巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
上 下
139 / 557
第6章 王都シルフォードに到着、城で何かあるかもしれない。

6-12 シルフォード城では式典が開催中・・・?

しおりを挟む



 その頃、シルフォード城の式典会場では、ある程度の行事は順調に進み。このたび公国のために貢献した人達に名誉となる称号と勲章を王様より渡される叙勲式が行なわれているのであった。



 その場には、一応式典から逃げずにユウマはチャント出席していた。そしてシルフィーの隣り立っていた。

 しかし何故かシルフィーと似たような仮面をつけている。もちろんシルフィーも同様で仮面をつけている。

 何故か式典の最中にユウマはクシャミをしてしまった。
「へっんっくしっ。ううん・・・」
 ただし目立たぬ様にしたら、変なクシャミになってしまった。

「クスクス、ユウマ様なにをしてますの? それにどうかしましたの?」
 シルフィーは横でユウマの変な声に笑みをこぼして、どうしたのか尋ねてきた。

「いっ、いえちょっと、鼻がむずむずして。あれっ?」
 何故か突然鼻がムズムズして、変なくしゃみをして鼻を触ろうとしたが、仮面に引っかかり少し慌てて再度仮面の中に手を入れて鼻を触っていた。

「あら、誰かに噂されていたのでは。それより何故、貴方まで仮面をつけていますの?」
「えっ、ああそれは、ホントの姿をさらしたくないからですよ。それに今は仮面の騎士ユフィルスですよっ、シルファリア様。で、これは今後の行動に、支障を出したくないからですので、お許しを」
 そう説明をしながら仮面に触れて答えた。

 それから式典は順調に進んで行き。


「それでは叙勲式を始める。まず始めに・・・・」
 順番に勲章と称号を渡されていき。

 細かく説明すると、護衛騎士団の隊長のレオンさんは、騎士団の総団長に任命された。

 次に騎士ダントさんは、重要人物達の護衛を行なう騎士団の隊長に、モードさんは護衛騎士団の副隊長に任命されたが辞退していた。それで今度開設される騎士と冒険者達の為の、訓練校の教官になると教えて貰った。

 マークさんは、新しく創設される聖騎士団の団長として任命された。トーレさんは、モードさんと似たようなもので、騎士団には残らず王都魔法騎士学院の教師となる事になっていた。元々魔法を得意としていたのでこの度正式に魔導師となり若者達に教える事になるようだ。

 レーネさんは、新たに新設される新乙女騎士団の団長に任命される予定だったが、それを事前に断り騎士団を辞めシルフィーさんと行動を共にする様にしていた。キュリカさんもレーネさんと同様である。その為レイナさんが新乙女騎士団の団長に、そしてセリカさんが副団長に任命された。

 冒険者のみんなに関しては、最初からギルマスのフィリアさんにすべてを任せる事になり、ここではギルドへの報奨金、そして今後の活動について公国側からの制限が無くなった。まあ、元々あんまりその部分は公国側も制限をつけていた訳ではなかったが、今回は正式にその様な約束をされた。その事によりギルドの行動に制限が無くなり、国からの縛りが軽減される事になった。

 その冒険者個人に関しては、後日ギルドの方で別途行なう事になっている。
 一応その中にユウマ達の事も含まれている。

 そしてこの後、王様がとんでもない事を発表しようとしていた。
 その発表をする前に、何故かシルフィーがユウマの腕に自分の腕を組んできた。
「どうしたんです」
 そうユウマが小声で確認していると。
「此度は、我が公国を救いし英雄、仮面の騎士ユフィルスに名誉ある称号と勲章を与える。そして、此度第三王女であるシルファリアの婿候補として迎え入れたいと思う」

「なっ、なんっですと・・・」
『やっ、やられた。この王様は、またとんでもない事を言いやがった』
 その王様の発言に、周りの人達がざわつき出した。

 その中には、この国の大臣達はもちろんのこと、少年達も含まれていた。

 この後、話は続き一旦は静まっていたのに、王様の話が終わった途端にまた周りの人がざわつき出した。
 そして、ここに集まっている人達がこちらの事を検索しだした。

 しかしこのときユウマは、心底良かったと思っていた。
 それは何故かと言うと、仮面を着けていたので実質上、正体はばれていないし名前も偽名を使っているからである。
 ただこの後正体がばれたら、とんでもない事になりそうなので、この式典が終わったら即効で城を出る事を誓っていた。

 もちろん少年達4人とミーアとランを連れて行き。それから王妃様との約束であるシルフィーを連れて行くことにしていた。まあ、シルフィーを連れて行くともれなくレーネとキュリカも付いてくるだろうと思っていた。

 そして、全員で一旦冒険者ギルドに向かい例の素材関係の鑑定と報酬を受け取り、その後はどうするかを考える予定だった。

 このときはもちろん、今はギルドの依頼をこなしてる少女達とも、一緒に行動する予定である。
 まあ、大人数で押しかけたらまたボコボコにされそうだが、そこは仕方ないとユウマは観念している。
 まさか、殺されるまではないだろうと簡単に考えていた。

 そして、式典が終わりに近づいた頃に、数人の大臣と貴族が突然、先程の王様の発表に意義を申しつけだした。
「国王様、その様な素性に解らない輩に、姫様の婿候補とは聞き捨てなりません。どうかその者の正体を明かして頂きたい。それにその姫様もいつも仮面を着けております。ホントに姫様なのかも解りません。その仮面も外して正体を見せて頂きたい。よからぬ噂を聞きましたので」



 何故かここに来て周りが騒々しくなり、仮面をつけたユウマとシルフィーが、ちょっと緊急事態になってきた。



しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

竹林にて清談に耽る~竹姫さまの異世界生存戦略~

月芝
ファンタジー
庭師であった祖父の薫陶を受けて、立派な竹林好きに育ったヒロイン。 大学院へと進学し、待望の竹の研究に携われることになり、ひゃっほう! 忙しくも充実した毎日を過ごしていたが、そんな日々は唐突に終わってしまう。 で、気がついたら見知らぬ竹林の中にいた。 酔っ払って寝てしまったのかとおもいきや、さにあらず。 異世界にて、タケノコになっちゃった! 「くっ、どうせならカグヤ姫とかになって、ウハウハ逆ハーレムルートがよかった」 いかに竹林好きとて、さすがにこれはちょっと……がっくし。 でも、いつまでもうつむいていたってしょうがない。 というわけで、持ち前のポジティブさでサクっと頭を切り替えたヒロインは、カーボンファイバーのメンタルと豊富な竹知識を武器に、厳しい自然界を成り上がる。 竹の、竹による、竹のための異世界生存戦略。 めざせ! 快適生活と世界征服? 竹林王に、私はなる!

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!

あるちゃいる
ファンタジー
 山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。  気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。  不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。  どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。  その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。  『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。  が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。  そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。  そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。   ⚠️超絶不定期更新⚠️

神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました

土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。 神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。 追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。 居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。 小説家になろうでも公開しています。 2025年1月18日、内容を一部修正しました。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

処理中です...