酷くない・・・」
 まあ、そんな事を愚痴っても仕方ないので、とりあえず木の枝から引っ掛かった部分を外して、周囲を確認してみた。

 するとシーちゃんの姿も、先程まで水路の死角にいたはずなのに、その姿も見えないのであった。
「えっ、シーちゃんもいない・・・まっ、まさか!」

 そう思った瞬間、村の中から爆発音と悲鳴が聞こえてきたのであった。
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