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第10章 女神の修行・・・。

10-1 再び時の迷宮へ?

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―☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆―

 ここは洞窟のなかで、周囲を土で出来た壁に覆われている。そして、今、命に関わる・・・かもしれない特別な罠の解除をしている。
「ねえ、フィーナ様!これはどうすると解除できるのかな?」
「えっとね、ちょっと待ってねリンカちゃん。・・・・う~んとね・・・」
 フィーナ様がリンカに質問に対して、両手を合わせ意識を集中した。そう最近少し先が見える、未来視を実行している。

 う~ん・・・・。

 突然ですが、今、俺は・・・いや、俺達は以前来た事のある、時の迷宮ダンジョンの中に入っている。

 何故こんなところに入っているかは、今回の目的はあくまでフィーナ様の未来視という能力と、予見を行なう能力の取得する為の修行を行なっている。それで俺達が付き合う事になっていたのであった。

 まあ、俺達と言っても少数のパーティで・・・今回の人員は俺とフィーナ様は当たり前として、何故かリンカとシルフィーの2人がついてくる事になり、合計4人のパーティなのである。

 ただ、ホントの事を言うと、最初はフィーナ様とマリエル様の2人に俺と、あとウチの2人とマリエル様のところの程の誰か4人の計7人が護衛に付き一緒に行なう事になっていた。

 それでマリエル様は、自分で加護する大地で優秀な人材を4人そろえて修行に出発する予定だった。
 しかし、・・・。

 実際話しはちょうど少し前、と言うより俺達がちょうど時の迷宮ダンジョンに入って1週間ぐらい前になる。・・・ただ、現実世界では約1時間30分前ぐらいしか経っていないし、そこから更に5日前の出来事で・・・。

 ☆ー☆ー☆(約5日前・・・)

「うわぁぁぁぁん、フィーナちゃ~~ん!ウチをたすけてーなっ、ぐすっ、ぐすっ・・・」
 突然フィーナ様のところにやって来て泣きつくマリエル様、訳が解らず訪ねる事にした。

「えっ、どうしたのマリエル?・・・それよりも護衛要員は?」
「ぐすっ、しくしく、実は・・・まともな使徒の子がおれへんの・・・。ひっく、うわぁぁぁん」

 それで結局のところマリエル様は、自分の加護する大陸で優秀な人材をそろえるのに失敗した・・・・と、言うより、残っていた人材で連れて行ける優秀な人材事態がいなかった。実は以前の災害時の事もあり、殆どの人材がダメダメで見返り求める者ばかりだったらしい。

 それで、今回の修行に連れて行ける優秀な人材がいない事に気が付いたらしい。ただ、それでも優秀な人材は3人程いるらしいが、まだこの世界に来たばかりらしく、今回の修行には連れて行くのは無理な事が判明した様である。

 それで結局ウチから人員を揃えて行なう事になったが、ここで創造神様が待ったをかけたのある。

 今迄の事には一切口を出さなかった創造神様が、神殿でフィーナ様達とこれからの事を話していると、突然創造神様がやって来たのであった。
「うむ、それはいかんぞ、せめて別々に行動をするんじゃ。あっ、ユウマよこの間のカレーをまた、鍋で貰えんかな。あとライスとナンもよろしくじゃ」
 おおっ流石は創造神様、と思ったが料理を取りに来たのかよ。まあ、それはおいといて、そうだよなアーストリアの大地を管理する女神様達が、現状何もないとは言え、一気にアーストリアの神界を2人も、留守にしたら色々と困るのは間違いないし、何かあったとき対処できない。
 と、いう事であるのだろうと俺は思っていた。

 それとは別で、俺自身は心の中で現状マリエル様が神界にいないでも、大陸は大丈夫なのではと考えていたのは内緒である。

「うん、解ったわ。おじい・・・じゃなかった、創造神様。今回はマリエルが最初に・・・」
 それで、結局マリエル様の修行を最初に行い、フィーナ様はまた今度と言う事にしたが・・・・どうやら創造神様の考えは違っていた様であった。

「いやいや、フィーナよ、違うんじゃよ。別にお主ら2人が神界におらずとも、今回は問題ないぞ。むしろ同時進行してもらった方が好都合だぞ。それに・・・・」
 どうやら同時進行で、最大で5日もしくは6日の内に、最低でも未来視の技術を取得する事を、創造神様が強要してきたのである。それはもちろんここには今回来ていないシルク様にも、その通達を行なう様であった。

 まあシルク様に関しては、自分のお気に入りの神の使徒である冒険者を2人連れて行き、どこか違う場所で修行を行なうそうである。

 それで創造神様のいう事には女神様達の修行は、全員同時進行で、バラバラの場所で行なう事を命じられたのである。どうやら競い合う事を目的としているようであった。
「えっ、でも、それじゃあ俺はフィーナ様か、マリエル様のどちらかしか、ついていけませんよね?」
「えっ、あっ、そっか・・・う~ん、それならユウマさんは、マリエルの方について行ってやって、私は他の・・・」
「フィーナちゃん!それはあかんよ。ホントはウチも嬉しいけど、そこまで迷惑かけられへんから、今回ウチは・・・誰か手伝ってくれる人がいれば、それでええよ。まあ出来る事ならメグミちゃんが・・・」

