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第169話 俺は決断する
しおりを挟む 晩餐会の食事が終わり、食後のひと時の最中に訪問団を代表してロイズさんから俺への願い事を聞かされた。その願い事の内容は…。
『我ら全てを傘下にして国を興して欲しい』
と、真剣な表情から聞かされたのはこのような願い事だった。
しーんと静まり返った会場内で訪問団全員が俺に目を向けている。ふと、左右に首を振ると二人の妻もその場で固まりながらも俺へ顔を向けていて、子供達は急に静まり返ったのが不思議なのかきょとんとした顔をして座っている。
『主様の国が出来るんだ!』
『エリオ様、どうするのですか?』
そんな静まり返った会場の中で真っ先に反応したのがコルとマナだ。念話で俺の頭の中に二匹の言葉が聞こえてきた。
おい、コルは先走りすぎだ。まだ俺が何も返事をしていないのに勝手に進めるなよ。そしてマナはさすがお姉さんと言うべきか、こんな時でも冷静沈着で頼もしいぞ。
『コル、マナ。とりあえずロイズさんに詳しく聞いてみるよ』
『『はい』』
俺は訪問団の人達の顔をゆっくりと見回した後、先程俺に国を興せと言ったロイズさんに顔を向けた。
「ロイズさん、申し訳ないが確認の為にもう一度おっしゃって頂けますか?」
「ああ、何度でも言うぞ。エリオット殿にはここに居る連中を傘下に収め、わしらが治める地域を新たにエリオット殿の支配地に組み込み国を興して欲しい。これはトガイ殿も含めて今回の訪問団全員の総意でもあり目的でもあるのじゃ」
「なるほど、ロイズさん達訪問団の目的は理解出来ました。俺も何れは自分の国を興したいと思っていたのでその時期が早いか遅いかになるでしょう。ですが、ロイズさんの口ぶりだと俺が興す国にコウトやサゴイのあるアロイン地方やトガイ殿の治めるモネコ地方も組み入れて欲しいとおっしゃるのですか?」
「うむ、その通りだ。コウトやサゴイだけでなく我らの願いにはトガイ殿が治めるモネコ地方も含まれる」
「トガイ殿にお聞きします。本当にトガイ殿も俺の傘下に入るのを納得してるのですか? 無理に言わされていませんよね?」
俺はモネコ地方を治めるトガイ殿の真意を測りかねて率直な質問をぶつけてみた。
「ロイズ殿の言う通りです。私は領主の地位を返上してエリオ殿の傘下に加わりたい」
「本当に宜しいのですか? 俺が統治する地域では今までのように徴税権や兵権は持てませんし、領主ではなく一人の代官として中央の指示や方針に従ってもらう事になりますよ」
俺の傘下というか配下になるのだから今までの領主の特権がなくなるのだ。領主から一地方の総代官の地位になるのを受け入れられるのかその覚悟を確かめなければならない。
「はい、キルト王国が崩壊して大国の威光の影響力がなくなり、私が治めていたモネコ地方もご多分に漏れず乱世に巻き込まれました。青巾賊が跋扈し土地は荒れ、今までの安定が嘘のようにガタガタと揺るぎ始めたのです。そしてそんなモネコ地方の状況を見た東の隣国が野心を出すのは当然の流れです。モネコ地方を自分の国の領土にしようと徐々に圧力をかけてきたのです。ですが、そんな時に天から一筋の光明が差すように希望の星が現れました。それがエリオット殿です」
「なるほど、東の隣国からの圧力ですか。あと、俺が希望の星だなんて買い被りすぎです。本当にそれだけが理由ですか?」
俺がそう言うとトガイ殿はチラッとロイズさんに目線を向けた後こちらに顔を向け俺を真っ直ぐに見つめてきた。
「エリオット殿の指摘通りそれだけではありません。最大の理由は他にもあります。それはエリオット殿が過去にこの大陸に名を馳せたアルニオ・ガウディ様の子孫だからです」
「俺がアルニオ・ガウディの子孫だから?」
