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52:食料の危機?

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 それで今回は新たに習得した離れた場所からでも浄化できる力を使えば、まだ先に進めるが余り無理をする訳には行かないので、今日の移動はここまでにして周囲を浄化して、川のほとりの少し広い砂地で一夜を明かす事にしたのであった。

-☆-☆-

 まずは、明るいうちに森の中に入り周囲に落ちていた枯木と落ち葉を拾って来て、それを使って火を起し食事にする事にした。
 落ち葉や枯木は流石に森の中にいっぱいあるのだが、食べれるモノは・・・はっきり言って何もなかった。
「ううん・・・やっぱり食えそうな物はないか・・・。やっぱり食べれるのは、あれだけか・・・」

 実際、今のところ食べれる物と言っても洞窟から持ってきたキノコぐらいしかないが、とりあえずそのキノコを俺は焼いて食べる事にしたのである。もちろん亀吉は生で食べていたが、シーちゃんとファルくんは俺と同じように焼いたのを食べた。

 その後は、朝までぐっすりと、ファルくんのフサフサ、モフモフの中で眠らして貰ったのである。もちろんその横にはシーちゃんもいるし、亀吉は何故か俺の頭の上で寝ている。
 卵に関しては絶賛俺の抱き枕状態である。抱きかかえて思ったのだが暖かかった・・・間違いなく卵は生きているのである。まあ、何の卵かは解らないが大切にしておこうと思う。

 それから、そのままぐっすりと寝たのであった。

 しか~し、次の日の出発してからある事に気付いたのである。それは・・・あきらかに食料が足りなくなっているという事なのである。
 確かに洞窟を出る時は、念の為に大量のキノコと水袋に水をいっぱいにしてきた。まあ水の方は、はっきりいって問題ない。
 だって目の前の川に大量に流れているから、いざとなったらその水を飲めばいいのである。まあ、多分大丈夫だと思う。だってシーちゃんはもちろんの事フェルくんも、その水を飲んでいるからである。ただ・・・どうしても、食料が持たない様な気がしてきたのである。
「どうしよう。このままじゃ、食料が・・・」

 なぜならば今迄は俺と亀吉だけでも、余裕で10日以上は持つと思っていた。何せ数だけで50本近くのキノコを取って来ていたからである。
 洞窟内ではキノコは相当な数が生えていたし、前日に抜いた場所にも新たにキノコが生えていた。その分も抜いてきた。
 どうやらあの場所はこのキノコが生えるのに最適な場所で、キノコ自体もすぐに繁殖できる空間のようであった。

 それで全部抜いても、その場所からすぐに生えてくるので、生えていたキノコを全て引き抜いてきたのだけれど・・・残念ながら既に10本を残して全部食べられてしまっていた。
 しかし、それは俺達が食べた訳では無いのである。流石に一日いや半日でそんな数は食べきれない。よく食べる亀吉でも俺と行動をしだして洞窟で食べる以外は精々1本から2本だ。それにシーちゃんとファルくんもそれぞれ2本程だった。
 なのにいっきに、ここまで無くなったのは、ある事実・・・まあ、俺の責任ではあるのだが、それも仕方が無いと思っている。
「いや、亀吉解ってるけど・・・しょうがないだろう」
『クピッ!クゥー』(元を正せは全てお前が悪い!ヒビキ)

 何故かと言うと問題は浄化した獣?それとも動物・・・いや、なんと言っていいのか解らないが、人懐っこいそいつらが俺達のそばというより、焼いていたキノコの匂いに集まってきたのである。
 さすがに夜寝る時は4、5匹程度よってきていて一緒に寝ていたのであるが、目を覚ますとそこには数十匹ほど、そいつらが集まって来ていて、何故か俺らと一緒に寝ていたのであった。

 それで仕方なく朝食を食べる時に、そいつらにも食べさせない訳にはいかなかったので、キノコを分け与えると・・・案の定、他の浄化した動物達が集まって来て現状の状態になり、食料が無くなったと言う事になってしまった。

「どうしてこうなった。もしかして俺が悪いのかな?昨日の夜まではこんな問題はなかったのに・・・」
 しかも現在その動物と獣達と、一緒に移動をしているのである。まあ、正確には一緒という訳ではなく、勝手に付いてきているのであった。

 はっきり言ってこれは困った状態になってしまった。このまま動物達がどこかに行ってくれればいいのだけど、どうやらみんな俺についてくる気満々であった。幸いな事にこの中に俺達を襲うような肉食の獣はいなかった。

 それにこのまま行くと、俺達はすぐに行動できなくなるような。
 現状数にしても、20~30匹くらいの小動物と中型の動物で大移動している。しかもいつの間にか鳥まで近付いて来ていたのであった。
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