巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-28 街の中へ・・・そして驚き?

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 俺のそんな考えをよそに、リナが安心したようで門に近付くように急かしてきたのであった。



 しかし、俺としては普通なら誰も来ないような場所の門を、わざわざ簡単に空けてくれないだろうと思っていたが、とりあえずはリナが言うように、目の前にある立派な大門に近づく事にした。
「そうそう!その水晶の前に近付いて頂戴・・・」
 俺がリナに言われるがまま、大門の装飾であろう水晶の前に近付いた。その水晶は見る限りでは、ただの水晶でなく何かを付与している感じの魔力を感じるのだ。

「リナちゃん!ここから入れるの?無理なんじゃないの・・・」
「そうだよな。大体俺らが近付いたとしても、悪魔族が近くにいるから・・・簡単にはこの門を開けて中に入れてくれないんじゃ?」
 普通に考えたら誰でもそう思う。案の定アリスも俺と同じような意見であった。
 それに大体わざわざ、この場所に現れた得体の知れない俺達を、危険を侵してまで門を開け放ち中に入れてくれないと思う。だが結局のところ俺とアリスの予想を裏切られ、いとも簡単に街の中へと入れたのであった。

 俺はてっきり大門に近付いた途端に街への入場を断られると思っていた。何せ近くには監視塔があるので、俺達がどこから現われたのかが解るし、今は正門がある付近に悪魔族がいる状態なので、絶対に街の中に入れて貰えないとか考えていた。
 だが結局のところリナに言われるように、門に近付いてリナが何かをした途端に光に包まれた。次の瞬間、俺は眩しくて目を閉じた。・・・その一瞬の間に、先程いた場所の地面の感覚と違う地面、綺麗に舗装された石畳の上に俺達は立っていたのだ。

 足場の感覚が変わったので、うっすらと目を開けると・・・そこは今迄いた場所である立派な門が、そう先程迄は正面に立派な門があり、後方には鬱蒼と茂る木々があった筈なのだが、いつの間にかその門は後方に存在していて、俺達の正面には街並みが一望できる場所だった。
「・・・へっ?どう言う事だ。これは?さっきまで俺達は門の外に居たのに・・・」

 一瞬何が起きたのかが解らなかったが、確か俺がリナに言われたようにとりあえず立派な門の水晶のある場所に近づいた。するとその場所に近付いたと同時に、リナが俺の背で何かをしていた事だけは解ったが、その事を確認する前に光に包まれたのだった。
 今となっては、まあ恐らくなのだが門を通り抜ける為の何かを行なっていたのだろうが、仕組みが全く理解できなかったし、聞く気にもならなかった。それに恐らく聞いても教えてくれなかったと思う。

 それで俺が立ち止まって呆けている間に、リナは俺の背にある背負子より地上に降り立っていると、監視塔がある方向から数人の騎士風の者達が駆け寄ってきたのである。

「・・・姫様ご無事で!それに聖女様と皇女殿下も・・・」
 ・・・ん?姫様?それに聖女様に皇女様だって?どう言うこと?その言葉を聞いた時点で、一瞬訳が解らなくなった。
 まあ、聖女様は百歩譲って納得しよう。しかし、姫様と皇女様は聞き捨てなら無い。大体そんな高貴な2人がいるなら・・・もっと護衛を付けろよ。・・・と、俺はすごく言いたかった。

 俺がそんな事を考えていると、先程の騎士達が俺の背負ってる背負子の端に視線を向けて驚いていた。何せそこには荷物のように、くくり付けられていたレパードの姿があったからだ。
「おっ、おい!レイパルド隊長殿が、荷物の様に・・・すっ、すまきに・・・」

 ・・・レイパルド?えっ、レパードじゃないの?・・・そういえば自己紹介の時にレパードだけは、名を名のる時ちょっとおかしかったよな?
 事実その事を俺はここに来て思い出した。

 でも、まあいいやたいしたことじゃないし・・・。
 俺がそんな事を考えていると、騎士達が俺と肩車をしたままのアリスに視線を向けて、なにやら驚いている雰囲気だった。

「それより姫様・・・こやつは何者ですか?しかも皇女殿下の懐き様は?それに良く見るとこやつはヒューマン!人族ではありませんか?」
 ・・・えっ!?もしかして姫様ってのがリナで、皇女殿下がアリスなの?俺はここに来て一番驚いたのが・・・アリスが皇女であり、リナが姫様だと言う事だった。聖女という言葉にはあまりピンと来なかったが、それでもアリエルが聖女だという事には違う意味で驚いた。



 ここに来て俺としては、驚きの連続であったのだった。


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