「はい、私もロイズ殿と同じく過去の私の先祖がアルニオ・ガウディ様に仕えていたからです。私の今があるのも先祖がアルニオ様に可愛がられ引き立てられたおかげです。アルニオ様が無念にも志半ばで命を落とした後、不本意ながら先祖はキルト王国の傘下に加わりましたがアルニオ様から受けた御恩は代々の当主へと口伝によって受け継がれ、一度として代々の当主はその恩を忘れた事はありません。そこに彗星の如く現れたのがアルニオ様の血を受け継ぐエリオット殿です。貴方はあれよあれよという間にゴドール地方を発展させ、乱れたエルン地方を平定しました。それだけではなく攻めて来たザイード家を返り討ちにしてクライス地方までも手中に収めました。貴方の力量と器の大きさを確かめた私は、今の自分の地位や土地を差し出しても過去の先祖が受けた恩に報いるべきだと思ったのです、この気持ちに嘘偽りはございません。どうか私をエリオット殿の傘下に加えてください」
「理由もトガイ殿の気持ちもわかりました。ただ、家臣の人達も納得しているのですか?」
「ええ、ここに至るまでに家臣達に素直に私の気持ちを伝え話し合いました。あまり関係が良好ではなかった東の隣国の軍門に降っても冷遇されるのは火を見るよりも明らかです。冷遇されるどころかそのうち何かしらの罪を着せられ全てを奪われるでしょう。ですので庶民に絶大の人気を誇り善政を敷くエリオット殿の傘下に加わる事に家臣一同も揃って賛成してくれました。そういう訳でありましてこの件について何の憂いもございません」
ふむ、訪問団に同行してきたトガイ殿の目的は俺の傘下に加わりたいという理由だったのか。しかもトガイ殿の先祖もロイズさんと同じく俺のご先祖様のアルニオ・ガウディに並々ならぬ恩を受けているという。これも巡り合わせとはいえ見えない運命に導かれているようだ。
「わかりました。トガイ殿の真摯な思いをしっかり受け止めたいと思います。どうか俺の傘下…いや、俺の仲間に加わってください」
「おお、ありがとうございます。私と家臣一同はエリオット殿の為に身を粉にして働く所存です。どうか宜しくお願いいたします」
「良かった良かった。わしもトガイ殿を連れてきた甲斐があったというものだ。これでコウトやサゴイのあるアロイン地方とトガイ殿の治めていたモネコ地方が新たにエリオット殿の治める地域になる。ゴドールとエルン、そしてクライスを含めると国を興すには充分すぎる広さだ。むしろ、規模からしても東の隣国を大きく上回るし経済的にも飛び抜けている。是非ともエリオット殿には我らの願いを聞き入れて国を興してもらいたい」
「ロイズさん、貴方には後継者のギダンさんが居ますが納得しているのですか?」
トガイ殿の気持ちや事情は理解したが、ロイズさんの方も確認しておかないとな。息子でロイズさんの後継者のギダンさんの考えは果たしてどうなのか。本人が納得してるとは限らないしな。
「それについては俺が直接話すよ」
ギダンさんが立ち上がって俺に話しかけてきた。
「どうぞ、俺も本人の口からギダンさん自身の考えを聞いてみたい」
「ありがとう。俺は親父と違って内政の才能はないみたいだ。これは俺自身が以前から認識しているし、はっきり言って武辺だけの脳筋だ。だから俺の先祖が大恩を受けたガウディ家の血筋であるエリオット殿の傘下になるのは何の抵抗もない。むしろ、俺よりも強く内政にも才覚を発揮するエリオット殿に仕えて俺の得意分野で専念してエリオ殿の為に力を発揮したいと思っている。失礼にあたるかと思ったが手合わせをお願いして完膚なきまでに負けたおかげでその気持ちは完全に固まった。どうか俺を配下にして国を興して俺に夢を見させて欲しい」
なるほど、ギダンさんが俺に手合わせを望んだのはそういう理由があったのか。自分の将来の道との踏ん切りと俺の力を自ら確かめて納得したかったのだろう。
トガイ殿、ギダン殿には色々な思いや葛藤があっただろうと想像出来る。それでも最終的に俺に自分達の将来を委ね配下になりたいという道を選んだ。そして全員が俺に国を興して欲しいと願う。訪問団の真の目的はこれだったのか。
俺が国を興す…何年か前の俺の状況を振り返ってみるとまるで冗談のような言葉だが、今の俺にはそれだけの実力がある。大切な妻や子供とコルとマナ、そして俺を慕ってくれる仲間や配下と多くの民衆達に俺は支えられている。俺はこの人達を守りたい。そうなれば俺の心は決まったぞ。
