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№45:言い争いそして?

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 すると中年のおっさんが何を思ったのか突然声をあげた。
「ぼっ、ぼくは君達に付いて行ってあげるんだな。だから僕も君達の仲間を抜けるんだな」
「いや、付いて来ないで。あんたが一番嫌なのよ私は、何でしつこく私について来くるの、挙句の果て嘘ばっかり言って私を困らして、もう付いて来ないで」
 女性はあまりにもしつこい中年のおっさんを毛嫌いして、おっさんが付いて来るのを拒否していた。
 余程嫌な事があったのだろうか、その女性だけでなく2人の少女も嫌な顔をしていた。

「おっ、お前に付いて行くんじゃ無いんだな。そっちの2人に付いて行くんだな。僕が守ってやるんだな。喜ぶといいんだな」
 中年のおっさんは、何故か訳の解らない事をいい、少女達に付いて行こうとしていたのだが、その少女2人からも嫌がれている事に気が付いていなかった。

「いえ、結構です。私達もあなたが一番信用できませんし、付いて来ないで下さい」
「そうです。私達に近づかないで下さい。きもいです。いやらしいです」
 少女2人は、そんなおっさんに言葉ではっきりとを答えた。その答えは徹底的に毛嫌いされていた。

 するとその毛嫌いされたおっさんは、何を勘違いしたのか先程の男女3人に言葉をかけた。
「しょ、しょうがないんだな。あんな雌ガキ共は、後で懲らしめるんだな。ぼっ、僕はこのままお前達の仲間でいてあげるうだ・・・!?あれ、何故?仲間解除されてるんだな?おい、なんで勝手な事するんだな。おい」
「えっ、俺らもあんたは要らないし、それにうざいから」
「ええ、あいつの目、私嫌だったのよ。いやらしそうに私を見てたから」
「うん、うん、おっちゃん。もう荷物持ちいいよ。それ返しな、晴れておっちゃんは自由だ、もうどこへでも行っていいよ」
 ついに男女3人からも仲間を解除されて、頭に血が上ったのか、喚いてカバンを持ったまま反対側の廊下の方に逃げて行った。
「糞ガキ共後で、覚えときやがれこれは僕のもんだ。僕を敵に回した事後悔しやがれなんだな。・・・・」

 あれ?俺の記憶にある行動と若干違っている?
 そう俺が考えていると、先程の男女3人が必死になって中年のおっちゃんを追って行った。
「テメー、待ちやがれこのデブ親父。荷物を返しやがれ」
「それは、きさまのもんじゃないんだぞ。待ちやがれ」

 そこで追いかける前に一人の男性が振り返り、3人の女性に対して声をかけていた。
「お前らそこにいろよ、また後でちゃんと仲間になってから、それでうえに行く。あいつ、あのおっさんをボコって新しく仲間を連れてくるからな。あっそれと麗華レイカはもういらねえからどこへでもいきな」
 そう言葉を吐き捨て3人でおっさんを追いかけて行った。

「あのぅ、もしもし、連夜れんやさん?これはどういう事なんでしょう?」
「何も言うな。タクよ、俺にも良く解らん」
「ねえ、ねえ、早く二階に行こうよ。それにあの娘達とも話そうよ。レン君」
 茉莉香まりかちゃんが言う様に、あの娘達に話しかけ仲間を増やす事にしよう。

 しかしこのままじゃ、俺とタク以外全員が女の子ばっかりになるな。そうなると俺達の立場が危うくなりそう・・・・。

 でも、そんな事は言ってられない。良しそれとなく出て行ってあの娘達に話しかけよう。

 そう考えていたら何故か桜花おうかに止められた。何故だと思ったらどうやら双子ちゃんが何かを言いたそだったが、言いずらそうにしていたので聞く事にした。

「どうしたの絵美華エミカちゃん、真美華マミカちゃん?」
「あの・・・。その・・・」
「・・・・・」
 俺が尋ねたがどうやら2人は言い難そうで、視線をそらし俯いた。どうも俺には話せない内容のようなので、仕方なく桜花おうかに聞いてもらうようにした。

 そして、あちらの娘達には、タク茉莉香まりかちゃんに任せようとしているとしていると、その娘達がこちら側に近付いて、どうやら気付かれたようだ。
「ねえ、そこに誰かいるんですか?」
「怪しいわね。そこ、隠れてないで出てきなさいよ」
「だっ、誰?誰かいるの、出てきてください」
 どうやら色々とこちらでゴソゴソとやってる間に、向こうの女性3人も近付いてきたので、最終的に気付かれてしまっていた。

 まあ、俺達も覗き見していた以外に、別に悪い事をしている訳では無いし、もともと危害を加えるつもりは無いので出て行く事は可能なのだが、どうやらあちらの女性3人より切羽詰った娘達がこちらにいましたよ。
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