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№32:破壊された装置?

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 あっ、そういえばこの装置の破壊方法を知っている人物はもう1人いた。ただしそいつはまだこの時点では知らないはずだ。
 それにそいつと知り合うにはまだずっと先のはずだし、ここのフロワにいるはずは無いと思う。

「でもさぁ、これが壊されているってことは、誰かがやったって事だよね。誰だろうね?」
「そうだな。なあ連夜れんや、こいつを壊した奴って大丈夫だろうかな?危険な奴だったらやばくない」
 確かにタクの言うように、これを壊した相手が誰なのかは解らない。
 いい奴なのかそれとも、極悪非道の奴なのかである。

 俺が今までこのフロアで確認した人物でこれに当てはまる人物はいないと思う。

 でも、この施設にいる人間で、こんなことを出来る奴なら心当たりは、俺にはあるけどそんなはずは無いと思った。
 だってそいつに会うのは、まだまだずっと先のはずだから、おそらく違う人物だと思う。いや、思いたい。

「でも、凄いよねこれを壊した人って、カメラの部分をピンポイントで壊しているよ。これって」
「うん、これの弱点を知ってる人だと思うよ。たぶん」
 桜花おうかが俺に近付き二人に聞こえない様に小声で尋ねて来たので答えたが、確かにこれの破壊方法を知っている人物なのは解るが、現段階では解る筈はない。だが、もしかしたら何かでヒントを貰い弱点が解った人が破壊したかも知れない。

「しっかし見事な破壊っぷりだな。ピンポイントにカメラと駆動部を壊してるぞ」
 なっ、なに?カメラ部分だけでなく駆動部も壊してるのか?

「たっ、タク!それホントか?」
「うん?ああ、これなんか解り易いぞ。ほら」
 そう言いながら壊れた装置を倒して駆動部を、俺に見せてくれた。

 確かにカメラの部分はすぐに解ったが、駆動部までは目に入らなかった。
 それにしてもタクは、良くこんなところまで気が付いたなと思った。まあ、あんなに動かせば確認できるか、さっきの奴もひっくり返してよく見ていたし。

「なるほどな。確かに」
「ホントだ。良く見つけたね拓哉たくや君。で、何を探してたの?」
「うっ、なんでそんな事を聞くのかなぁぁ」
 茉莉香まりかちゃんの笑顔で、その質問に対したが、何故かタクは目を泳がせ曖昧な答えを口にした。

 あっ、こいつなんか隠してるな。そう俺が思っていると。
「た・く・や・君、早く正直に暴露した方がいいわよ。そうしないと」
「そうしないと?」
「私達で強制的に吐かせるからね」
「からねぇぇ。へっへっ」
 茉莉香まりかちゃんと桜花おうかが、何故か怪しい笑顔で指をワキワキさせてタクに近付いる。

「なっ、なあ、連夜れんや・・」
「無理だ!」
「そんなぁ、薄情者・・」
 御愁傷さまです。タク、俺はお前を救えない。

 迫ってくる女の子二人に降参する様に手を挙げた。
「ああ、解ったよ。正直に話すよ。こいつを見つけて回収してたんだよ」
 そう言って、手に握っていた物を見せてくれた。

「金貨?」
 茉莉香まりかちゃんがそれを見て一言声をあげた。

「あっ、ホントだ。金貨みたいなコインだよね。どうしたの、それ?」
 桜花おうかも不思議に思い、タクにどうしたのか確認していた。

「おっ、おう。これな最初の装置の横に落ちてて、その装置を動かしたら駆動部にあったんだよ。他の奴も動かしたらこいつの中にもこれがあったんだよ」
 なるほど、それで駆動部が破壊されてるのが、解ったのかそれでそこに、何故か金貨みたいなコインがあるのを見つけたのか。でも、黙ってれはみんな気が付かなかったのに、なんで話したのやら。

「なあ、タク。それ1個貸してくれる」
「おっ、おう、いいけどこれ、俺のだからな」
「そんなの、いらないよ。ただ確かめたいだけだよ」
 そういってタクから一枚のコインを借りた。

 なんで借りたかと言うと、これが本物の金貨なのか、それとも何かをするための物なのかである。なぜ、そう思ったかと言うと、俺は利用しなかったのだが記憶でそういう物を、使用して何かを貰えたはずなのである。
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