「わかりました。俺は皆の願いを聞き入れて自分の国を興しますのでどうか俺を支えてください」
「「「おお!」」」
それは俺の建国の決意を聞き、静かだった晩餐会の会場が大きな歓声に包まれた瞬間であった。
『我ら全てを傘下にして国を興して欲しい』
と、真剣な表情から聞かされたのはこのような願い事だった。
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『『はい』』
俺は訪問団の人達の顔をゆっくりと見回した後、先程俺に国を興せと言ったロイズさんに顔を向けた。
「ロイズさん、申し訳ないが確認の為にもう一度おっしゃって頂けますか?」
「ああ、何度でも言うぞ。エリオット殿にはここに居る連中を傘下に収め、わしらが治める地域を新たにエリオット殿の支配地に組み込み国を興して欲しい。これはトガイ殿も含めて今回の訪問団全員の総意でもあり目的でもあるのじゃ」
「なるほど、ロイズさん達訪問団の目的は理解出来ました。俺も何れは自分の国を興したいと思っていたのでその時期が早いか遅いかになるでしょう。ですが、ロイズさんの口ぶりだと俺が興す国にコウトやサゴイのあるアロイン地方やトガイ殿の治めるモネコ地方も組み入れて欲しいとおっしゃるのですか?」
「うむ、その通りだ。コウトやサゴイだけでなく我らの願いにはトガイ殿が治めるモネコ地方も含まれる」
「トガイ殿にお聞きします。本当にトガイ殿も俺の傘下に入るのを納得してるのですか? 無理に言わされていませんよね?」
俺はモネコ地方を治めるトガイ殿の真意を測りかねて率直な質問をぶつけてみた。
「ロイズ殿の言う通りです。私は領主の地位を返上してエリオ殿の傘下に加わりたい」
「本当に宜しいのですか? 俺が統治する地域では今までのように徴税権や兵権は持てませんし、領主ではなく一人の代官として中央の指示や方針に従ってもらう事になりますよ」
俺の傘下というか配下になるのだから今までの領主の特権がなくなるのだ。領主から一地方の総代官の地位になるのを受け入れられるのかその覚悟を確かめなければならない。
「はい、キルト王国が崩壊して大国の威光の影響力がなくなり、私が治めていたモネコ地方もご多分に漏れず乱世に巻き込まれました。青巾賊が跋扈し土地は荒れ、今までの安定が嘘のようにガタガタと揺るぎ始めたのです。そしてそんなモネコ地方の状況を見た東の隣国が野心を出すのは当然の流れです。モネコ地方を自分の国の領土にしようと徐々に圧力をかけてきたのです。ですが、そんな時に天から一筋の光明が差すように希望の星が現れました。それがエリオット殿です」
「なるほど、東の隣国からの圧力ですか。あと、俺が希望の星だなんて買い被りすぎです。本当にそれだけが理由ですか?」
俺がそう言うとトガイ殿はチラッとロイズさんに目線を向けた後こちらに顔を向け俺を真っ直ぐに見つめてきた。
「エリオット殿の指摘通りそれだけではありません。最大の理由は他にもあります。それはエリオット殿が過去にこの大陸に名を馳せたアルニオ・ガウディ様の子孫だからです」
「俺がアルニオ・ガウディの子孫だから?」
「はい、私もロイズ殿と同じく過去の私の先祖がアルニオ・ガウディ様に仕えていたからです。私の今があるのも先祖がアルニオ様に可愛がられ引き立てられたおかげです。アルニオ様が無念にも志半ばで命を落とした後、不本意ながら先祖はキルト王国の傘下に加わりましたがアルニオ様から受けた御恩は代々の当主へと口伝によって受け継がれ、一度として代々の当主はその恩を忘れた事はありません。そこに彗星の如く現れたのがアルニオ様の血を受け継ぐエリオット殿です。貴方はあれよあれよという間にゴドール地方を発展させ、乱れたエルン地方を平定しました。それだけではなく攻めて来たザイード家を返り討ちにしてクライス地方までも手中に収めました。貴方の力量と器の大きさを確かめた私は、今の自分の地位や土地を差し出しても過去の先祖が受けた恩に報いるべきだと思ったのです、この気持ちに嘘偽りはございません。どうか私をエリオット殿の傘下に加えてください」
