巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第4章 トライアの領主の館で何かあるかもしれない。

4-10 リステーにちょっと同情・・・??

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 リステーを蹴飛ばした先に、彼が先程外したフルプレートの鎧と大盾があった所であり。
 しかも、その場所に頭から突っ込んで大盾に頭を打ち付けている。



『打ち付けたのが分かるくらいに、大きいたんこぶができてる?この世界はこんな事があるのか』
 ユウマが考えて感心して。
『しっかし、ギャグマンガみたいなデッカイたんこぶだなー』
 その大きなたんこぶを、倒れているリステーのそばで中腰の姿勢で見て関心していると。

 後ろの方で「クスクス」と声を殺して笑っているのが複数聞こえてきたので、そーと振り返って見ると領主のロベルトも口を押さえ笑いを堪えていた。

 この光景を見てユウマは、「はぁ」とため息を吐き。
 リステーに【状態理解・分析】スキルを使用して現在のリステー状態を見てみた。

 すると中度の火傷と頭を強打、そして記憶障害ありと表記が出たので、少し青ざめてロベルト達に現在の彼の状況を説明した。

 先程の笑いを堪えていた姿から一変してみんなで、慌ただしく動き出しリステーを訓練場の医務室へ運び出した。

 そして、医務室に運び込むと同時くらいに、先程の使用人に呼びに行かせていた治療師がやってきた。

 だが、その治療師は頭の治療は無理、自然に治るのを待つしか無いと匙をなげ。

 そしてそのあと、軽度の火傷なら治療できるが、ここまで酷いと状態回復薬の丸薬サプリか火傷薬の冷却双葉草クーリングリーフを使った塗り薬が無いと治療ができない悔しがり。

 ひとつひとつ回復させるには患者の体力が持たないので、時間をかけて自然の治癒力と回復薬か回復魔法を使って回復させるしか、他はないと説明して。

 すべての状態を直ぐに回復させるには、せめてエリクサーがあれば全ての状態異常を回復、治療ができるのにと嘆いていた。

 その言葉にユウマは不思議に思い、以前自分がエリクサーを出した時も驚かれたので、詳しく知るためシルフィー達の元に行き。

 シルフィー達を、みんなから少し離して小声で聞いてみた。
「あのう、他の薬もそうなのですけど、エリクサーってそんなに無いものなのですか?この間も思ったのですが?」
「ええ、以前も説明しましたけど。調薬できる薬剤師がおりませんし」
「はい、そうですね。材料などの素材も貴重ですから」
「それに材料があっても調薬できるかどうか?」
 その言葉を聞いて、何かを忘れているような気がして考え込んでいると。

「ユウマ様に作って頂いた上級回復薬ハイポーションならまだ残ってますのに、残念です」
 キュウリかの、その言葉である事を思い出し声を上げた。

「「「あっ!」」」
 ユウマとシルフィーそしてレーネが何かを思い出したように声を上げ。
 その声に驚いたキュウリかが。
「どうしたのですか?3人とも」

 そうこの時3人は、ユウマとシルフィーたちが初めて出会い、負傷したみんなを治療をおこなう為に、ユウマが薬剤師スキルと錬金術を使用して調薬した時の事を思いだし。

 そして、大量の上級回復薬ハイポーションを作った、後の事を思い出し声を上げた。

「ユウマ様、あの時確か・・・」
「ええ!確かエリクサーを1本使わずに・・・」
「はい、確かに!ここにあります」
 アイテムボックスから以前使わなかったエリクサーの小瓶を、ユウマは取り出し。

「シルフィーさん!これを、ロベルトさんに渡してやってください」
 そう言ってエリクサーの小瓶を渡したら、シルフィーがロベルトのもとに行き、事情を説明してエリクサーの小瓶を渡した。

「シルフィーよ、これは?」
「エリクサーです。どうぞお使いください」
 ロベルトは、手渡された小瓶を見て、まさかと思ったが念のため確認してみた。

 そして、驚いた顔をして。
「何故エリクサーを持っているのだ?これは現在、出回っていない代物しろものだぞ」

「ええ、解っていますわ。叔父さま!これはユウマ様がお持ちになっていた物を譲って頂きましたの」



 ロベルトは、その言葉を聴きユウマの方を向いて頭を下げ。
 リステーを看ている治療師の元に行ったのだった。



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