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№53:どうやらみんなは?

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 そして、耳を澄ますと爆発音と銃を撃つ音が響いていた。
「なっ、何が起こってるの。レン兄?」
「解らない?でも、ただ事じゃないと思うよ。とりあえず俺は外に出て確認してくるから、みんなは俺が外に出たらすぐにドアの鍵を閉めて隠れていてくれ」
「えっ、でもレンレン。キミが危ないよ。タクタクがあんな事になちゃたんだよ。それにこのあともどうなるか解んないんだよ」
「だっ、大丈夫だよ。それに誰かが確認しないとこの後どうなるか解らないからな」
 そう言って桜花おうかの方に視線を向けた。
「でも、連夜れんや・・・・ううん、気を付けてね」

「えっ、桜花おうかちゃん危険だよ。レン君が・・・」
 桜花おうかは俺が言おうとした事は、すぐに理解してくれた。まあ、俺と桜花おうかだけは、何故か例の能力があるので最悪の場合はまたやりなおせると考えただけだ。ただ問題は同じ様に話を持っていけるかと言うことになるが、それはその時に考えたいと思う。

 そしてその部屋を出て行った。
 ただ不思議と最初は銃を撃ってきた方からは人の気配意が、全く無くなっていた。それで連夜れんやそちらの方にあえて向かって行った。

 するとそこには無数の死体が、でも姿は完全武装した人達でどこか特殊部隊が着るような装備を着込んでいた。

 しかし、その人達が十数人とその場所に無残な姿で倒れていた。そこには例の殺人AI装置の残骸と殺人マシンも数体破壊され転がっていた。
「こいつらと戦って、やられたのか?」

 そいつらを確認していると、また奥の方から数人が、何かを言いながらこちらに向かって来た。
 その姿を見た途端、嫌な予感がしてその場所からすぐに逃げ出した。

「どうなってんだ?あいつらはあの白衣の奴らと違うのか?それに今追いかけて来てる奴らは、今ここに転がってる奴らとまた違う見たいだぞ。でも絶対味方じゃないから逃げないと」
 そのまま俺がいた安全エリアの部屋がある通路とは、別の通路の方に逃げ走り出した。

 幾分か走ったあとに、桜花おうかの書いてくれた見取り図を確認しつつ出来るだけ、安全エリアの部屋より離れて行った。ただ問題は余り離れる事が出来ないと言う欠点があるが、それは腕輪に入れているデータと警報で確認できるから問題ない。

 そんな事を確認していると、また例の死亡を知らせるアラームがなりだした。

 これに関しては先程も気が付いたが、仲間が死んでも良く解らない状態だ。ただ仲間申請が解除された事を確認しない限り解らないのである。
 まあ、今の警報では仲間の解除の表示は、出ていないので今はみんな無事であると信じたい。

 それに今更ではあるが、タクもまだ仲間申請が解除されていないので、あの時は生きているみたいだった。でもおそらく時間の問題だろうと思う。早く気が付いていればと今は後悔している。

 それである程度逃げ回って、先程追いかけて来ている奴を確認してみると、いつの間にか俺を追いかけていた奴らの状態が一変してから、今度は必死に何かと戦いながらジワジワこちら側に近付いてきた。

 それにも危機感を覚え、今度は必死に安全エリアのある部屋に向かって走り出したのだ。

 そして、無我夢中に走り、先程俺が飛び出した部屋に飛び込んで入っていったのだった。

 このときは忘れていたが、あの時ちゃんと部屋のドアの鍵を閉めるように言っていたし、何故かタクの倒れていた姿は無かった。よく見ると鍵は壊されていることが確認できた。
「ははっ、やっぱり俺がみんなを助けるなんて言っておいて、俺だけ助かってやんの。これなら他の娘達と一緒に居てここに残ってた方が良かったよ」
 そんな事を力なく考えていたが、ふとある事を思い出した。

 それは俺の仲間にしていた娘達はもちろん、頭を撃たれたタクの仲間申請が解除されていない事が確認できた。

 しかもあの十人の死亡通知のあとにあった通知では、5人だけであった。それを合わせても合計15人しか死亡していない。
 あのあと、もしホントに5人なら最低でも俺の仲間は2人は生きてる事になるはずだし、仲間申請が解除されて無い事を考えると、みんな生きている事になる。

 でもこの部屋の中の斬撃は、どういう事なのかが良く解らない。
 それになんだか身体に力がはいらない・・・まあ、いいや考えるのも面倒臭いや。

 そうこうしていると、部屋の前の方で悲鳴が聞こえた。
 その悲鳴は殆どが男性の声に思えた。

 それに以前下のフロワで聞いたことのある、装置の機械音が聞こえて来て、それからどこか遠くへ行く音も聞こえて来た。
「どうなったんだ?さっき俺を追いかけて来た人達は?それにあの音は例のAI装置か殺人マシンの走行音だった」
 そう声を出しそっとドアに近付きそっと開けて外を確認すると、先程この部屋に入る前のこの廊下にあった兵隊みたいな人達の死体がなくなっていた。

「どうなってんだ。あんだけあった死体がすべてなくなっている。それに武器関係も無くなっているぞ?」
 そんな事を思っていると、肩の傷口から血を流し過ぎたのと走り回って疲れきっていたのか、意識が薄らいできた。ついで気が付かなかったけど背中が熱いや・・・どうなってんだ俺の身体は?

 するとこの部屋の天井の一部が開いて、そこから桜花おうかが顔を覗かせて、こちらに視線を向けていた。
連夜れんや、れんザッ、ザッザッ・・・・・・・」
 それを見て安心しきっていた。

 ははっ、良かった。どうやらみんな生きていたよ。はははっ。

 でも桜花おうかが何か言っている様な気がしたが、何故か聞き取ることができない、それに目の前がなんだか暗く感じてきていた。
「・・・・ザー、ザザッ、ザザッザ・・・・・」

 このとき実は連夜れんやは、ここに飛び込む前に背中を銃で撃たれており、もうその傷が原因で死に掛けていたのであった。

 でも、何とかこの部屋まで戻って来ていたのであったが、既に時間の問題であった。

 そして桜花おうかが必死に呼びかける中、連夜れんやは意識が途切れ深い眠りに落ちた。

「ザザザッザーーーーッ、・・・・プッ」
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