13 / 66
13:力を使い果たした響・・・?
しおりを挟む
身体に力が入らないや、ああ、これがさっきエナジー様とフレイヤ様が言っていたヤツか・・・はははっ、力が入らないや。
響はアクアに声を掛けたが、足に力が入らずアクア達を抱いたまま後方に倒れた。
-☆-☆-
そう先程エナジー様とフレイヤ様から言われたように、響は気力を使いきり力が抜けて立てなくなってしまったのである。
「えっ、ヒビキ?どうしたの・・・ねぇ、ヒビキ、ヒビキ・・・」
ああ、アクアの声が聞けるが・・・駄目だ力が入らないし・・・眠い。
「えっ、ヒビキどうしたの?・・・あっ、シーちゃん!えっ、えっ、どういうことなの?シーちゃん元気になったなの!」
『くぅぅぅっ・・・』
「良かったの。良かったの。ヒビキのおかげなの。ねえ、ヒビキ!・・・ん、ヒビキ?」
ははっ、よかった。これであのアクアの悲しい顔を見なくて済むし、あの可愛い笑顔が起きたら見れるや・・・。
「おやすみ・・・アクア・・・Zzzz」
響は何故か凄い睡魔に襲われていた。ただ、眠りに落ちる前にアクアの喜ぶ声と、恐らく水竜であるシーちゃんの声を聞き笑顔のまま眠りに落ちたのであった。
☆☆☆☆☆ー 少し時間はさかのぼり、水の精であるアクアの視点で・・・・。 -☆☆☆☆☆
ちょうど響の腕が光輝く前より、ちょっとだけ前にさかのぼりアクアがシーちゃんである水竜を探しに、世界樹の根の部分に出来た穴の中に入った時である。
「シーちゃん?ここにいるの?ねぇ、どこなの・・・・・あっ、シーちゃん?えっ、えっ、何でこんなにちっちゃくなってるの?あっ、ああ、シーちゃん、シーちゃんが!」
『アクア、落ち着きなさい。早くその子をヒビキの元に連れて行きなさい。必ずヒビキならどうにかしてくれるはずですから、ただし強要してはいけませんよ。ヒビキはまだ力を制御でき無いかもしれませんから・・・』
混乱するアクアを、世界樹の精であるマナが心に話し掛け落ち着かせ、アクアに急いで響の元に行くように指示した。
「うん、解ったなの。母様!でも、このままじゃ、アクアの友達・・・誰もいなくなっちゃうよ。母様、そんなの嫌だよ。もう、家族が居なくなるのも、友達が居なくなるのも」
『ごめんなさいアクア。私にもっと力があればこんな事には・・・いえ、そうねそんな事言ってはいけませんね。アクア!早く貴方の友達を助けてもらいなさい。後は貴方にまかせますから。さあ、早く、手遅れになる前に』
「うん、なの。解ったの・・・」
アクアが急いで水竜である小さな首長竜の、その子を抱えて穴から出て行った。
その出た先には響が、心配そうにアクアが入って行った穴の中を覗きながら、アクアの事を穴の前で待っていたのである。
響は心配そうにアクアを見ながら、アクアの抱いていた水竜であるシーちゃんを見て何かを感じ取ったみたいだけど、アクアには良く解らなかった。それに何故かシーちゃんを抱えてる手が痺れて感覚が無くなってきていたのである。それに何故か嫌な感じが身体の中に入ってきていたのであった。
それは恐らく水竜の背中のところに出来た黒い斑点みたいな痣から出ている、黒い靄のようなモノがアクアにも影響を与えていたのだろうが、それに気付く者はいなかった。事実それはこの森を侵食していた瘴気そのものであったのである。
しかし、アクアは自分の身体が、その黒い靄である瘴気に浸食されて苦しいのを我慢して、響に助けを求めたのであった。
「ヒビキ!シーちゃんが、シーちゃんがちっこくなって元気が無いの。このままじゃアクアの友達どんどん・・・ヒック、居なくなっちゃうの。ヒック、うううっ、うわーん・・・」
アクアはこの時、初めて心の底から助けを求めて泣いたのである。今迄にも色々なアクアの仲間達が姿を消していったが、それは仕方が無いと思っていた。
それに世界樹であるマナが、常にアクアの側にいたのでアクアも心の底から泣く事も無かった。それにこれはもう、しかたが無いと諦めていた感じもあったのである。
しかし、響がここに来る少し前から、世界樹であるマナの元気も無くなりだし、それに近くにいた同じ存在の家族が、次々と何故か居なくなっていたので、ついにアクアもその事を悟り寂しいけど、世界樹であるマナを困らせたくなかったので泣くのを我慢していた。
それはとても心優しいアクアが、世界樹であるマナを、母様と慕う存在を悲しませたくないのと、いつか絶対に助かると希望を思っていたからであった。
そこに不思議な感じの少年響がどこからともなくやって来た事により、何かを感じ取ってそれが恐らく自分が求めた希望だと思っていた。それに何故か響がここに来た事により世界樹であるマナも、少しであるが元気を取り戻していたのである。
それでアクアもその不思議な存在である少年響に、安らぎを感じ懐いたのであった。