 それで結局はフィーナ様と行動を共にするのは、俺と先程行ったメンバーでという事になった。

 ちなみにマリエル様の方には、メグミさんとユータ、それにアリアの3人と、先程言っていたマリエル様のところの優秀な人材3人も同行させる事になった。何故マリエル様のとこの子を同行させる事になったかは、創造神様曰く、自分の加護する大陸の子達も連れて行き育てよとの事だった。

 それに今回の人員を決めたのは、俺と、メグミさんそれに数名以外は、くじ引きで決めたのであった。

 それでクジ引きに参加しなかった数名とは、ロンとメイリー、それにキュリカさんとレーネさん、あとミーアの5人であった。
 ロンとメイリーは違う仕事があったので、最初からクジ引きに参加せず、キュリカさんとレーネさんもお城の仕事が突如入ったとかで、そちらを優先する為に辞退した。シルフィーもそうかと思ったが、今回の城の仕事は断ったそうだ。
 ちなみにミーアは、このシルフォードの魔法騎士学校に通わせているので、勉学を優先させる事にしている。それに伴い聖魔狼ホーリーフェンリルであるランもお留守番となっているのである。

 それで最終的にクジ引きでフィーナ様と俺に同行する人員2名とマリエル様とメグミさんに同行する人員3名、それとギルドの作業を、というより直接フィリアさんの依頼で手伝いをする人員を決める事になった。

 そえに元々フィリアさんの依頼はロンとメイリー、それに俺以外の数名に依頼されていたモノであった。それで最終的に残った双子であるミナとユア、それとユイカの3人が追加でそのフィリアさんの手伝いをする事になったのである。

 ついでに説明すると、今回は聖霊であるファル、フレイ、月姫、雪姫の4人も不参加である。最初はついて来ると言っていたのだが、最終的に一旦聖霊界に戻ると言っていたので、恐らくみんなで里帰りをするのだろう。

 それから約5日後に、時の迷宮ダンジョンに入って行った。実は俺達のスタートは2日程、遅れてスタートしているのである。

 ☆ー☆ー☆

 それで話しは、また迷宮ダンジョン内に戻り、フィーナ様のパーティは俺を筆頭にリンカとシルフィーの4人で行なう事になっているのである。

 ただ、何故今回時の迷宮ダンジョンを修行場所にしたかと言うと、時の女神メルティナである我が妹ティナのお願いであったのである。
 それは何故かと言うと100階層の大ボスを、如何にかして欲しいと言うことであった。

 事実それに関しては以前説明したが、まあ、俺も少し曖昧なので確認を含め、もう一度入って見る事にした。ただ、迷宮ダンジョン内以前入った時と、まったく構造が違っていた。

 何せ入ってすぐに木で出来た坑道というか、トンネルだったのである。しかも、明かりが壁際にある松明だけだったのであった。
 あれ?やっぱり、あの時の森は違う場所だったのか?まあ、いいっか・・・。

 それで現在51階層まで来ている。それは単純に彼女達が強すぎるというより、たくましいのである。
「なあ、いい加減俺も戦いたいんだけど・・・」
「だぁぁめ、ユウ君は大人しくしてて!」
「そうですよ。なんなんですか、あの力は・・・おかしいじゃないですか?ユウマ様が触れただけで50階層のボスが崩壊しかけたんですよ!」
「そうだよね。私もビックリしちゃったよ。まさか封印してるのにあんな事が出来るなんて・・・。私でもユウマさんみたいに出来ないよ」
 実は50階層に出て来た大ボスに、フィーナ様を含む、リンカとシルフィーが立ち往生していた。何せ聖なる力は疎か女神であるフィーナ様の神気でもダメージを、まったく受けない奴が現れたのである。

 ただしフィーナ様は今回の修行の為にある枷を施して、人族に近い状態にまで力を落としている。まあ、それでもリンカ達と同様の強さなのであるが、それでも神気が使えるので殆どの敵は消滅させる事が出来るのであった。

 それで先程50階層のボス部屋に入る前の、命に関わるかもしれない特別な罠の解除を、無事フィーナ様の未来視で解除して、予見で相手の弱点を知りながら苦戦をしていたが、結局弱点を突かず俺がその敵に触れただけで崩壊させてしまった。

 実はこの時の迷宮ダンジョンでは事実フィーナ様に施した、その枷は必要なかったのであるが、それでも他の女神様達、マリエル様とシルク様と同じ様な状態で、修行を望みたいという事でその枷をつけたまま迷宮ダンジョンに入った。

 それで今回は同じ様に俺にも同様な事をしているのだが、どうやら俺の方はおかしな事になっている様なのである。



 それはこの迷宮ダンジョンに入って40階層を超えた辺りから・・・。


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