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№36:見取り図の書き写しと通気口?

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 どうにかならないかと、思考錯誤していると桜花おうかがペンを見付けてきた。
連夜れんや連夜れんや、ペンを見つけたよ。これで・・・で、誰が書き写すの?」
 桜花おうかよそれを俺に聞くか、それを聞かれたら俺はこう言うしかないじゃないか。
「じゃ、それはきみ達に任せるよ。俺とタクはこの部屋の奥に、もう1つ部屋があるみたいなんで、それを調べるよ」
「あっ、連夜れんやずるい。めんどくさい事を押し付けて逃げたぁぁぁ」
 そりゃ、聞いた君が悪いと思うよ。だってそのとおり、書き写すのはめんどくさいし。

 そして、しぶしぶと桜花おうかはブツブツ俺の悪口を言いながら茉莉香まりかちゃんと一緒に、この建物の見取り図が映ってるモニターを見ながら書き写し始めた。
「後で憶えときなさいよ・・・・・ぶつぶつ」

 後が怖いので、この作業が終ったらちゃんと手伝ってやろうと思う。

 それから俺とタクは、この奥にあるだろうと思う、部屋への入口を調査して探す事にした。

 パッと見、入口らしきものは無い、周囲を見渡してもその方向にあるのは通気口くらいだけである。
 それと関係は無いだろうがロッカーが壁際に置いてあるくらいだ。ただこのロッカーは、置いている場所に違和感がある。
 それは荷物の出し入れが上の方だけしか出来ないで、その前には固定された机があるからだ。

タク、お前の方はなんか解ったが?」
「ああ、なんも解んねえや。てか、ほんとに部屋とかあるのかね」
「でもさぁ、あの見取り図のとおりなら、あの通気口の向こう側って事だからね」
「ならさ、その通気口調べれば解るんじゃねーの」
 確かにタクの言うとおり、通気口から向こう側を見れば、もしかしたら部屋があるかどうかは解るだろうが、あの通気口からは向こう側に行けそうも無い。だってそこには頭がやっと入るくらいの大きさしか無いからである。
 向こう側を見るくらいは出来るかも知れない。
 まあ、前面にある枠は幸いにも今もっている道具でどうにか出来るが、通気口がある位置は俺達が背伸びしてやっと下の方に手が届く位置にある。足場があれば届くとは思うが、足場に出来るような物が無い。
 それと壁の端の方に変な突起があるが足場には無理だ。

 現状で言えば肩車かどこからか台を探してきて、その台の上に乗ってやればどうにかなるだろう。だが、そこまでする必要は無いと思う。

 しかし、どうもタクはその通気口が気になっている様なので好きにさせよう。
「なあなあ、連夜れんや。お願いできるか」
「はいはい、解りました。でも、ちょっとだけだからな」
「ああ、それで良いから。肩を貸してくれ」
 まあ、頼まれたので言う事を聞いてやるとしよう。たぶん、何にもないとは思うけど?

 それで、俺はタクを肩に乗せ肩車をしてやった。
 まあ、重いとは思うがそこまでではないが・・・長時間は無理だ。
タク。すまんが出来るだけ早く終らせてくれ。長時間は無理だから」
「ああ、確認はすぐ終るから、んん?」
「どうしたぁ?」
「いや、奥になんか有るみたいだけど。おっ!連夜れんや
「なんだよぉ、早くしてくれぇ」
「ああ、悪い。下ろしてくれ。下で説明する」
 タクに言われたとおり、下に彼を下ろし先程の説明をしてもらう様にした。

「でっ、どうしたんだ?」
「ああ、やっぱりこの奥に部屋はあるぞ・・・」

 タクの説明ではこうであった。
 通気口内を除き見たら、何故か通気口ないが明るい事に最初は気が付かず、何とか奥の方を見てみたらしい。すると奥の方にケーブルみたいなのが引っ掛かって有るのが見えたそうだ。

 だが、何のケーブルかは解らずどうにか出来ないか見ていたら、その下が換気口になっていて、そこから明かりが差している事に気が付いたんだという事だ。
 ちなみに換気口のカバーを外しても届く場所ではなかったようだ。
「どうする連夜れんや。どっかに入口があると思うんだけど探してみないか」
「ああ、それはいいんだけどさ、ちょっと気になるところがあるんだ」
「あっ、どうした? 何かあったのか」
「いや、さっき肩車してて気が付いたんだけど、この床のところ何か置いていた後があるんだが何だと思う」
「はっ、どれどれ」
 2人で床にある何かの跡を確認していると、後の方で声が上がった。

「終ったァァ。もう嫌だよこんなの書き写すの」
「おお、良く頑張ったね。桜花おうかちゃん」
「うんうん、茉莉香まりかちゃんだけだよ。手伝ってくれたのは。どっかの馬鹿チンは手伝ってくれようとはしなかったから」
 いや、俺達だって必死に調査してるよ。しかしその桜花おうかの言葉は何かと棘があるような。
 ヤッパリすごく機嫌が悪いのか?
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