「理由もトガイ殿の気持ちもわかりました。ただ、家臣の人達も納得しているのですか?」
「ええ、ここに至るまでに家臣達に素直に私の気持ちを伝え話し合いました。あまり関係が良好ではなかった東の隣国の軍門に降っても冷遇されるのは火を見るよりも明らかです。冷遇されるどころかそのうち何かしらの罪を着せられ全てを奪われるでしょう。ですので庶民に絶大の人気を誇り善政を敷くエリオット殿の傘下に加わる事に家臣一同も揃って賛成してくれました。そういう訳でありましてこの件について何の憂いもございません」
ふむ、訪問団に同行してきたトガイ殿の目的は俺の傘下に加わりたいという理由だったのか。しかもトガイ殿の先祖もロイズさんと同じく俺のご先祖様のアルニオ・ガウディに並々ならぬ恩を受けているという。これも巡り合わせとはいえ見えない運命に導かれているようだ。
「わかりました。トガイ殿の真摯な思いをしっかり受け止めたいと思います。どうか俺の傘下…いや、俺の仲間に加わってください」
「おお、ありがとうございます。私と家臣一同はエリオット殿の為に身を粉にして働く所存です。どうか宜しくお願いいたします」
「良かった良かった。わしもトガイ殿を連れてきた甲斐があったというものだ。これでコウトやサゴイのあるアロイン地方とトガイ殿の治めていたモネコ地方が新たにエリオット殿の治める地域になる。ゴドールとエルン、そしてクライスを含めると国を興すには充分すぎる広さだ。むしろ、規模からしても東の隣国を大きく上回るし経済的にも飛び抜けている。是非ともエリオット殿には我らの願いを聞き入れて国を興してもらいたい」
「ロイズさん、貴方には後継者のギダンさんが居ますが納得しているのですか?」
トガイ殿の気持ちや事情は理解したが、ロイズさんの方も確認しておかないとな。息子でロイズさんの後継者のギダンさんの考えは果たしてどうなのか。本人が納得してるとは限らないしな。
「それについては俺が直接話すよ」
ギダンさんが立ち上がって俺に話しかけてきた。
「どうぞ、俺も本人の口からギダンさん自身の考えを聞いてみたい」
「ありがとう。俺は親父と違って内政の才能はないみたいだ。これは俺自身が以前から認識しているし、はっきり言って武辺だけの脳筋だ。だから俺の先祖が大恩を受けたガウディ家の血筋であるエリオット殿の傘下になるのは何の抵抗もない。むしろ、俺よりも強く内政にも才覚を発揮するエリオット殿に仕えて俺の得意分野で専念してエリオ殿の為に力を発揮したいと思っている。失礼にあたるかと思ったが手合わせをお願いして完膚なきまでに負けたおかげでその気持ちは完全に固まった。どうか俺を配下にして国を興して俺に夢を見させて欲しい」
なるほど、ギダンさんが俺に手合わせを望んだのはそういう理由があったのか。自分の将来の道との踏ん切りと俺の力を自ら確かめて納得したかったのだろう。
トガイ殿、ギダン殿には色々な思いや葛藤があっただろうと想像出来る。それでも最終的に俺に自分達の将来を委ね配下になりたいという道を選んだ。そして全員が俺に国を興して欲しいと願う。訪問団の真の目的はこれだったのか。
俺が国を興す…何年か前の俺の状況を振り返ってみるとまるで冗談のような言葉だが、今の俺にはそれだけの実力がある。大切な妻や子供とコルとマナ、そして俺を慕ってくれる仲間や配下と多くの民衆達に俺は支えられている。俺はこの人達を守りたい。そうなれば俺の心は決まったぞ。
「わかりました。俺は皆の願いを聞き入れて自分の国を興しますのでどうか俺を支えてください」
「「「おお!」」」
それは俺の建国の決意を聞き、静かだった晩餐会の会場が大きな歓声に包まれた瞬間であった。
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