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№44:階段付近に移動?

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 そのあとは、みんなで目的の場所まで進んでいると、タクがみんなに止まるように声をかけて来た。
「ちょっと、みんな止まってくれ。階段の所で誰か揉めてる」

 タクの言葉どおり、階段の前の広場で7人が言い争っていた。パッと見た感じ男女3人組みと、それとは別の女性3人、その中には以前俺が見た事がある女性がいる。
 それとは別に荷物の側に男の1人が離れて別々の場所にたっていた。荷物の側にいた男は先程の女性と一緒にいた怪しい男だ。

 何故か女性三人組の方は俺が見たことある女性を2人の女性が庇って、男女3人組みと言い争いをしている。
「なんで、そいつを庇う。そいつは貴重な食料を黙って持っていったんだぞ」
「そんなの誰が見たのよ。彼女はちゃんと水を頂戴って言って持ってきたのよ」
「そんな筈は無い。さっきまでカバンに入れていた食料も一緒に無くなってんだ。水も遣りたくねーのによ。だからこれ以上仲間を増やすのは、いやだったんだ。足手まといにもなるしよ」
 どうやら食料の事でもめているようだった。
 でも、俺達が記憶しているのはこんな内容じゃなかった。それに記憶では俺があの中にいたはずだが・・・?まあ、いいか起こってしまったのはしょうがないとりあえずは様子を窺おう。

 その様に連夜れんやが考えている間にも言い争いは続いていた。

「それにこいつ、おっさんも見てたんだぞ。その女が何かを持って行くのをよっ」
「だから、それは水を持って行くって断って・・・・」
 おそらく食料について揉めているのは、解るけど・・・?あれ、俺の知っている記憶では、ここにいた人数は5人だったはずだぞ? それで今あそこにいる人数は7人もいる。何故だ、しかも女の子2人に関しては、この中に居なかった筈なのに聞き覚えのある様な?
 そう連夜れんやの記憶では今言い争ってる人達の人数が違い、その中に自分がいないうえに知らない娘が2人いた。しかしその2人の声には覚えが微かではあるが記憶していたのだ。

「だから、そいつの見間違えでしょ。彼の答えは曖昧じゃない。それにホントに食料がなくなってるの」
「ぼっ、僕は見たんだな。何かの塊を持っていくところを、さっき見たんだな・・・」
「ほら見ろよ。おっさんが言ってるんだ。それにそいつにカバンを持たせる前には、ちゃんと有ったんだよ。俺はちゃんと確認してんだよ。それでここに来てすぐその女が水を取ったあとから、無いんだよだから間違いないだろうが」
 広場にいる人達は俺達がここに来た事には、気が付いていないようだ。まあ、通路の影から見てるから視線をこちらに向けないと気が付かないだろうが、それでも良く見ないと解らないと思うし、それほど言い争いに夢中になっているから、ちょっとやそっと音をたてたぐらいじゃ気が付かないだろう。

 それでタクがたまらず、俺に話しかけてきた。
「なあ、連夜れんやあれってどう見ても、あいつらの言い分おかしく無いか?」
「ああ、俺も考えてたんだけど、おの中年のおっさんが一番怪しいと思うんだが」
「はっ、なんでだよ。そりゃ今の話の流れからいったら、最後に持ってたのがあのおっさんかも知れないけど、それじゃあからさま過ぎるだろう」
「いや、そういうことじゃなくて、態度だよ。態度」
 俺がそう話し中年の男性、おっさんの方に指を差し見るように答えた。すると何故かオロオロして何かを必死に何かを隠そうとしている。

 まあ、そんな事をしなくてもあのおっさんとは関わりたくない。
 それにあの女性は、もうすぐこちら側に向かって来そうだ。
タクあの女性がこっちに来たら、それとなく止めろよ」
「えっ?なんでだ?よう解らんが」
「いいから、頼む。俺はこの荷物を持ってるし、まあそんな事しなくても、多分大丈夫だと思うけどな」
 おそらく俺が思ってる事は、説明したとしてもタクには解らないだろうが、多分タクがしなくても後ろに居る女性陣が止めてくれると思う。

 俺達が階段の前の広場に行く、廊下のところから様子を再度伺っていると、ついに散々文句を言われてた女性が声をあげた。
「もういいわ、解ったわよ。そんなに信用できないなら、私は仲間を抜けるわ」
「あっ、麗華レイカさん。待って・・・私達も行きます」
「うん、私もあなた達と一緒に居たくない。だから仲間を抜けるわ」
 あれれ、女性一人だけと思ったら3人とも、こっちに来ちゃったよ。

「ちょっ、ちょと待てよ。勝手な事するなよ。その女は解るが、何故君たちまで抜ける」
「そっ、そうだよ。それじゃ配給が少なくなるじゃ無いか。勝手に抜けるなよ」
「まっ、待ちなさいよ。そんなの許されるわけ無いじゃないの。それじゃ取り分が減ってしまうじゃない」
「おい、1人減るのはいいが3人抜けられると計画が狂う。許さんぞお前たち仲間を抜けるなんて」
 先程まで1人の女性に対して文句を言って争っていた男女3人が、最初に仲間抜けた女性の後を追うように2人の少女が一緒に抜けると言った。 その事に対して慌てて引き止めようとして、ついに本音が出ていた。
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