響はアクアに声を掛けたが、足に力が入らずアクア達を抱いたまま後方に倒れた。
-☆-☆-
そう先程エナジー様とフレイヤ様から言われたように、響は気力を使いきり力が抜けて立てなくなってしまったのである。
「えっ、ヒビキ?どうしたの・・・ねぇ、ヒビキ、ヒビキ・・・」
ああ、アクアの声が聞けるが・・・駄目だ力が入らないし・・・眠い。
「えっ、ヒビキどうしたの?・・・あっ、シーちゃん!えっ、えっ、どういうことなの?シーちゃん元気になったなの!」
『くぅぅぅっ・・・』
「良かったの。良かったの。ヒビキのおかげなの。ねえ、ヒビキ!・・・ん、ヒビキ?」
ははっ、よかった。これであのアクアの悲しい顔を見なくて済むし、あの可愛い笑顔が起きたら見れるや・・・。
「おやすみ・・・アクア・・・Zzzz」
響は何故か凄い睡魔に襲われていた。ただ、眠りに落ちる前にアクアの喜ぶ声と、恐らく水竜であるシーちゃんの声を聞き笑顔のまま眠りに落ちたのであった。
☆☆☆☆☆ー 少し時間はさかのぼり、水の精であるアクアの視点で・・・・。 -☆☆☆☆☆
ちょうど響の腕が光輝く前より、ちょっとだけ前にさかのぼりアクアがシーちゃんである水竜を探しに、世界樹の根の部分に出来た穴の中に入った時である。
「シーちゃん?ここにいるの?ねぇ、どこなの・・・・・あっ、シーちゃん?えっ、えっ、何でこんなにちっちゃくなってるの?あっ、ああ、シーちゃん、シーちゃんが!」
『アクア、落ち着きなさい。早くその子をヒビキの元に連れて行きなさい。必ずヒビキならどうにかしてくれるはずですから、ただし強要してはいけませんよ。ヒビキはまだ力を制御でき無いかもしれませんから・・・』
混乱するアクアを、世界樹の精であるマナが心に話し掛け落ち着かせ、アクアに急いで響の元に行くように指示した。
「うん、解ったなの。母様!でも、このままじゃ、アクアの友達・・・誰もいなくなっちゃうよ。母様、そんなの嫌だよ。もう、家族が居なくなるのも、友達が居なくなるのも」
『ごめんなさいアクア。私にもっと力があればこんな事には・・・いえ、そうねそんな事言ってはいけませんね。アクア!早く貴方の友達を助けてもらいなさい。後は貴方にまかせますから。さあ、早く、手遅れになる前に』
「うん、なの。解ったの・・・」
アクアが急いで水竜である小さな首長竜の、その子を抱えて穴から出て行った。
その出た先には響が、心配そうにアクアが入って行った穴の中を覗きながら、アクアの事を穴の前で待っていたのである。
響は心配そうにアクアを見ながら、アクアの抱いていた水竜であるシーちゃんを見て何かを感じ取ったみたいだけど、アクアには良く解らなかった。それに何故かシーちゃんを抱えてる手が痺れて感覚が無くなってきていたのである。それに何故か嫌な感じが身体の中に入ってきていたのであった。
それは恐らく水竜の背中のところに出来た黒い斑点みたいな痣から出ている、黒い靄のようなモノがアクアにも影響を与えていたのだろうが、それに気付く者はいなかった。事実それはこの森を侵食していた瘴気そのものであったのである。
しかし、アクアは自分の身体が、その黒い靄である瘴気に浸食されて苦しいのを我慢して、響に助けを求めたのであった。
「ヒビキ!シーちゃんが、シーちゃんがちっこくなって元気が無いの。このままじゃアクアの友達どんどん・・・ヒック、居なくなっちゃうの。ヒック、うううっ、うわーん・・・」
アクアはこの時、初めて心の底から助けを求めて泣いたのである。今迄にも色々なアクアの仲間達が姿を消していったが、それは仕方が無いと思っていた。
それに世界樹であるマナが、常にアクアの側にいたのでアクアも心の底から泣く事も無かった。それにこれはもう、しかたが無いと諦めていた感じもあったのである。
しかし、響がここに来る少し前から、世界樹であるマナの元気も無くなりだし、それに近くにいた同じ存在の家族が、次々と何故か居なくなっていたので、ついにアクアもその事を悟り寂しいけど、世界樹であるマナを困らせたくなかったので泣くのを我慢していた。
それはとても心優しいアクアが、世界樹であるマナを、母様と慕う存在を悲しませたくないのと、いつか絶対に助かると希望を思っていたからであった。
そこに不思議な感じの少年響がどこからともなくやって来た事により、何かを感じ取ってそれが恐らく自分が求めた希望だと思っていた。それに何故か響がここに来た事により世界樹であるマナも、少しであるが元気を取り戻していたのである。
それでアクアもその不思議な存在である少年響に、安らぎを感じ懐いたのであった。
0
お気に入りに追加
190
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる