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№16:最悪の結末・・・?

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 それは、最悪の場合ペアを解消してこのルール自体を自分だけに適応するという事だった。 ただこれに関しては、成功するかは解らない。

 でも2人とも追いかけまわされ殺害されるよりましだと思うが、ただ核心はあった。

 それはペアである場合は、2人で一緒に行動するのが必須であるが、1人の場合は個人でミッションをこなさないといけない。

 しかし、ペアが成立するか解消した場合は一旦すべてのルールが白紙状態になる。それは何となく夢の中であった記憶にのこっていた。
 なんの記憶かはおぼろげなので良く解らない。でも、おそらくは間違いないと思う。

 そして、周りにここ床の扉を空ける為の道具を探した。だが何も無い。しかし、確実的に時間だけが過ぎていく。

 如何にかしていきたいが、そこでここも床を後回しにして、ある事をするようにした。

 まあ、下にいる子には申し訳ないけど、とりあえず説明だけはしておこう。
「すいません。道具を探しますから、ちょっとの間我慢していてください。それにどうやら俺達には時間が余りありませんから」
「えっ、えっ、どういうこと?ねぇ・・・・」
 とりあえず、さっき見つけた斧で中央の柱にあった扉のボルトの頭を飛ばそうと考えた。

 このとき連夜れんやは、かなり慌てていた。なにせこの場所の記憶があったが以前と違う様な場所のような気がしていた。

 しかも記憶にあるのは、ここではなく別の場所なようで、しかも連れていたのは別の娘だった様な。
 でも、こんなトラップなんかはなかったし、そのような事もミッションもなかった。ただ床が濡れていた様な。

 すでに、連夜れんやは混乱してまともな思考をもてなくなっていた。また変な頭痛にも悩まされていた。

 そこで、桜花おうか連夜れんやの様子がおかしいのに気が付き声をかけた。
「れっ、連夜れんやさん、どうしたんですか?あっ、耳から血が・・・」
 どうやら余りにも痛いと思っていたら耳から血が出だしていたのようだ。

 桜花おうかの方も、連夜れんやの顔色と様子がおかしかったので、何故と思ったのだがまさか耳から出血してるとは思いも寄らなかったらしい。それに、こんな連夜れんやの状態を見るのは、初めてであったので桜花おうかもひどく混乱していた。
「うっうう、桜花おうかちゃん・・・ごめん、ここでペアを解消しよう」
「えっ、何を言い出すんですか?」
「うっ、うん、このままじゃ・・・うっ、2人とも殺されちゃうかもしれない。でも、ペアを解消すれば・・・おそらく、2人で受けてるミッションは・・・白紙!?」
「いっ、嫌です。今度は連夜れんやさんと一緒が良いんです」
 大粒の涙を流しい、やいやしながら俺の胸に顔を埋めて泣き崩れてしまった。

 いっ、いかん、このままじゃさっきと同じ事になっちゃう、それだけは避けないとそれにこの娘だけは絶対に・・・。

「なら、桜花おうかちゃんギリギリまで、解消はしないけど・・・・残り一分になったらペアの解消を考えておいてお願い」
 そう声をかけたら俺の目を見て泣くのを止めてくれた。

 もう、実際に後5分程度しかない。
 タイムリミットは、少ないが何とか諦めないで、この娘だけでも助ける。

 また、冷静さを取り戻し、もう一度考えを改めなおした。

 そこで桜花おうかちゃんには、ある物を探して貰うことにしている。それは、あの床の下にいる娘を助けるために、その床みたいな上蓋を外す為の道具だ。

 以前なにかの雑誌で読んだことがある。それはスパイ映画なので壁を登るために使用していた。吸盤みたいな奴だ。

 ただ、これを思いついたとき、何かを忘れている様な気がしていたが、とにかく今思いついたことからやる事にした。

 そして、斧を探し出して中央に柱の裏の扉に向かった。
 斧に関しては、ハッキリ言って何故こんなとこに入ってしまったのかという場所にあった。

 それは、一箇所だけ変なところにあった瓦礫の下にあった。まあ、おそらく椅子みたいなロボットがやったとしか思いつかなかった。

 それから斧を持って先程の柱の裏にある扉のボルト部分を確認して、斧でそのボルトの頭を跳ねた。

 しかし、よくよく考えたらあの床をこの斧で壊せばいいと思ったのだが、どうやらあの蓋は鉄板のような物であると思われる。なので、斧で叩きつけたら逆にあけられない事になりそうなのでやめた。それに下の娘の様子も解らないので試す事もしていない。

 そして、扉を固定していたボルトの頭は飛ばしたが、若干張りが出ていて少ししか開かなかったので斧の刃部分を隙間に入れて強引に開けた。

 すると、警報がなりだしたのだった。
《ビーヨン、ビーヨン。火災時の非常扉が開放されましたので、消火シーケンスに入ります》そう音声の警報が鳴ったと同時に水が大量に柱の中に降り注ぎだした。
《ザザッザー・・・・》

「やっ、やばい、これってもしかして、何処かの散水パイプが破損してるんじゃ」
 そう声をあげたいると、桜花おうかちゃんが駆け寄ってきてある事を教えてくれた。

「れっ、連夜れんやさん、あそこにバルブの無い配管があります。あれをしめたら・・・あっ、でも道具が無いです」

「いっ、いやぁぁ、はっ速く出してぇぇ。みっ、水が、あふれてきたよぉぉ。速くダシテヨォォォゴボ、ゴッ、ガハッ、ハッ、バヤ・・ブグブグ」
 やっ、やばいあの娘が溺れてしまう速く助けないと、そういえばふと思い出したけど吸盤があれについていた。

 一刻も早く床下にいるの子を助けないと大変な事になってしまう。そう思い慌ててカバンのもとに行き、吸盤が付いているLED照明を取り出した。

 その吸盤部分を使い何とか蓋を開けようとするが、少し浮いたら直ぐに吸盤が外れてしまう。
 それを慌ててたのとうまくいかないのを数回繰り返しやっとの事で、何とかうまく床の蓋を開けるのに成功して、中の娘を助ける事には成功した。

 幸い時間もそんなに経っていなかったので、人工呼吸をすることで一命を取り留めたが結局は彼女も俺達と同じだったみたいであった。

 この下が彼女の安全エリアだと思っていたが、どうやら違っていた。ただ、彼女方は既にタイムアップを迎えていて、おそらくさっきの水没で殺される予定だったみたいだ。
 たまたま、俺が柱の裏にあった扉を開ける事によって消火システムが働いただけで、それが働かないでもいずれは水没するようになっていたようだ。

 そして、彼女のミッションもここを脱出であった。たまたま、俺達と同じミッションだったらしく、達成が不能になるのだろう。何故ならもう既に水は腰の辺りまで来ていて・・・・もう、なすすべも無い・・・。

 俺は、桜花おうかちゃんに謝る事しかできなかった。
「ごめんね。桜花おうかちゃん助けてあげられなくて、今度は助けれると思ったのに、ホントにごめん」
 俺は先程助けた娘を背負ったまま、涙を流し桜花おうかちゃんに謝った。

 しかし、桜花おうかちゃんは罵倒するかと思ったが、俺が謝った時の言葉を聞き一瞬驚いた表情になったが、その後に満面の笑みを向けてこう答えてくれた。
「いえ、今はいいんです。でも、やっぱり連夜れんやさんも・・《ザッ、ザザッ》・・だったんですね」
 今、何を言ったんだ?桜花おうかちゃん声が以前聞いたノイズの様な音で聞こえなかった。

 もう既にかなりの量の水で部屋に中を満たしていて、俺も桜花おうかちゃんも体力の限界に近かった。そして、ついに水の中に体を沈める事になった。

 ああ、せめて・・・いや、もう・・・考えるのをやめよう。もう感覚も・・・な・・い。《プッ》・・・・。
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